紹介
『F.E.A.R.(フィアー)』2005年に発売されたゲームソフトである。開発はMonolith Productions。
2005年に発売されたFPSの中では特に高い評価をされていて、XBOX360とPS3にもマルチタイトル展開がされている。
優れた敵AIや恐怖演出を含めたグラフィック面が特に評価が高い。
『FEAR』とはFirst Encounter Assault Recon の略で、これはアメリカ軍が超常現象などを解決するために設置した秘密特殊部隊のことである。(もちろん架空)
主人公はFEAR部隊の一員として、アーマカムテクノロジー社で起こったクローン兵による大量殺戮事件の解決のために作戦に参加することになる。
『FEAR』という題名からわかるとおり、このゲームは恐怖を前面に押し出している。
開発したMonolithはどうも日本について好きな人がいるらしく、過去に日本のアニメなどの文化から影響を受けたゲームを発売している。
『FEAR』の場合、映画で一時期世間を席巻した「ジャパニーズホラー」というジャンルを大いに参考にしている。
例えば主人公はプレイしていくとアルマという8歳の女の子の格好をした幻影をたびたび見ることになる。
アルマは長髪黒髪でそれでいて具体的な言葉は話さないものの、予期せぬタイミングで主人公の目の前に現れてプレイヤーを驚かせてくる。
一つでもジャパニーズホラー映画を見ればわかるかと思うが、オキマリの典型的ともいえる登場人物である。
これがアルマ |
これは敵から自分の脳内に送り込まれてくるイメージで、ストーリーと密接に関係している。
とりあえず無我夢中で幻覚を取り払うと、元の空間にいつのまにか戻っていて周りには何も無かったというような感じの演出である。
あとは突然敵があらわせて驚かすといったごく普通の恐怖演出がある程度ある。
恐怖演出のほかに力が入れられているのが敵のAIである。
おそらくFEARで最も評価が高いのがこの点だと思われる。
他のゲームと比較すると、とても人間らしい動きをしてくることがわかる。
例えば遮蔽物に身を隠すとか、こちらの裏を取ってくるように集団で行動するとか、突然高い位置から窓を割って飛び降りてきたりする。
しかし『FEAR』のすごいところは、敵一つ一つが個別に判断をして最適な行動をしてくるという点にある。
だから同じ場面でもプレイヤーが取る行動によって敵は違った行動(攻撃パターン)を行ってくる。
いわゆる完全に決められた動きだけしてくるようなAIではなく、柔軟にその場その場を考えてくる敵のAIだと考えて欲しい。
状況によってはグレネードを投げてくる |
銃を撃てば硝煙はこれでもかというくらい出て、薬莢もド派手に飛び散る。
弾が着弾した場所は壁に穴が開いたような描写がされ、煙もでている。
敵に着弾したら結構血がでるし、なにより至近距離でショットガンやグレネードを当てると敵は木っ端微塵になる。
したがって銃撃の感覚というのは非常に良好である。
あと、いたずらに撃ちまくると煙で何がなんだかわからなくなるので、撃ちまくっているとこちらが死ぬ。(敵は煙越しでも結構攻撃を当ててくる)
血でわけがわからない |
主人公は超人的な反射神経を持っており、集中力が高まると時間が遅く感じられる。
スローモーを使える時間は画面下にバーになって表示されており、スローモーを使うと消費されるが時間がたつとまた回復するという仕組み。
発動中は派手なゴア表現を堪能できる。
また携帯できる武器が三つまでなので、場面場面に応じて適切な武器を取っていく必要がある。
武器は敵を倒した後に回収するか、もしくはマップにおいてあるものを拾う。
もうひとつ面白い要素が、格闘攻撃(パンチとキック)の存在である。
下手に武器を当てるよりも格闘攻撃は威力があるので、こちらに気がついていない敵を奇襲するときは便利だ。
『FEAR』ではリーン(体を左右に傾けること)しながらの戦闘が基本だ。
敵の目の前にで戦うのではなく、常に隠れる場所を意識しながら戦わなければならない。
構成は全体的に戦闘7割、恐怖演出2割、ストーリー展開1割といったところ。
したがってホラーゲームというよりも、戦闘を楽しみながらホラー要素も楽しんでいくゲームだと考えて欲しい。
ストーリーは少々わかりにくいが、これはレビューで触れることにする。
スローモー発動 |
製品版に収録されているのはバージョンが古いので、無料公開されているFEARcombatのユーザーとは遊べない。
遊ぶためにはアップデートをする必要がある。
それとこの製品付属のマルチプレイヤーはパッチも何も当たっていない状態のものなので、ゲームバランスが非常に悪い。
なぜか古いバージョンのサーバーを立てている人もいるが、日本からだとPing値も高いのでわざわざ遊ぶ必要は無いと思う。
『FEAR』は日本語版が発売されていたが、今では生産が終わっているようだ。
残念なことにプレミア価格で取引されている。
しかし海外版を日本語化する方法があるので、安い海外版を買っても良いだろう。
完全に日本語化されている |