ビデオゲームの紹介・レビュー
PS3やXBOX360の世代のゲームには、画像効果の一つとして「ブルーム効果」というものが実装されていることが多くなっています。 「ブルーム効果」とはグラフィックの明るい部分を滲ませてじわっとさせる画像処理のことです。 あくまで一例ですが建物の中から窓の外を見る映像があったとしましょう。 そのとき窓の縁がじわっと滲み、柔らかく見えていて、光があふれ出しているように見えていたらそれはおそらくブルーム効果です。 以下、ブルーム効果のありなしのスクリーンショットを見てみます。 スクリーンショットはアフリカを舞台にしたFPS「Farcry2」です。
特にこのシーンは砂漠で撮っているのでブルーム効果のありなしがはっきりしていてわかりやすいはずです。 砂漠の砂は輝度(キド)が高く、ブルーム効果によってかなり滲んでいます。 ブルーム効果は、元々レンダリングされている画像の高輝度部分にブラーをかけたものを上からかぶせたものみたいなものです。 このコラムの題名にもなっていますが、ブルーム効果が有効にされている場合は非常に見づらくなっています。 ブルーム効果は人間の目が感じている現象を擬似的に作り出しているので、おそらく普段からこのようなことを感じているのかもしれません。 ところが、ゲーム画像はディスプレイを通して見るものですから実際の見た目とは違和感を感じます。 いくら実際に見えていた映像であっても、それを自分の意志とは関係なくゲーム側で用意されると違和感もという不快感が出てきます。 ですが、これはあくまでも私の意見であって、「ブルーム効果のようなぼやけ方がリアルで良い」という考えを否定するものではありません。 多くのゲームで採用されている現状を鑑みるに、支持する人が大勢いると考えるのが適当ですから。 次も先程と同じくFarcry2からのスクリーンショットです。今度はブルーム効果のありなしがわかりにくい場面です。
ゲームによってはブルーム効果ではなく、グレア効果・HDR効果となっている場合もあります。 ブルーム効果、グレア効果、HDR効果はゲーム内の処理としては違う種類ものの、目標とすることがほとんど同じです。 それは、光の表現を肉眼で見ているような状態に近づけることにあります。 ですから、見た目はどれも光がぼやける表現となります。 ブルーム効果以外にも画面をぼやけさせる画面効果があります。 その代表的なものは被写界深度の表現です。 ゲームよってその表現方法は様々ですが、被写界深度を表現することに違いはありません。 被写界深度とは、写真のピントがあっているようにハッキリとしている場所のことを差します。 つまりピントが合っていない場所はぼやけているわけです。 ゲームのエンジン側で、ピントが合っていない場所を意図的に作り出します。 このようにピントが合っていなくてぼやけている場所は、物の奥行きや高低差、またはプレイヤーキャラクターの視界の様子を表現するために使われています。 わかりやすい例として、Mirror's Edgeのスクリーンショットを見てみましょう。
被写界深度が浅い場面は表現オン、深い場面は表現がオフとなっていると考えてください。 スクリーンショットで表現されているミラーズエッジの場面は、プレイヤーキャラクターがパイプを伝ってビルの屋上へ登る瞬間です。 遠くの彼方にある青空がぼやけていることで遠くにある物がより遠く見えてくると思います。 ただこの画面効果も、ブルーム効果と同じように擬似的に掛けられているだけあって、私としては非常に見づらい。 自分自身が近視用眼鏡を掛けていることも理由にあるのだとは思う。 このピントが合っていない状態というのは、近視の人が矯正をしないで(裸眼で)物を見ているときとそっくりなんですよね。 他に、戦闘をするときに視野が狭くなったように感じて窮屈に見えることもあります。 以下のFarcry2のスクリーンショットを見てください。
銃を構えたときは銃に備え付けてある照準機をのぞき込むわけですから、画面の他の部分に焦点が合うことはありません。 しかし、そのせいで画面の端っこは非常に見づらくなっています。 例えば横から敵が出てくる場合は反応が鈍くなる可能性があります。 もちろん、このような表現方法は「リアルさ」を追求する上では非常に重要な要素となり得るわけです。 人の好みと結論づけておきますが、私はどうも好きになれなない画面効果です。 PCゲームの場合は画面設定でオンにもオフにも出来ますが、ゲーム機はそういかないので難儀なところです。 とりあえず私が言いたいのは、画面をぼやけさせる画面効果は見づらいということです。 ところが、わざと画面をぼやけさせる場合もあるにはあるのです。 そのことについては「解像度について」を参照してください。 |