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『Medal of Honor: Warfighter (メダルオブオナー ウォーファイター)』


ジャンル:FPS
機種:PC
発売年:2012年
開発会社:Danger Close Games

公式サイト
レビュー最終更新日 2014年6月

紹介

『Medal of Honor: Warfighter (メダルオブオナー ウォーファイター)』は2012年に発売されたビデオゲームである。
ジャンルはFPS、開発はDanger Close Games、販売はEAが行っている。
Danger Close GamesはもともとEA傘下のディベロッパーであり、かつてEA Los Angelesとも呼ばれていた。
しかし本作『メダルオブオナー ウォーファイター』を発売した後、売り上げ不振により解散され、その後同じEA傘下のディベロッパーDICEの分社DICE Los Angelesへと変わっている。

メダルオブオナーシリーズはミリタリー要素を組み入れたFPSとして連綿と作品を出し続けてきた伝統あるシリーズである。
ところが他社のコールオブデューティーシリーズに人気を抜かされ、またEAは傘下のバトルフィールドシリーズが人気を得てきてマルチプレイのみならずシングルプレイも充実させてくることになる。
こうなってくれば、メダルオブオナーシリーズの立ち位置は不明瞭になっていく。
そこで、再起をうながすために2010年、 『メダルオブオナー』(2010年版)が発売された。
これは上記二作とは異なり、シングルプレイにおいて「戦場における味方の存在の頼もしさとかけがえの無さ」「味方が時としてミスを犯す可能性」といった、かなり趣をかえた手法を使い、独自の立ち位置を得ようとした意欲的ねビデオゲームであった(ただしマルチプレイは除く)。
『メダルオブオナー ウォーファイター』においても2010年版の根幹を守ったシングルプレイが用意されている。

しかし、売り上げは悲惨で開発チームは解散の憂き目にあってしまった。理由は二つ考えられる。
ひとつは、同時期に『コールオブデューティー ブラックオプス2』とバッティングし、ユーザーが流れてしまったことが挙げられる
二つ目の理由は、シングルプレイは前作よりも劣化しており、マルチプレイのルールが分かりにくく玄人好みだったのが原因だと思われる。

なお、紹介とレビューはシングルプレイのみに限定させてもらう。

『メダルオブオナー ウォーファイター』のシングルプレイはよくあるアクションゲームと同じようなものである。
すなわち、登場人物に焦点が当てられ、そのキャラクターをプレイヤーは動かす。
ミッションが始まれば指示が台本のように示されるので、指示に従うように敵を倒したりアイテムを使用する。
そうしてステージを進めていって、ある程度まで進めばステージクリアとなる。
ゲーム中には息抜きとも言える、車を扱ったドライブゲームのようなカーミッションや、敵を一網打尽にできる固定砲台役になることもある。
時にはカットシーンが入ることもあろう。
このように様々なミッションが入り交じることによってプレイヤーは飽きずに最後まで遊べるというわけだ。

もうひとつの特徴は、扱うキャラクターが時折入れ替わる点である。
旧来のメダルオブオナー、或いはコールオブデューティーシリーズでも見られる特徴である。
キャラクターが複数入り交じることによって、物語は重層性を増す。
また、登場人物によって得意な行為はことなるため、プレーに変化をもたらす。
『メダルオブオナー ウォーファイター』はとりたてて特別なことを行っていないといえばそうなるだろう。

ただひとつ他のゲームと変わっているのがプロットの構成である。
話が一直線に進まないように作られており、プレイヤーに疑問をもたせながらゲームをすすませるようになっている。
しかしプロットの組み立て方こそ『メダルオブオナー ウォーファイター』が墓穴を掘ってしまった点でもある。
それではレビューで詳しく見ていこう。

レビュー


AK


まとめ




61点

サービス終了についての雑感

2011年5月31日をもって『アナザーデイ』はサービスが終了した。
海外でのサービスも終了しているため、『アナザーデイ』自体のプロジェクトが開発終了になったのだと思われる。

早々に終了してしまったものの、ゲーム自体は決して手抜きではなかった。
オンラインFPSには明らかに低予算かつ、チープな見た目や操作感を持ち合わせているものがある。
例えば『オペレーション7』や『ブラックショット』だ。
スペックが高くないパソコンでも動作させられるように作られているせいか、一線級のソフトと比べるとかなり見劣りしてしまう。
しかし本稿で紹介とレビューを行った『アナザーデイ』はLithtech Jupiter Extendedを使ったグラフィックスや、テキパキとした操作感を持ち合わせていた。
ゲーム自体のポテンシャルは高かったと言える。

そのように高いポテンシャルを持ち合わせてはいたが、きわめて不安定なバランスの上に成り立っていた。
いくつかの理由を箇条書きしておく。
1.ブースト機能と不釣り合いなほどに低い体力(楽しく)
2.すべてのマップにおいてリスポーン地点からの見通しが良すぎる
3.だだっぴろいだけのマップと、狭いマップしかない
4.照準そのままに飛ばない銃弾や、固定リスポーンなどの、カウンターストライク系そのものの作り

以上のようなバランスを一気に突き崩すのが実力差であり、チーム差でもあった。
それを分かっていたのかいないのか、運営チームは実力差を引き上げる方向へゲームを改造し、更にはゲームを込み入ったものに変更してしまった。
移動速度を向上させ、スタミナを増幅させ、強力な有料武器(ガチャ武器)を導入したのである。

結果、移動速度の向上は「ブーストすれば即敵陣内へ」という状況を生み出し、「1.」、「2.」、「3.」の欠点を強めてしまった。
また照準通りに飛びまくる強力な武器の登場によって、「4.」はゲームバランスの不公平を生み出した。
もちろん人気が落ちていった理由には、アップデートが行われないなどの運営の失敗も指摘することはできる。


もとからあまり深く考えられていなかった作りが『アナザーデイ』のアキレス腱であった。
要するに遊べば遊ぶほど「いい加減な作り」が分かってしまうようなゲームだったわけだ。
FEARを元にカウンターストライク系の要素を取り入れ、スポーツ系のようなブースト&ダッシュを追加し、兵科もいれた。
とはいえすべてをミックスしたからと言って、素晴らしいゲームが生まれるわけではない。
COOP

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