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量産型オンラインFPSの限界 --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介

量産型オンラインFPSの限界
2009年2月
私が勝手にオンラインFPSと呼んでいるゲームがあります。
それはオンラインゲームと呼ばれるジャンルの中のFPSゲームのことを指しています。
この手のジャンルでの初めてのゲームは、2002年から2006年7月まで韓国で運営されていた「KARMA」(カルマ)です。
その後、日本でサービスが行われたオンラインFPSゲームでは一番最初の「スペシャルフォース」や日本でも韓国でも圧倒的な人気がある「サドンアタック」が生まれて現在に至っています。

数多くのゲームが開発されて運営がなされた結果、最も人気があるのは「とあるゲームタイプのゲーム」であることが明らかになったようです。
先に述べたスペシャルフォースやサドンアタックはコレに当てはまります。
実はどちらもカウンターストライクというゲームを参考にして独自に作りかえたものなのです。(言葉を悪くすればパクリ)
カウンターストライクは、対戦用FPSの代表的なものとして広く認知されています。
世の中に出てから10年近くたった今でも世界最高のプレイヤー数をほこるほどの奥深さや面白さをもつゲームです。

しかしオンラインゲーム化するにあたって、カウンターストライクそのものを作り替えたようなものにはしませんでした。
さすがにそのままパクったら訴訟沙汰になるのでわからない程度に作り替えたというべきなのかもしれませんが、ひとつ面白い方向に作り替えられています。
それはカウンターストライクのもつシビアさや難しさを減らしていると言うこと。
だからこそ、特に日本でFPSの新規層を大いに獲得することができたのだと思います。

サドンアタック

ところがカウンターストライク独自のルールだった「爆弾解除」がそのまま取り入れられ、武器の強さのバランスがある程度変えられずに持ち込まれました。
強さのバランス・・と言ってもよくわかりにくいかもしれませんが、「ショットガンは近接専門、スナイパーライフルは一撃死をもたらす強いものがある」などのことです。
武器同士のバランスと言っても良いかもしれません。
カウンターストライクには様々な武器が登場するのですが、プレイヤーは短いラウンドごとに所持金をやりくりして買い物をするため、最初のラウンドのみ買われる武器というものが存在しました。
具体的には接近戦にしか使えない一撃必殺のショットガンや有効射程が中距離までのサブマシンガンといった武器たちです。
これらの武器は極めれば強いのかもしれませんが、お金が足りている限りはどんな距離でも使えるアサルトライフルかスナイパーライフルを買うのがお約束です。
まあつまりアサルトライフルやスナイパーライフルが最強ということですね。

スペシャルフォース以降に出てきた多くのオンラインゲームは、このいびつな武器バランスを引き継いでいます。
つまりアサルトライフルやスナイパーライフルが強くてショットガンやサブマシンガンが弱い。
武器同士のバランスが悪いままのゲームが非常に多いのです。
だから強い武器はある程度決まってしまい、サービス開始してから時間がたつと強い武器を使う人だらけになります。
またオンラインFPSではカスタマイズ性が重要な集客要素となるので同じ種類の武器でも(アサルトライフルとか)たくさんの種類が用意されています。
もちろん武器によって強いのから弱いものまで様々です。
しかし武器を多くすればするほどバランスは取りづらくなっていきます。
したがってオンラインFPSは、バランスを破滅させる要素を充実させなければ人は寄りつかないという根本的な問題を抱えています。

大抵のオンラインFPSにおいて武器の選択はゲーム前から持ち込んだものを1ゲーム中ずっと使い続けるというものになっています。
このシステムが武器のバランスを余計に際だたせています。


カウンターストライクの存在やスペシャルフォースやサドンアタックの成功で同じようなオンラインFPSゲームが氾濫しています。
システムやバランスに一ひねり加えたゲームはいくつかありますが根本的な解決はしていません。
そして今ではカウンターストライクをあまり変化させずにオンラインゲーム化した「カウンターストライクオンライン」が韓国や中国でサービス開始されています。
集客数はかなり好調なようです。
そう考えると、やはり量産型のオンラインFPSゲームではなく、独自のゲームモードやバランスをもつゲームの登場が待ち焦がれます。