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PS2ではじめるシューティング五選 --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介

PS2ではじめるシューティング五選
2009年3月
シューティングゲームはかつて花形ジャンルだったものの、いまは隅に追いやられてしまいました。
それでも根強く愛するファンやメーカーが少なからずいるので新作ゲームは作り続けられています。

ここでは根強いファンだけじゃなくて、あまり触れたことのない人向けにPS2のシューティングゲームを紹介します。
シューティングゲームは一回のプレイ時間が短く、暇さえあれば出来るので他のゲームをやっているときの息抜きとして使えます。
この機会に何か一つでも手にとってシューティングゲームの持つシンプルな面白さを感じてもらいたいですね。

紹介するタイトルは「グラディウスV」、「怒首領蜂大往生」、「式神の城II」、「雷電III」、「サイヴァリア」です。

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グラディウスV(ぐらでぃうす 5)

グラディウスVはコナミ販売トレジャー製作の横スクロールシューティングです。
シューティングゲームの大御所シリーズであるグラディウスシリーズの最新作でもあります。
PS2の性能を存分に生かしたポリゴンモデルによる美しいグラフィックは、シリーズファンなら感涙もの、そうでなくても見とれてしまうぐらいのもの。
アーケードゲームの移植ではなくて家庭用そのものなので、ボリュームがかなりあるのも特徴です。
また、グラディウスVでは長く続くシリーズものにあるがちなマンネリを一気に解消し、新たな展開を見せてくれています。
個性豊かなボス軍団、見たこともない仕掛け、お約束だったゲーム展開を一から作り直し・・など、シリーズをやったことがある人ほど生まれ変わったグラディウスを楽しめるはずです。
もちろん未経験者でも、ありとあらゆることが詰まったグラディウスVは「進めるだけで面白い」ゲームであることは間違いないでしょう。
やりこんで上手くなることだけがシューティングゲームの楽しみ方ではありません。


※ゲームシステムについて
横スクロールのシューティングゲームです。
敵を倒すとパワーアップをするためのアイテムが出現し、回収することで自機がパワーアップします。
グラディウスのパワーアップの特徴は、自機についてくる「オプション」という自分の分身のようなものです。
オプションを上手く使うことが上達への近道です。

難易度は、比較的「知らなければ死ぬ」が「知っていれば死なない」仕掛けが多いのが特徴です。
それゆえ非常に難しいゲームと勘違いされがちですが、きちんと対策すれば一周くらいは常人でもなんとかなるレベルにあると思います。
「一見して無理」という敵の攻撃もなければ、理不尽すぎて頭にくるようなのもありません。
二人同時プレイにも対応しています。
私としては、どのような方へもお勧めできる非常に良質なゲームだと思います。
あと、出荷数が多く、廉価版も発売されているので入手は容易です。


まとめ
【良いところ】
・PS2のシューティングゲームでは最高のグラフィック
・シューティングゲームにしてはボリュームがかなりある
・様々に工夫を凝らしたボスの多さ
・理不尽な場面が少なく、非常にフレンドリー
・その場復活、コナミコマンド搭載なので死んでからのフォローも抜かりがない

【悪いところ】
・盛り上がりに欠ける全体的に単調なゲーム展開
・やり込めばやり込むほどテンポの悪さが気になる
・面白味のないBGM
・どうしても強い武器と弱い武器がある
・今までのグラディウスを期待すると拍子抜けをする

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怒首領蜂大往生(どどんぱち だいおうじょう)

2002年業務用(アーケード、ゲームセンター)向けに発売されたゲームの家庭移植版。
元のゲームはケイブが開発をしていて、PS2への移植はアリカが行っています。
怒首領蜂大往生の特徴は、弾幕シューティングゲームを作り出したメーカーの手による変化球無しの直球シューティングであること。
画面を覆い尽くさんばかりの敵弾と、当たり判定が極小の自機を使ったアドレナリン大放出のゲームです。
一見すると敵の弾の多さに目が眩んでしまい、物量作戦に見えてしまいますが、慣れてくると法則性が見えてきます。

ゲーム自体は短いものの難易度は高いので、何度もやりなおして自分が上達していく過程を楽しむのが重要ですね。
PS2版の移植はほぼ完璧です。
ステージセレクトや難易度設定などの練習要素が豊富なので、心ゆくまでお望みの場面を練習することが出来ます。
また、ゲーム本体とゲームパッケージにお手本プレイが収録されています。
シューティングゲーム史上最高難易度クラスと言われるこのゲームをクリアしたスーパープレイを見れます。

同じようなゲームに「エスプガルーダ」と「虫姫さま」があります。
怒首領蜂大往生と比べると、エスプガルーダは難易度低め、虫姫さまは攻略ムービーや練習システム無しだと思ってください。

怒首領蜂大往生は再販されているので、新品で手に入るはずです。
XBOX360にも移植されていますが、あちらは難易度を調整して下げたバージョンを収録しています。
ただ、不具合がちょっと多いのと攻略ムービーがついていません。


※ゲームシステムについて
プリレンダリングによるドット絵の縦スクロールシューティングゲームです。
当たり判定が極小の自機で敵の弾幕をスイスイ抜けていきます。
弾を避けることを最大限に追求しているため、ストレスになるような要素はまったくありません。
怒首領蜂大往生の難しさは敵の弾の多さもさることながら、速いことも理由にあります。
ただでさえ弾が多いのに速いのだから難易度は結構高い。
押しつぶされて死ぬというより、速くて対応が間に合わなくて死ぬ場合が多いです。

実は、弾幕がすごいゲームでは「弾を避ける状態」になってしまってはダメと言われています。
慣れていない人から見ればいつでも弾避けしているように見えるのですが、やっている側はそうでもないのです。
弾を避けるような状態は、言い換えれば必死になって後がない状態です。
そのような危機的な状態にならないように、いかにして敵弾を誘導したり自分の動きやすいところで避けるかが重要となるのです。
怒首領蜂大往生は意外にもパターンを緻密に構築する必要があるのです。

あと、動画でよく映されている見る二周目の鬼畜映像は普通の人とは無縁です。念のため。


まとめ
【良いところ】
・余計なシステムがない弾幕シューティングゲーム
・弾幕シューティングゲーム最高傑作とも言われる「やっていて面白い」弾幕
・当たり判定が小さいので一周目は常人でもなんとかなる
・完璧な移植度とお手本リプレイ
・練習するための細かなシステムが完備している
・良質な敵を破壊する感覚

【悪いところ】
・小さなテレビだと敵の弾を避けられない
・実はパターン性が強く、慣れるまでが辛い
・気軽にやれるようになるためにはかなりの時間の練習が必要
・今時ポリゴンを使わない2Dのグラフィック
・弾を撃つ感覚に乏しく、避けるのが中心のゲームシステム

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式神の城II(しきがみのしろ 2)

(画像はGC版です)

式神の城IIはアルファシステムが開発と販売をしている縦スクロールシューティングです。
元々はアーケードゲームからの移植版ですが、XBOX、GC、DC、PCへも移植されています。
どれも移植の程度に大差はないので自分がやりたい機種のを買うのも良いかもしれません。

式神の城IIの特徴は、自分が使える自機(キャラクター)が豊富であることや、有名な声優を起用していることです。
敵ボス前にはキャラクター同士の会話というか掛け合いがあったりと、硬派なものが多いシューティングゲームというジャンルのなかではかなり異質です。
難易度は比較的低めに設定されていることもあって、ゲームセンターでは結構ヒットしました。
様々な家庭用の機種へ移植されていることからもなんとなく想像がつくと思います。

見た目がライトなので非常に取っつきやすく、初めてやる人に特におすすめ出来ます。
ところでここで紹介しているゲームはどれも二人同時プレイが出来るのですが、式神の城IIの二人同士プレイが一番面白いです。
キャラクター同士の掛け合いが豊かになり、さらに二人で協力すれば他のゲームよりも楽に進めることができます。
初代の「式神の城」もPS2で発売されていますが、IIよりも洗練されていない要素が多いのであまりおすすめ出来ません。


※ゲームシステムについて
いたって特別なシステムもない縦スクロールの弾幕シューティングゲームです。
上で紹介した怒首領蜂大往生と違い、敵の弾が異様に遅くばらまかれるのが特徴です。
したがって、敵の弾を見てチョコチョコ避けていく場面が多いです。
当たり判定が極小なので、「俺UMEEEEEE」を手軽に味わえます。

敵の弾が遅い理由はシステムと関係しているからです。
式神の城IIでは敵の弾に「かする」ことで自機の攻撃力がアップし、敵を破壊したときの点数が高くなります。
つまり敵の弾に近寄るという危ない行動がクリアしたり高得点を取るためには不可欠になっているのです。

キャラクターが豊富なので、正直言って簡単なキャラクターは簡単、難しいキャラクターは難しいです。
これは初級者向けと上級者向けに用意されたと見るのが妥当ですね。


まとめ
【良いところ】
・数少ないキャラクター重視のシューティングゲーム
・弾が遅いので、「見てから避ける」ことができる
・ステージ間に挿入されるキャラクター同士の掛け合いが面白い
・ちなみにプロ声優によるフルボイス
・全体的に初心者に優しい作り
・死んでもリカバリーがしやすい

【悪いところ】
・人によってはキャラクターが気にくわない
・この会社の他のゲームをやらないと深く理解できないストーリー
・やる気のない弾幕と形容されることもあるばらまき弾幕
・キャラクターごとのバランスが悪い(好きなキャラが弱いキャラだった場合、苦労する)
・全体的にネットリした感覚なので爽快感がない
・弾に撃ち殺されると言うより、避け損なって当たる印象がするミス

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雷電III(らいでん 3)

雷電IIIはMOSSが製作をしてタイトーが販売をした縦スクロールシューティングゲームです。
雷電シリーズは硬派なシューティングゲームシリーズとして、初代が発売された1990年からゲームセンターでロングヒットとなりました。
それまでドット絵だったものを時代の変化に合わせて3D表現にしています。

自機も敵も硬派なメカや戦闘機が中心で、萌え要素やらお笑い要素はまったくありません。
目の前に出てくる敵の弾を避け、撃つ、シューティングゲームがもつ本来の面白さを再確認させてくれるはずです。
ボリュームも結構あり、お手本リプレイやステージセレクトなどもあるので長く遊ぶことが出来るでしょう。

ただ、PS2版の中古は入手しづらくなっています。
定価とほぼ変わらない価格で取引されているのを買うか、PC版を購入する必要ががあります。
オーソドックスなシューティングゲームをやりたいのなら雷電IIIをおすすめします。


※ゲームシステムについて
敵が自機に向かって撃ってくる高速弾を紙一重で避ける縦スクロールシューティングゲームです。
自機の移動速度が遅く敵の弾が速いため、反応してから動いていたのではなかなか厳しい。
しかし敵が撃ってくる弾は自分に向かって撃ってくるか、固定で撃ってくる場合が殆どなので、パターンさえ読んでしまえばかわすことが出来ます。

敵の弾概要に見にくいことも相まって最初のうちはなぜ死んだのかが分かりにくいのですが、慣れていけばそうでもないことが分かります。
特に雷電IIIでは弾の撃たれた方が非常にパターン化しやすいので、パターン化が必須になってしまいますが、やればやるほど先に進むことが出来ます。
初見の印象よりもやり込んでいけば楽にクリアすることが可能でしょう。


まとめ
【良いところ】
・PS2で最もシンプルなシューティングゲーム
・敵を倒し、弾をくぐり抜けることに特化しているのでスコアを求める必要は無い
・お手本リプレイがついている
・画面の下側で左右に動く割合が多く、前へ出て「攻める」感覚に薄い

【悪いところ】
・敵の弾が非常に速いうえにとても見づらい
・一回死ぬとリカバリーがキツイ
・自機が遅いので人によってはイライラする
・現在は入手困難

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サイヴァリア コンプリートエディション

2000年にサクセスが開発販売をしたアーケード向けに発売されたゲームの移植版。
翌年、再調整されたバージョンも出荷された。
コンプリートエディションはそのどちらも収録されています。
また、限定サントラが収録されたものやスーパープレイを収録したDVDをつけたものも存在しています。
ただし、どちらもプレミア価格がついており入手は困難。
コンプリートエディションについている二つのゲームを別売にしたものも廉価版として販売されている。
どれを入手すればいいのか・・だけれども、コンプリートエディションが一番手っ取り早いと思う。

サイヴァリアは、今まで紹介したゲームとは毛色が全く違うゲームです。
それは、敵の弾を避けて敵を倒すことがゲームの目的になっていないということ。
シューティングゲームの概念を違うものから見たのがサイヴァリアなのです。
なのでサイヴァリア自体に過大な期待や、サイヴァリアだけを買うのはおすすめ出来ません。
他のゲームをやったからこそ、サイヴァリアの面白さが分かるのです。

続編にサイヴァリア2があります。
どちらを入手してもかまいませんが、サイヴァリア2はロードが長くてイライラするかもしれません。


※ゲームシステムについて
BUZZ(バズ)システムがサイヴァリアをサイヴァリアたらしめています。
このBUZZシステムというのは、敵の弾に自機をかすらせることでゲージがたまり、ゲージが一定量たまれば一定時間無敵になるというもの。
この無敵になった時間を利用し、敵の弾に突っ込むことでさらにゲージがたまって無敵状態を継続できます。
どこでもこれが扱えるのではなく、敵や弾の出方によって左右されるため、思う存分BUZZるためにはパターン化が不可欠です。

サイヴァリアでは敵が軟らかいため、攻撃を当てていくとすぐに破壊することが出来ます。
要はBUZZって点数を稼がなければ面白くないのです。
ところでサイヴァリアの弾幕は非常に美しいことでも有名です。
放射状に巻かれた弾の軌跡なんかは本当に美しい。
ただまあそんな弾を避けるのが面白いとは限らないのがシューティングゲームの面白さなのですが。


まとめ
【良いところ】
・弾幕を「利用する」数少ないゲーム
・サイヴァリアならではのシステムは中毒者を生む
・見ているだけで美しい弾幕
・音楽は初代、2ともに評価が高い

【悪いところ】
・グラフィックが今となっては非常にチープ
・普通にやっていては全く面白くないシステム
・練習環境の不備
・厳密なパターン化が必須

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以上見てきましたが、最後にまとめをして終わりとさせてもらいます。
タイトル スクロ−ル ドットor3D 難易度 システム キャラクター
ストーリー
グラディウスV 3D(美麗) 普通 やや複雑 ストーリー有
怒首領蜂
大往生
ドット 難しい シンプル&弾幕 なし
式神の城II 3D やや簡単 シンプル&弾幕 かなり濃い
雷電III 3D やや難しい シンプル
高速弾
自機が遅い
なし
サイヴァリア 3D(劣悪) やや難しい 美麗弾幕
複雑システム
なし

以上参考になりましたでしょうか?
コレをきっかけに一人でも多くの方がシューティングゲームに触れて欲しいものです。