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The Tower of AION(タワー オブ アイオン)
ベータテスト


ジャンル:MMORPG
機種:PC
開始年:2009年6月
開発会社:NCsoft

公式ウェブサイト

2011年3月(訳あって画像は正式サービス以後に撮ったものが多いです)
正式サービスのレビューは こちら

デモの紹介・感想

紹介

『The Tower of AION(タワー オブ アイオン』(以下『Aion』とする)は2009年注目のMMORPGである。
  開発は韓国のNCsoftで、ゲームエンジンにはCryEngineを使用している。
そして2008年の大韓民国ゲーム大賞を受賞している。
既にサービスが行われている韓国では人気ナンバーワンのオンラインゲームだ。
ちなみに2007年大賞受賞は『AVA』であり、『Aion』が出る前の人気ナンバーワンは『サドンアタック』だった。
2005年から開発が続けられていたものの、数々の仕様変更や開発チームのゴタゴタがあって、最終的にサービス開始になったのは韓国で2008年末のことだった。
日本での売り文句は「完成型MMORPG」。

ゲームの内容は『エバークエスト』や『リネージュ』、『ラグナロクオンライン』から続く、至って普通のMMORPGである。
広大なマップにコンピュータ制御の敵が徘徊しているので、様々な攻撃を行って倒し、レベルを上げていく。
敵との戦闘は、あらかじめスキルなどを配置したショートカットキーを利用してコンボを繋げていくような感じだ。
マウスカーソルでのクリックでもスキルが発動できるため、「クリックゲー」と揶揄されることもある。
レベルが上がってくると、今度は敵対する敵プレイヤーとの対戦も行うことができる(Realm versus Realm 通称 RvR)。
どちらかと言えば、『Aion』はレベルが上がればあがるほど味方と連携して対戦(Player versus Player 通称PvP)も行えるゲームである。
一応パーティを組まないソロプレイや延々と敵を狩り続ける(Player versus Enemy 通称PvE)をしてもいい。
このようなバランス感覚が韓国で評価されていると言って良いだろう。

『Aion』最大の特徴は美しいグラフィックや音楽といった雰囲気にある。
まず、自分の分身となるキャラクターのエディットはかなり詳細に設定できる。
最初から用意されているのは日本人好みしそうな美形キャラクターばかりだが、上手くいじることでドワーフのような洋ゲー特有の濃いキャラクターも作れる。
そしてゲーム自体が天族と魔族の争いを舞台にしていることもあり、天界と魔界では世界の雰囲気が全く違う。
天界は楽園のような癒される場所や美しい音楽が多く用意され、魔界では厳しい自然環境やおどろおどろしい世界が待っている。
あと、アカウント内に作れるキャラクターは5人なので、天族の次は魔族で遊ぶことも出来る。
好きなように一つのゲームで二度美味しいのだ。

レベル別に遊び方が変わってくるので、感想ではそこを重点的に指摘したい。

The Tower of AION(タワー オブ アイオン) ベータテスト レビュー 画像1

感想

導入部分は良い
まず断っておくと、オープンベータテストのレベルキャップ(最大レベル)は30である。
正式サービスの現在は50まで拡張されている。

『Aion』は、ゲームを開始してからレベル12付近までは非常に出来がよい。
特に天族の出来は数ある韓国産MMORPG最高レベルで、日本や欧米のパッケージゲームと肩を並べると言って良いかもしれない。
とりあえずキャラクターエディットが豊富で出来がよいから、自分の分身を好きなように作れる。
こんなのは今となっちゃ当たり前かもしれないが、アバターはオンラインゲームでは非常に重要な要素だ。
ゲーム開始時にキャラクターを作り、次は有無を言わせずゲームの世界に放り込まれることになる。
天族の場合、最初にいる場所は幻想的な森だ。
先へ進んでいくと湖や小さな街があり、グラフィックの良さも相まって非常に美しい世界が構築されている。

レベル12程度までは壮大なチュートリアルだと言える。
マップのあちこちにいるNPCからクエストを受けて遂行していくだけなのだが、一つ一つのクエストがチュートリアル的に作られている。
そしてレベルが10になると、世界が一変する。
様々な場所へ行けるようになったり、特定の場所で空を飛べるようになる。
新しい場所へ行く発見とか探求心はMMOではとても大事だ。
やや中だるみするレベル10第後半
ところがレベルが上がるにつれてだんだん単調作業の連続になってくる。
というのも、レベルがかなり上がりづらくなる上に、クエストに変化がなくなってくるのだ。
最初の頃は変わったクエストもあったが、レベルは10台半ばともなると「お使い要素」や「敵を狩るだけ」のクエストばかりだ。
ただ、パーティを組むことで非常に楽になるのもこのあたりのレベルの特徴だ。
そう考えると、パーティの良さを気づかせるためのチュートリアルなのかもしれない。

The Tower of AION(タワー オブ アイオン) ベータテスト レビュー 画像
敵が猛烈に強くなるレベル20台
ここらへんで韓国産ゲームの本性が見えてくる。
それは、1つあげるのに何時間もかかるあまりにもキツイレベル上げと敵対種族との対戦である。
レベルが20ともなってくると、敵モンスターがやたらと強い。
攻撃力の低いクラス(職業)をキャラクターエディットで選んでいると、あまりにも時間がかかりすぎて力尽きてしまうかもしれない。
だいたいの人はこのあたりで止めてしまうようだ。

一応レベルが25になれば敵対種族と勢力争いをするエリアに行けるようになる。
それはそれでゲームの単調さを和らげてくれるのだが、それほど面白くないのが現状だ。
MMORPGではレベルがたかくて良い装備をしているプレイヤーや人数の多い種族が強い。
しかもこのゲームでは先制攻撃を食らったらやり返す方法が少ないので、先に攻撃したもの勝ちとなりやすい。
戦闘はやる前から決着がつくことも多いのだ。
やはりコンピュータが操るMOBとの戦闘とプレイヤー同士の対戦のバランスをちょうどよくミックスすることは難しいのだと思う。
これからどうなるのか
おそらくすべてのプレイヤーがレベル上限の50に到達するくらいまで時間がたたなければ、普通のプレイヤーは廃人プレイヤーにやられ続けることになる。
かと言ってソロプレイやパーティでクエストをしようにも、レベルが低ければやたらと難しいものばかりだ。
レベル10台のころは、一人でも出来ないことはないがパーティを組むと楽という加減が非常に心地よかった。
ところがレベルが上がるとパーティ必須のクエストや対戦ばかりになり、それらが抜群に面白いかというとそうでもない。
初期のころにあった自由度がなくなってくるのだ。

The Tower of AION(タワー オブ アイオン) ベータテスト レビュー 画像
その他
課金がやたらと高いので、一番安いプランで気長にやっていくのが賢いやり方だと思う。
ただ、時間がたつと一人取り残されてしまう危険性がある。

ベータテスト中はBOTがかなり目だったが、正式サービス後にはあまり見かけなくなった。
しかし完全に駆逐されているわけではない

音楽の質はかなり高い。
いわゆる環境ミュージックに近いものが多いが、良い雰囲気を作り出している。

いまからやるのなら天族プレイがお勧め。
「楽園」のような雰囲気の良さや世界の広さを実感できる。

確かに『完成型』ではあるが、革新性がまったくない。
今まで作られてきた韓国産MMOの集大成に近いと思う。
ゲームバランスが崩壊している様子は今のところない。

パワーウィキという攻略が公式ウェブサイトにある。
わからなくてつまるようなことにはならない。

The Tower of AION(タワー オブ アイオン) ベータテスト レビュー 画像

まとめ

○良いところ
  • MMORPGとしては非常に美しく、雰囲気の良いグラフィックや音楽
  • 豊富なキャラクターエディット
  • 序盤がかなり面白い
  • システムが完成されており、操作が非常に楽なので初心者でもすぐに慣れる
  • 良質のローカライズ
  • パワーウィキの存在で攻略が楽
×悪いところ
  • 最初のころは質の良いパッケージゲームみたいだが、ある程度進めるとただのMMORPGになり下がる
  • 対戦が面白くない
  • イベントがしょぼかったり、BOTがたくさんいたり、運営がだめっぽい
  • 数々のMMORPGをやった人からには食傷気味のシステム
  • 廃人強すぎ

△賛否分かれそうなところ
  • 日本人ウケしにくい対戦メイン
総評
ゲームを始めて数十時間は非常に面白いと思う。
とにかく雰囲気が良いし、ゲームとしてのバランスにも優れている。
しかしレベルがあがってくるとやることは対戦しかなくなるので、そこから先に楽しみを見出せるかは人によるだろう。

ここまで高品質のグラフィックや音楽などの表面を作っておきながら、ゲームシステムはありきたりで革新性がない。
また対戦要素を入れなければ韓国や欧米で人気が出ないのはわかるが、やや中途半端気味である。
最初のころのように最後まで進めることが出来れば素晴らしいゲームとなり得たのに、どうしてこうなったのかと首を傾げたくなるゲームだ。

あと、運営は「対戦がメインであること」を伏せて広告展開を行っている。
繰り返すが、雰囲気は良いのは最初だけで最後は対戦だ。

アイオンベータテスト 画像5

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