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Counter Strike:Source
(カウンターストライク ソース)


ジャンル:FPS
機種:PC
発売年:2004年
開発会社:Valve



レビュー脱稿日2009年2月  最終更新日2011年3月

紹介

『Counter Strike:Source(カウンターストライク:ソース)』(以下『CS:S』)は『Counter Strike』(以下『CS』)というゲームをSourceエンジンで新たに作り直した物である(だから名前の最後にSourceとついている)。
ゲームバランスなどの細部は変わっているものの、ゲームの大まかな枠組みはまったく同じと言える。
『CS』が広まった経緯というのは割と興味深いので、まずは『CS』のことについて説明をする。

1998年にFPSの根本を変えたともいわれる『Half-Life』(以下『HL』とする)がValveから発売された。
『HL』はその革新的なゲーム内容から全世界で絶賛されただけでなく、ユーザーが独自に作るアドオンであるMODの製作が比較的容易で、さらにメーカーから推奨されていた。
『CS』は『HL』のMODのひとつとして1999年に登場した。
元々『HL』が爆発的に売れていたこともあって、『CS』が提示した新たなゲームバランスが絶賛されるとともに『CS』のユーザー数も爆発的に伸びていった。
しかも『CS』はビデオゲームの大会で使われるゲームタイトルになった。
2009年現在も世界で最も遊ばれているPCのオンライン対戦ゲームは『CS』である。
さすがに10年前のゲームなので、メーカー製のノートパソコンでも平気で動くこともユーザー数がいっこうに減らない理由の一つだろう。

現在『CS』はバージョンが1.6となっている。
これは元々のゲームバランスをユーザーからのフィードバックを元に大幅に変更、改良されていった結果である。
どこかのメーカーが作ったものではなくユーザーが結集して作られた結果が史上最高と言われる対戦ゲームだったのは、ある意味奇跡に近いものかもしれない。
最初は『HL』のMODとして無料配布されていたが、今はValveから有料で販売されている。
つまりValveが『CS』の権利を買い取ったという形になっている。
『CS:S』は『CS』の権利を買いとったValveが開発、販売をしている。(本当はもっとゴタゴタしているのだが、どうでもいいことなので省略する)
AKで敵を倒す画像
これがカウンターストライクソースだ

『CS』のゲームルールには、自分以外が敵となるデスマッチモードがない。
一般的なFPSではデスマッチと言えば基本中の基本なのだが、CSは元々がゲームのアドオンであるため特殊なルールしか採用されていない。
つまり『CS』は独自のルールに合うように調整されているため、デスマッチをやりたければ他のゲームをやっていた方が面白い。

『CS』には3つのルールがあり、『CS:S』ではそのうちの一つを削除した2つのルールが存在する。
ここは『CS:S』のレビューなので『CS:S』に搭載されている2つのルールについてのみ説明する。

まずプレイヤーはテロリストチーム(俗にテロやTと呼ばれる)とカウンターテロリスト(CTと呼ばれる)の二つのチームに分かれる。
「爆弾解除」と呼ばれるルールは、特定地点に爆弾を仕掛けて爆発させようとするテロリストと、それを阻止するカウンターテロリストが争うゲームモードである。
テロリストは制限時間以内に爆弾を設置し爆発させるか、カウンターテロリストを全員倒せば勝ちになる。
カウンターテロリストは設置されている爆弾を解除するか、テロリストに爆弾を設置される前に全員倒せば勝利となる。
もうひとつのルールは「人質救出」ルールである。
人質救出は、テロリストにとらわれた人質をカウンターテロリストが救出するかどうかが争われる。
相手チームを全員倒せば勝ちとなるが、カウンターテロリストは人質を全員救出すればその時点で勝利となる。
このゲームでは一度死んでしまうとそのラウンドはゲームに参加することが出来ないので、緊張感のある戦闘を味わえるだろう。
主に遊ばれているのは「爆弾解除」ルールである。

また『CS』では買い物の概念があり、ラウンドのスタート時に支給されるお金から自分で好きな武器を選んで買わなければならない。
どのようなものを買うかは遊ぶマップの形や自分の得意武器など、置かれている状況によって変わってくる。
当たり前だが威力のある武器ほど高い値段に設定されている。
前のラウンドで負けた場合は次のラウンドで支給される賞金が減るので、考えもなく武器を購入していると金が底をついてしまって強い武器を買えなくなる。

『CS』ではグレネードやフラッシュバンといった投げ物がかなり重要である。
特にゲームの要となるのは相手の視界を一定時間真っ白にして無抵抗状態を作り出すフラッシュバンだろう。
どこに、いつ、どのように、なぜ投げるのかを考えて投げられなければならない非常に面白い道具である。
『CS』のようにルールが比較的複雑なゲームは、それだけ戦術がモノを言うゲームだ。
さらに『CS』はチーム戦でもあるので味方との連携も非常に重要な要素である。
爆弾を設置している画像
爆弾を設置して爆発させればテロリストの勝利だ
『CS』の面白さや奥深さを構成するのは戦術面だけではない。
よく言われていることでもあるが、銃の扱いが非常に難しいのである。
強力な武器であればあるほど扱いがだんだん難しくなるように設定されている。
例えばテロリストが扱うAk-47というアサルトライフルは、価格が割安でしかも威力が非常に高いのが利点なのだが、ゲーム中の武器で扱いが最も難しい。
『CS』の世界ではほとんどの銃は撃つときに完全に立ち止まっていないと照準通りまっすぐ飛ばない(弾があべこべに散る)という法則がある。
Ak-47はその最たるもので、動きながら撃っても照準通りまっすぐ飛ばない。
しかも5、6発連射すればすさまじい反動で銃が暴れ出して弾が散るので、思いっきり連射しまくっていると弾倉に詰め込まれている30発を使い果たしても敵はケロッとしているなんてことは普通に起こりうる。

繰り返しになるが、『CS』では完全に止まっている状態ではどんな銃でも2、3発はほぼまっすぐ飛ぶようになっている。
したがって、慣れたプレイヤーならば敵と遭遇した瞬間に進行方向とは逆のキーを瞬時に入れて一瞬立ち止まり、敵を攻撃して倒すことが出来る。(ストッピング)
また『CS』ではヘッドショットの威力が非常に高く設定されており、ヘッドショットを狙うことが非常に重要である。
前述のAK-47であればどんな距離でも頭に当たれば一撃で相手を倒すことが出来る。
上手いプレイヤーなら正確に飛びやすい1発目や2発目で相手を倒すことも可能なのである。
しかし当たり前だが頭の部分は胴体などど比べて小さく作られているので、当てるのは非常に難しい。
扱いにくい銃で当てにくい場所を狙うのは一見苦痛に見えるが、克服する方法が絶対にあるので、それだけに当てたときはかなりの快感を伴う。
言い換えれば敵を倒せないときは自分の力量が足りないことや練習、経験の不足を如実に感じさせてくれるだろう。

以上述べたきたように『CS』は非常に難しいゲームであるが、代わりに奥深い面白さを秘めている。
世界的なゲームの大会で常に『CS』が競技種目になっていることも、その奥深さをを象徴している事実である。
しかし逆に考えてみれば覚えるべきことや習得するべきことが多すぎて、気軽にやりたい人やゲーム初心者には全く向いていないのもひとつの事実である。
『CS』のクローンゲームである韓国産のFPSが韓国でも日本でも人気なのは、それらが無料と言うことを差し引いても、『CS』が抱える難しさを簡略化しているという理由があるのだろう。
ショットガンを使っている画像
ショットガンのようにストッピングがいらない武器もあるが使いどころが難しい
それでは『CS:S』の話題をしていこう。
『CS:S』は『CS』の後継として2004年に発売された。
当時は最新ゲームエンジンでレンダリングされた新生『CS』として話題になったが、多くのユーザーは元から遊んでいた『CS』へ戻っていった。

世の中に出たばかりの『CS:S』は、煮詰められていないゲームバランスや新しいゲームエンジン特有のバグや描画の重さという問題点を抱えていた。
また出たばかりだったのでカスタムマップなどのMODが充実していなかったというのもある。
しかし今はどの要素も解消されているから何も気にすることはないだろう。
2009年現在『CS:S』の方が『CS』よりも多く売れていて、新規ユーザーは多い。
入手方法は二つあり、STEAMでダウンロード購入するか(クレジットカード必須)、パッケージ販売されている物を購入する。
パッケージ版よりもSTEAMの方がかなり割安(パッケージ版は4000円以上するが、STEAM版は20ドル)なので、安く手に入れたいのならばSTEAM版を購入すればいいだろう。
また『CS:S』はBOTが標準搭載されていて、オフラインで練習することもできる。
通称「BOT撃ち」とか呼ばれている行為のことである。

ルールを含めたゲームの根幹となる内容は『CS』から変更されていないものの、マップの構造、銃の威力や飛び方が違うため、『CS』に慣れた人にとってはかなり違和感を感じると言われている。
例えば『CS:S』は全体的に銃の命中精度がよくなっている上に、『CS』ほど厳密にストッピング動作をしなくても近距離の敵ならば倒すことができる。
武器のバランスも再調整されており、弱くて使い物にならない武器(ネタ武器と言われるもの)がほとんど無いのも特徴である。
操作の難易度は下がっていると言える。
ただしこれは『CS』と比べての話であるので、他のFPSと比べるとかなり難しい部類に入るだろう。

『CS』と比べて最も大きな違いがあるのは、壁抜きがやりにくくなったことと投げ物の強化だ。
壁抜きというのは銃弾が壁を貫通して飛んでいく現象またはテクニックの総称である。
したがって上手いプレイヤーであればあるほど『CS』では相手の位置を予測して壁を抜くことが出来た。
『CS:S』でも壁抜きは出来るが抜ける場所がかなり制限されている。
もっとも大きな変更点は投げ物が強くなった点だろう。
『CS:S』のグレネードは相手に当たった場合、当たった相手の聴力を奪い(キーンという耳鳴りがする)動きを鈍くさせる効果を持つ。
さらに心なしか威力もアップされているようだ。
相手の聴力を奪えば足音が聞こえなくなるので、攻め入るときやも守るときに自分の居場所をわかりにくくする効果がある。
フラッシュバンも全体的に威力が底上げされており、特に強力なのはフラッシュバンを食らうと食らう前に見ていた画面が一定時間焼きつくことだ。
背を向けていても焼き付き効果はかなり持続するので、使いどころがさらに重要になっている。
フラッシュバンを食らったときの画面やきつきを紹介する画像
フラッシュバンを食らったときに画面が焼き付く

レビュー

高い競技性を楽しめるかどうかがカギ

上手くなる過程が手にとるように分かる

世に出てからずいぶん時間がたっているのにも関わらず次々と新規ユーザーが参入したり、古参プレイヤーが根強く残っているのが『CS』や『CS:S』である。
グラフィックは数年前のものなので最新ゲームと比べると明らかに見劣りするが、それでも根強い人気が残っているのはゲーム性が高く評価されているからと考えられるだろう。
しかも『CS』では気軽に出来る面白さよりも競技性の高さからくる面白さが支持されている。
確かにひとくくりにすればゲームではあるが、娯楽と考えるよりも競技や試合のようなものに近いだろう。

『CS』』をやり始めた当初はオンラインで対戦すると相手プレイヤーに手も足も出ない状況が続く。
しかしやり続けてゲーム内の法則を学び取ることで着実に上手くなることができる。
他のゲームと比べて『CS』は相手との駆け引きとFPSならではの銃撃戦のバランスが高いバランスで調和しているため、反射神経がいくら良くても頭がバカでは相手を倒せないし、攻撃が下手でも動き次第で何とかなるように作られている。
これは非常に重要な要素だ。
おそらくどんな人でもまじめにやれば着実に実力が伸びていく。(ある程度行くと限度みたいなものが見えてくるが)
もちろんどのようなゲームでもそうなのだが、『CS』は自分の実力が着実に上がっていく様子が手に取るようにわかる。
これはゲーム中は一旦死んでしまうと復活できない仕様で簡単にはかれる。
死んでしまったラウンドでは復活できないので、他のプレイヤーのプレイを眺めるしかなくなるので非常に退屈だ。
しかし上手くなればなるほど死ななくなるので退屈な時間を過ごさなくて済むようになる。
物陰に潜んでいた敵を倒したところ
屍累々
銃撃戦が非常に難しいことも自分の実力を如実に感じさせてくれるだろう。
『CS』は銃の扱いにクセがあるため弾を当てることが難しいのだが、見方を変えてみると銃はある程度のパターンに沿って暴れている。
つまり敵に銃弾が当たらないとか敵を倒せないときの理由は、自分が照準を相手に向けていないことと、銃を制御しきれていないの二つが考えられる。
敵に照準を合わせ続けられるかどうかは反射神経などの身体的な問題が大きいが、銃を制御できるかどうかは技術的な面が大きい。
要は慣れているかどうかが銃の扱いに大きな影響を及ぼす。

ゲームを始めた当初は銃に振り回されていたとしても、やっていくうちにクセがわかってきて面白いように当たるようになる。
銃の扱いになれてきたら、次は敵の頭を狙い続けることを必須命題にしなければならない。
頭に当てれば大ダメージなので上手くなればなるほど少ない銃弾数で敵を倒せられるようになり、より生存することが容易になっていく。
相手から受けるダメージが減ると共に銃のリロード回数を減らすことが出来、隙が生まれにくくなるのだ。(リロードしているときは無防備)
当てるのが難しい銃で敵を倒したときの征服感は、復活がないことも相まって他のゲームにはないほど素晴らしく高い。

何度でも復活できるゲームでは自分のミスはあまり深刻に感じないものだが、『CS』ではミスが命取りとなってしまう。
思うに『CS』の面白さの根源はここにある。
一挙手一投足に重みがあると言えばいいだろうか。
またどのゲームでも重みはあるのだけれども『CS』は行動の重みをプレイヤーへ上手く伝えているとも言い換えられるだろう。
遠距離戦闘の画像
遠くにいる敵は単発撃ちを心がけるなど、覚えるべきことは多い

兵科を使わないのに、これだけ味方との連携が必要になるFPSも珍しい

戦術面を磨くことでさらにCSの世界は面白さを増していく。
『CS』ではどんなに上手いプレイヤーでも一対多数の状況になってしまうとやられてしまうため、団体行動が基本である。
したがって、必然的に味方と連携することが勝つために非常に重要な要素なのだ。
例えば誰か一人が敵陣に突っ込むとき後ろから味方をカバーするためについて行ったり、特定の一か所を攻めるときに挟み撃ちになるようにタイミングを合わせて攻撃するとかである。
これは個人的な意見だが、他のゲームと比べて『CS』では味方同士の連携が最も密である。
FPSになれたプレイヤーが多くてレベルが高いのが一つの理由だとは思う。

だがそれよりもテロリスト側で「爆破マップ」をプレイするときは、連携しなければ絶対に勝てないことが理由として大きい。
まずマップが対称の作りになっていなく、極端な話カウンターテロリストが有利になるように設計されているのでテロリストは苦しい。
基本的にカウンターテロリストは指定箇所を守るだけでいいが、テロリストは攻め入らなくてはならない。
攻めるよりも守る方が有利であることは少し考えればわかると思う。
確かに攻め側は攻めるタイミングや場所を任意に選べる利点があるのだが、それはうまく連携していればこそ可能になる。
ついでいうとカウンターテロリスト側の武器の方が強力である。
特に『CS:S』ではテロリストが持つ初期武器のピストルは絶望的に弱いので、集団行動しなければ間違いなく負ける。
例えばこの場所では前にいるプレイヤーのように投げ物を投げることが多い

フラッシュグレネードの魅力

カウンターテロリストの方が確かに有利ではあるが、フラッシュをはじめとする投げ物を効果的に使うことによってテロリストはカウンターテロリストと互角に戦える。
おそらく戦術的に最も難しいのは、フラッシュバンの使い道である。
ブラッシュバンは上手く扱えば相手の視界を真っ白にして敵を無力化できる強力な投げ物である。
ただし一度にもてる数は二個までなので使いどころを考えなければならない。
一番最初に思いつく使い方は、敵がいそうな場所に投げ込んで視界を奪って突撃するという使い方だろう。
しかしゲームに慣れてくるとフラッシュバンが投げ込まれるのを見た瞬間に後ろへ下がったりしてある程度回避出来るようになる。
したがってフラッシュバンは相手が待ち構えている場所から移動させる目的や突っ込んでくる敵への牽制で使ったり、一度に連続で二個投げることで相手の視界を奪いにかかる必要がある。
他の使い道は時間稼ぎである。
カウンターテロリストは制限時間いっぱいまで生き残れば勝ち、テロリストは制限時間内に爆弾を爆発させれば勝ちとなるので、直撃させれば5秒間相手の動きを封じるフラッシュバンはゲーム後半になればなるほど強力である。
一方で出し惜しみして使わないでいると、使わないまま死んでしまったりするので使いどころは非常に難しい。
今投げているのは本当はスモークなんだけどね
フラッシュはよく考えて投げよう

初心者にとってはかなり酷なゲーム

ここまで読んできてもらうと『CS』で要求される技術というものがいかに高くて奥深いことがわかると思う。
しかしひるがえってみれば面白いと感じるまでに必要な技量はかなり高いと言える。
他のFPSゲームで慣れたプレイヤーでさえもCSをやり始めたところで慣れないうちはボコボコにされる。
FPS自体の初心者が仮にCSをやり始めたとすると、おそらく半年から一年は常に最下位に居続けることになるのではなかろうか。
比較的レベルが高いゲームなので、他のFPSで飽き足らない人からしてみれば非常にやりごたえはあるかもしれなが、そうでない人には苦しみの方が多い。

これは私の経験だが、ずいぶん前に『ハーフライフ2』を買ったときにオマケとしてついてきた『CS:S』を何時間かやっても面白さはさっぱりわからなかった。
当時の自分はFPSにあまり慣れていなかったこともあって『CS:S』のもつ面白さをまったく理解することが出来なかったからだと思われる。
それからずいぶん時間がたってレベルの高いゲームがやりたくて『CS:S』を再度やり直したところ、慣れないうちはさっぱり面白くなかったが、やり続けてゲーム内の法則というかコツがわかりかけてくるとこれほど面白いゲームはないと感じるようになった。
慣れないときにやり続けられたのは、自分が負けず嫌いだったというのも大きいだろう。
勝てなくて悔しくなると勝てるまで食い下がってしまうようなタイプだったから、負けることがさらにモチベーションへと変わっていったのだと思う。
ただ他のFPSをみていればわかるが、試合に負けていると逃げ出したくなるのが普通である。
(マルチプレイゲームによっては試合中に勝ちチームへ移動したり、試合で負け出すとサーバーから平気で逃げ出すプレイヤーは結構多い)
気軽にやりたい人からしてみれば『CS』や『CS:S』は求めているゲーム像であるとは言えないだろう。
64人対戦の中国サーバーでの画像なので武器が大量に落ちている
落ちている武器や投げ物は拾うことが出来る

やや面倒な要素もあるが、我慢して慣れてしまえば色々な遊び方ができる

もうひとつ初心者にとって酷なのは自分でコンフィグ設定や技術を調べなければ、他のプレイヤーと同じ土俵にすら立てないほど、ゲームが不親切であることだ。
パッケージ版の『CS:S』や『CS』を買ってみればわかるが、マニュアルには最低限の操作方法しか書かれていない。
もちろんルールやコンフィグの説明などはまったく書かれていない。
公式ウェブサイトへ行っても大した情報は得られないので、『CS』について詳しく書かれたウェブサイト(日本ならばWikiやCSスクールが有名)を自分で調べて学ばなければならない。
さらに初心者を悩ませるのが、デフォルトでは使い物にならないコンフィグ設定である。
Wikiなどをみれば設定方法が書いてあるので自分で調べる必要があるのだが、設定の書き換え方はゲームがインストールされたフォルダの中に「cfg」というファイルを作成して自分で設定を書き込んでいかなければならない。
きついことを書くとメーカーはデフォルト設定で問題なく遊べるような状態にするべきである。
このValveという会社の放置プレイ度はかなり徹底しており、発売されるゲームはすべて紙切れ一枚とインストール用のDVDしか入っていない。
説明書を作るのはバカにならないほどお金がかかるし、あまり突っ込んだことまで書くとサポートが面倒だから一応理解は出来るのだが、さすがに徹底しすぎだ。

『CS:S』には標準でBOTが搭載されている。
オフラインモードで自分とBOTが対戦するのが主な使い方になるだろう。
出た当時は非常に頭の良かったと言われていたが、今見てみるとかなりパターン化した行動しか取らないので対人戦の練習にはならない。
ただし、BOTを撃つ練習はかなりためになる。(具体的にはコンフィグをいじってナイフだけ装備した10人近くのBOTと対戦する)
特にゲームになれていないうちは銃の扱い方がわからないので、攻撃をしてこないBOTを相手にヘッドショットをする練習は上達への早道になるだろう。
別に初心者でなくともエイム調整に使えるので決して無駄なモードではない。

また『CS』と言えばMODの広がりを忘れてはならない。
『CS』は元々がMODの一つとして始まったゲームなので『CS:S』になってもMODとの親和性が高く宣伝され、数々のMODが生まれている。
例えばカスタムマップならば他のゲームのマップを再現したもの、元々あるマップを改良したものなど様々なものがある。
他に代表的なのは練習のためだけに存在するチームデスマッチモード、ゾンビと人間に分かれるゾンビモード、他のゲームでおなじみのルールであるCTFなどを再現したものである。
サーバーによっては何十体ものBOTと対戦したり、特定のルールを決めずにバカな遊びをするものもある。
人によっては普通のサーバーで遊ばないで、独自のルールを定めたサーバーに入り浸っているほど面白い。

2009年6月追記
CSSはゲームエンジンに問題点がある。
物理計算の同期を取るために、キャラクターの動きが若干遅れるのである。
ただ、CSSではなるべく影響が出ないようにサーバー側が設定されていたり、自分で設定を変えることができる。
Wikiなどを見て適切な設定にしていればあまり気にならないだろう。
もはやFPSというよりもアクションゲームっぽいマップの画像
例えばこのカスタムマップはトラップをくぐりぬければクリアとなる

まとめ

FPSのもつわかりやすさと難しさが見事に調和したゲームである。
個人的な技量、集団的な戦術のどちらもが要求されるシビアなゲームバランスは、他のゲームはない達成感がある。
また自分の実力が着実に上がっていくのが手に取るようにわかるので、根を詰めてゲームをやれる人には特におすすめ出来る。
しかしゲームのレベルは非常に高く、初心者には不親切なところも多いので気軽にゲームをやりたい人はやらないほうがいい。
後発のマルチプレイFPSに与えた影響は計り知れない。

85点

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