デモの紹介・感想
紹介
『Kane & Lynch 2: Dog Days (ケイン アンド リンチ2 ドッグ・デイズ)』 は2010年8月に発売予定のTPSである。名前の通り、「ケイン アンド リンチ:デッドメン」の続編である。
海外ではPC・PS3・XBOX360の三機種、日本ではPS3とXBOX360で発売される。
前作は独特の雰囲気をもった犯罪ゲームとして一定の評価をされ、全世界でミリオンヒットとなっている。
しかしゲーム自体がお粗末であったため、レビューサイトを中心に酷評を受けてもいる。
『ケイン&リンチ2』は好評だった雰囲気そのままに、暗い空気をさらに演出するような仕掛けを用意している。
その仕掛けとは、ゲームの映像を家庭用ビデオカメラで撮影したような表現することになる。
キャラクターを動かすと画面はどことなく揺れ、ざらついた質感やブロックノイズが演出として使われている。
ゲーム自体は割とシンプルなTPSとして設計されているようだ。
今作はリンチをプレイヤーが操り、ケインはAIに任せっきりである。
体験版ではそれ以外の仲間はいなかった。
仲間を操る戦術性を押し出していた前作とは違う作りだと言える。
感想
ローカライズについて
私は国内PS3版と国外PC版のふたつをやってみたので、どのような違いがあったのかを最初に書く。国内版は若干表現規制が入っている。
海外版は一般市民でも敵キャラのように容赦なく撃てるが、国内盤はトリガーを引くことすらできなくなっている。
クライムアクションゲームであることを加味すると、やや残念な規制と言えるかもしれない。
『ケイン&リンチ2』では敵を羽交い締めにして、頭を銃で撃ち抜くことができる。
これをやったとき、海外版では死体の頭部にモザイクがかかる。
ちなみに海外版だと自分が死ねばモザイクがかけられる。
またムービーのシーンでは、たぶん売春で働く女性だとは思うが、海外版では下半身に何もつけていない状態をモザイク処理しているのに対して、日本版は下着を穿いている。
詳しくは下の画像を見るとよく分かると思う。
雰囲気や表現は○
長所として宣伝されてもいる、Youtube等に投稿されるカメラのような表現は確かにすばらしい。ゲーム自体が面白くなると言うわけではないが、犯罪行為を取り上げるゲームとして間違っていない判断である。
例えば銀行強盗などのシーンがテレビに映されるときは、画質も低い監視カメラの映像だったりする。
だからゲーム中に同じようにブロックノイズまみれになっても、あまり違和感がない。
揺れ動く視点やノイズの入り方は不快にならない程度に調整されてもいる。
雰囲気だけならトップクラスのゲームだ。
体験できる環境にある人は体験してほしい。
しかし体験版でやった限り、戦闘は平凡なTPSの域を出ていないと感じる。
さすがに前作ほどの酷さはないが、何かしら面白い仕掛けがなくては、雰囲気ゲーの域は出ないだろう。
マルチプレイはどうだろうか
『ケイン&リンチ2』の目玉とも言えそうな「フラジールアライアンス」のみ体験版に収録されている。結構説明しにくい、変わったルールなのでルールの説明はしない。
このルールは、敵CPU対プレイヤーという構図のCOOPゲームである。
そこに仲間プレイヤーを裏切って自分のスコア(ゲームではお金)を上げられる、裏切りシステムが加わっている。
すなわち自分がゲームのトップになれるかどうかを競うゲームである。
チームベースのゲームならば、自分の所属するチームが試合に勝つことを求められる。
しかし「フラジールアライアンス」は試合に勝てる程度まで味方と協力し、最終的には裏切りを躊躇せずに自分の利益を優先させる、身勝手なゲームでもある。
これはゲーム自体に複雑さを持たせるよりも、味方同士との駆け引きを重視していると言えるかもしれない。
VC(ボイスチャット)があると喧嘩でも起こりそうだ(それを開発が狙っているのかもしれないが)。
もし遊ぶのなら人が多いうちに遊びたい。
興味惹かれるルールだが、長い間人をつなぎ止められるほどの魅力は感じない。
何版を買うのが良いか
国内版はフルローカライズされていることが利点である。一方で規制が入っているので、本来のゲームそのものを楽しめるとは言えない。
海外版は英語だが無規制である。
PC版とPS3版の違いはよく見ると違う程度である。
例えばPC版はケインの着ている服の生地がハッキリと見えるが、ゲーム中はまったく気にならない。
むしろ家庭用ビデオで撮ったような映像なので、PS3版のグラフィックが多少劣っていても、逆に味のようなものを出している。
PC版はかなりハッキリした感じを受けるのに対して、PS3版はやや靄がかっている。