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Call of Duty 2(コールオブデューティー2)


ジャンル:FPS
機種:PC
発売年:2005年
開発会社:Infinity Ward



レビュー脱稿日2008年11月  最終更新日2011年3月

紹介

『Call of Duty 2(コールオブデューティー2)』(以下『COD2』)は2005年に発売されたFPSである。
開発はInfinity WardでPCの他にXBOX360で発売されている。
現在は日本語版が廉価で発売されているので入手には困らない。
また英語版で日本語字幕を表示させるMODがあるので、英語版を入手しても日本語で遊ぶことができる。
再販が行われていないXBOX360版は中古市場でも品薄で価格が高騰している。

前作『コールオブデューティー』は様々なメディアのレビューからもユーザーからも大変に高い評価を受けていたゲームである。
続編である『COD2』でも基本的な路線は踏襲されている。
その基本的な路線というのは、集約するとシンプルなシステムと臨場感のある戦場の演出の二つである。
ただ、システムや演出面は前作までのものを使い回しせずに新たなものを取り入れている意欲作でもある。
続編ではあってもプレイ感覚はずいぶん違っている。
車両に乗って戦場へ行く様子
戦場へ
『COD2』では前作と違って体力に自動回復方式を採用している。
それまではメディキットを入手して体力を回復させていたのだが、潔く取っ払ってしまった。
敵から弾丸を受けると画面に弾丸を受けた位置が表示されて、画面全体が赤く染まっていくようになっている。
ある程度連続して攻撃を受け続けると真っ赤になっていってそのまま死亡するが、物陰などに隠れていると体力は元通りになる。

他には常に味方と行動を共にするようになっている。
単独で行う任務が完全に無くなっていて、死んだ仲間は場面に応じて補充されていく。
一度に表示される敵も増えているので、落ち着いて進めなければ難しくなっている。

あとは前作と違って一部のミッションに自由度が持たせられているのも特徴と言えば特徴である。
これは例えば同時に5つの任務が与えられ、その中のどれから攻略しても良いという感じ。
雨の降りしきるミッションでの画像
画像だとAからEのミッションどれから攻略してもよい
演出面では、今作は特に音声面での演出が際だっている。
それは味方や敵が叫ぶ「声」の存在である。
例えば敵を発見したとき、されたときに敵も味方も警戒のための大きな声を出している。
他にも味方が手榴弾を見つければ「エネミーグレネード!」とか叫ぶので、それまでのシリーズにも増して味方と戦っている印象を受ける。
つまり声をよく聞くことが敵の攻撃を察知するための重要な要素となってくるのである。
それだけではなくて戦場では常に爆撃音や銃撃音が鳴り響き、非常に賑やかになっている。
やはり視覚だけではなくて聴覚にも訴えかけると、臨場感をよりいっそう醸し出してくれるのだ。
極寒の地で味方と敵をうかがう画像
戦場の息遣いが伝わってくる

紹介

雰囲気を味わうゲームとして見れば申し分ないが、ずいぶん大味になっている

最高の臨場感

『COD2』は戦場の雰囲気を出すことに関しては申し分のないゲームだ。

ゲームをするに当たってプレイヤーは主に視覚と聴覚から情報を得ている。
どちらかというと視覚情報に関しては印象が非常に強いのでゲーム側から力を入れられることが多いが、聴覚情報はおろそかにされることが多い。
しかし『COD2』では音声を最大限に生かしたゲーム作りをしているので、他のゲームにはない魅力を見いだせるのだ。
その魅力というのは、いかにも戦場で味方と一緒に戦っているという感覚そのものである。
爆発音のは迫力もさることながら、味方が常に大声で何かを叫んでいるので一人で戦っている感じがしない。
敵が投げてきたグレネードを警戒する声を聞いていれば、「味方が助けてくれた!」と感じるかもしれない。
まあなんというか、『COD2』最大の魅力は音声なのであるが、レビューでは使えきれないところがちょっと残念なところ。

味方がは声を出してくれるわけではなく、常にプレイヤーの傍にいてきちんと敵と戦ってくれるのも好印象だ。
よく見てみると味方は同じ場所で同じように動いているだけで頼りないのだが、そんなことは気にすることはないだろう。
雰囲気を重視するためにAI操作の仲間はしっかりと役割を果たしてくれている。
やはり戦場を舞台にするゲームでは味方がいるいないで、印象がグッと変わる。
スモークのたかれた場所へ突撃をする
味方と突撃だ

爽快感重視の戦闘

ゲームのバランスについては、非常に爽快感重視の作りになっている。

敵がグレネードを投げまくってくる上に、プレイヤーは至る所でグレネードが手に入るので投げまくることができるので、迫力のある爆発音をひっきりなしに聞くことになる。
グレネードはダメージも大きいので敵もぽんぽんと死ぬと言うわけだ。
体力は自動回復方式なので体力が減っても一定時間物陰に隠れるだけで良い。
つまり何も深いことを考えないで敵につっこむことができる。
意図的にマシンガンが設置されていることも多く、何十人も群がってくる敵兵を次々となぎ倒していく様は圧巻である。

実は今までで述べたゲームバランスは難易度ノーマル以下の場合である。
ハード以上になると敵の攻撃力が急激にあがり、ゲームバランスは全くの別物へと変わる。
敵が多いので物陰に隠れながらじりじりと敵を倒しつつ進まなければ死にやすくなる。
一つのゲームで違うバランスを二度味わえるので良いところ・・なのかもしれない。
味方戦車とともに進軍している様子
戦車戦というのあるだろうが、爆発多いぜ!

戦闘の問題点

ただ、この戦闘には問題点もある。
手榴弾は確かにたくさん手に入り敵を倒すのに役に立つが、逆に言えば敵さんもしょっちゅう投げてくる。
しかもこの手榴弾が妙に正確に投げられてくるのだからたまったものではない。
敵との交戦で死ぬのは大抵爆死によるものである。
グレネードは直撃すると即死してしまうのだ。

クリエイターもこのことは十分わかっているらしくて、敵に投げられた手榴弾が自分の近くに着弾すると着弾したことを知らせる機能がある。
ただまあ、この機能で手榴弾が近くにあるのを察知したプレイヤーはとっさに後退して手榴弾を回避することになると思う(別に前へ行っても良いのだが敵がいるので死ねる)。
ところがこのとき、自動回復機能を使って前へ前へとガンガン進んでいるのに、いちいち一旦戻らなくてはならないのだ。
自動回復によるテンポの良さを、グレネードで消し去っている。
おそらく難易度が低いと敵の攻撃で死ぬ要素がないためにこういった調整にしたのだろう。
それでも、グレネードは不自然なほど多すぎる。
グレネードアイコンが表示された瞬間
グレネードだ!逃げろ!
実はテンポの良さを犠牲にしているのは、敵兵の多さとも関係してくる。
雰囲気を出すために一度に大勢の敵兵が出てくるのは良いのだが、こちらが攻撃できるのは一人一人なので全員を倒すのに妙に時間がかかる。
しかも敵兵はちょっと固めなので、たくさん出てくる敵兵にプレッシャーをかけられている状況が多い。

『COD2』は敵からの圧力を非常に感じやすいゲームである。
敵が多くて固い上に、プレイヤーがおかれるシチュエーションも大いに関係している。
例えば敵がマシンガンなどを配置して防衛戦を作っているところに突撃したり、大勢の敵が突撃してくるのを一定時間守りきるミッションが多い。
これは好みの問題だとは思うのだが、『COD2』では爽快感はあるものの達成感とか到達感が非常にわかりにくい。
クリア条件が分からずに大量の敵をひたすら倒し続けて、そしていつの間にか目標が達成されているというような場面が繰り替えし使われている。
目標もなく守り続けるのは、確かに戦争の雰囲気を出すためには必要なもかもしれない。
しかしゲームとしてみれば、意味もなく敵を倒していくだけではおもしろみが感じられない。
敵も味方も死んでしまってしたいが大量にある画像
敵も味方も死にまくり

後半はかなり既視感があり単調だ

この感じに拍車をかけるのが、緩急のないゲーム構成である。
どちらかというと前作はミッションごとやミッションとの間にストーリー性をもたせ、盛り上がる場面と地味な場面を織り交ぜることで盛り上がりを際だたせていた。
『COD2』ではストーリー性は薄れており、ただひたすら敵と交戦を繰り返している場面が多い。
しかも同じようなシチュエーションが何度も繰り返されるので、ゲーム後半になってくると飽きてくる。
第二次世界大戦ものだから強力で非現実的な兵器や敵を登場させるわけにもいかないし、ゲームの中身としては単調になるのはしょうがない。
しかしいくらなんでも同じような場面が連続するのには飽きてくるので、内容を圧縮しても良かったのではないかと思う。
あからさまに水増しした内容になっている理由は定かではないが、個人的な考えではXBOX360の発売日にあわせるためにこのようなことになったのだと思う。
北米ではCOD2はXBOX360と同時に発売されたソフトで、売り上げも同時発売ソフトでは最も大きかった。

『COD2』はノーマル以下だと大味なバランスで、ハード以上だと忍耐力が過剰に要求される。
個人的には難易度を低くして戦場の雰囲気を味わいつつ敵兵を狩っていくことが面白いと思う。
少なくとも難易度を高くするとゲームとして全く面白くない。
雰囲気を味わうことにかけては確かに優れてはいるが。
夜間の防衛ミッションの画像
COD2は防衛ミッションが多くて疲れる

まとめ

このゲームの戦場で鳴り響く怒号や爆発・銃声の音を初めて聞いたら、誰もがその魅力に引き込まれること間違いないだろう。
ところがゲームを始めてしばらくたったあたりはすごく面白くとも、だんだんと面白くなくなってくるゲーム。
中盤からは同じようなシチュエーションに飽きてきて、後半では完全にだれてくる。
戦場の雰囲気を求める人にはおすすめ出来る。
雰囲気を味わうゲーム。

70点

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