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ゲームにおける解像度について --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介

ゲームにおける解像度について
2009年2月

ゲームを遊ぶときに解像度(Resolution)は重要な要素です。
高い解像度は細部までくっきりした映像を実現すること出来るので、一旦慣れてしまうと低い解像度にはなかなか戻れません。
ゲーム機の場合、かつてプレイステーションやセガサターン、ニンテンドウ64が主流だった時代では何も考える必要はありませんでした。
しかしプレイステーション2、ゲームキューブ、XBOXが出たころから高い解像度をウリにするゲームがポチポチ現れ始めました。
次の世代であるプレイステーション3やXBOX360はゲーム機のハードウェアとテレビの進歩が相まって、高い解像度でのゲーム体験が大々的に宣伝されています。
また、PCゲームを遊ぶ場合は解像度の高低によって描画負荷が大きく変わってくるので、昔から大きな関心があったと言えるでしょう。

まずは単純に「なぜ解像度が高いことが好まれるか」について話をしていきましょう。
その理由は解像度が高いほど画面が精細になって、ハッキリクッキリとした画質で遊べるからです。
下のスクリーンショットを見てください。
同じ場面のスクリーンショットですが、解像度が違っています。
ゲームはCounter Strike:Source。左側はゲーム内の表示解像度640×480で、右側は1600×1200です。

左側が低解像度。右側が高解像度。

解像度が高いスクリーンショットでは人物の顔までハッキリと見えますが、低い場合はつぶれていて何が何だかわかりません。
また左側の映像の解像度はテレビなどで使われている規格に合わせるとD2相当、右側はD5相当の解像度です。
ゲーム機は主にD端子で接続することが多いでしょうから、PCでの解像度などと照らし合わせてみましょう。
(なお、プログレッシブとインターレースの違いは明記していません)

規格 解像度
D1端子、D2端子 720×480
D4端子 1280×720
D3端子、D5端子 1920×1080
フルHD、フルハイビジョン 1920×1080
地上デジタル放送 1440×1080

ゲーム機ではD3またはD4相当の解像度で出力されることが多いので、PCゲームをやるのならばせめてD4相当(1280×720)の解像度で遊びたいですね。
話はそれますがゲーム機を使うに当たって注意して欲しいことが一つあります。
ゲーム機は性能の限界もあって「内部で出力される解像度はD4程度の場合が多い」のです。
したがって画像が出力される際に適当な解像度へアップコンバートまたはダウンコンバートされています。
一方でPCゲームの場合は、ゲーム側で設定した解像度そのままで出力されます。
つまりゲーム機でやる場合よりもPCでやる場合の方が負荷が大きくなりますが、より素晴らしい映像で遊べるわけです。

また、今現在主流のモニターやテレビはは液晶またはプラズマですが、これらは画素が固定されているモニターです。
要はモニターが表示できる最大の解像度に満たない映像は、モニター(テレビ)や機器によって引き延ばされているわけです。
引き延ばされた画像は本来の画質よりも劣化していることに注意してください。
ということは、地上デジタル放送とゲーム機の映像を100パーセントの状態で見られるテレビはないわけです。
(世の中にあることにはあるのですが、今現在新品で手に入る物にはありません)

つまり液晶モニターを使いPCでゲームをやる場合、表示できる最大の解像度が最も美しい解像度ということになります。
このようにモニターが持っている最大の画素(解像度)で映し出された映像はドットバイドットと呼ばれています。
(モニター側で表示解像度をいじれる製品はありますが、画面が小さくなります)

ところがPCゲーマーならおなじみではありますが、解像度はゲームのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
下にラストレムナントとデビルメイクライ4のベンチマーク結果を貼り付けておきます。
上から解像度は1920×1200、1280×720、640×480です。
それぞれD5、D4、D2と同じ解像度です。
まずはラストレムナントのベンチマーク結果から見てみましょう。


さほど差は出ていませんが、解像度が高いほど平均フレームレートは低くなっていることがわかります。
またベンチマークで最も重い場面をそれぞれの解像度で比べた場合、解像度1920×1080ではfpsが30近くまで低下したのに対し、解像度640×480ではfpsは80以上出ていました。
次はデビルメイクライ4のベンチマークです。


シーン2とシーン4を見てください。
このベンチマークでも解像度が低ければ低いほど大きなフレームレートが出ていることがわかります。
人間が知覚できるfpsは60と言われているので、60を下回らなければ非常に快適に動いていると感じることが出来ます。

また解像度は表示するための画素数を縦と横の数字で表していますので、縦と横の数字を掛け合わせることで描画している画素の数がわかります。
1920×1200=2280000、1280×720=921600、640×480=307200となり、比率はおおよそ7:3:1です。
かなり強引に考えれば、あるゲームにおいて解像度が1920×1200でfpsが60ちょうど出るパソコンは解像度が640×480でfpsが60ちょうど出るパソコンの7倍の性能があると言えます。
上の方でゲーム機はD4相当のレンダリングしかしていないと書きましたが、ここまで書けばその理由は何となくわかるでしょう。
仮にD5相当のレンダリングを行うとD4の2.5倍近い描画負荷がかかります。
多くのゲームメーカーは高い解像度を出すよりもゲーム内描画を充実させた方が良いと判断しているんですね。

したがってPCでゲームをやるときも、描画負荷との兼ね合いで解像度を落としてやらざるを得ない場合があるわけです。
一般的にfpsは30程度出ていればシングルプレイヤーモードをやるのに十分とされています。
しかしマルチプレイヤーをやるにはfps60が最低条件と言っても良いでしょう。
なぜなら、fpsが30ということはfpsが60と比べて一秒間に発信したり受け取る情報量が半分になってしまうからです。
瞬時の判断が画面に反映されなくて敵にやられてしまったなんてことが起こり得ます。
ですからテクスチャーの質や解像度を落としてfpsを稼ぎます。
FPSのマルチプレイヤーモードをよくやる人が設定をわざと下げているのはそういう理由だからです。

しかしここで一つ不思議なことがあります。
ある程度の解像度で十分に動くPCを持っているのに、さらに下げる人がいるのです。
その理由を聞いてみると「敵に攻撃を当てやすくなるから」というものがほとんどです。
なぜか、その理由を考えたのでしが、おそらくこうではないかという答えを自分なりに出しました。

答えはピントが合っているかどうかにあるのではないかというわけです。
解像度を下げることによって画面全体がぼけることは冒頭でお話ししました。
また、写真などでは手前の人物や物体にピントを合わせ、背景の人物や物をわざとボケさせて遠近感を出す手法があります。
ぼやけている場所は人間の意識からは重要でないものと考えているはずです。
普段の生活から白目で見ている物は重要でないからそうしているのであって、重要な物は黒目、つまりピントがあった状態で見ています。
解像度を下げてわざとぼやけさせることで、意図的にピントがあってない状態を作り出します。
そしてプレイヤーは画面中央に進行を集中させます。
なぜかというと、FPSではどのゲームであっても画面の中心から弾が発射されます。
端っこから弾が出てくるようなゲームは見たことも聞いたこともこともありません。
つまり画面の中心に目標物をおくことを意識すれば、照準がついていなくても敵に攻撃を当てることは可能な作りになっています。
大抵のゲームには照準がついているので、中心を見続けることは簡単だと言えます。
また、解像度を上げると画面が浮かび上がってくるので画面の中心に意識が行きにくいと私は感じています。

左側が低解像度。右側が高解像度。

上の画像はどちらも縮尺を変えてあるために色彩が乏しくなっているので適当ではないかもしれません。
しかし見て欲しいことは、右側の高解像度の場合は両脇にいる人物が浮き上がって見えることです。
高い解像度の場合は、画面中心ではない部分に目移りしてしまう可能性があるのではないでしょうか。