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GUNVALKYRIE(ガンヴァルキリー)


ジャンル:アクションシューティング
機種:
発売年:2002年
開発会社:スマイルビット

公式ウェブサイト

レビュー脱稿日2008年11月 最終更新日2011年3月

紹介

『GUNVALKYRIE(ガンヴァルキリー)』はXBOXのローンチタイトルとして発売されたアクションシューティングゲーム。
製作はスマイルビット(セガの子会社で、後にセガと合併)で、販売はセガ。
元々はドリームキャスト向けに開発していたのを短期間で手直しし、XBOXに移植した。

ストーリーはやや難解なSFで説明書などにバックグラウンドがたくさん書かれている。
とはいえアクションゲームなのでストーリーを気にしなくてもクリアできる。
全部で10のステージが用意されていて、それぞれのステージにはクリアまでの時間などにより評価が出る。
主人公のケリー
『ガンヴァルキリー』の大きな特徴と、ウリの要素は、独特の操作方法にある。
左右のスティックを駆使して空中を自由自在に、華麗に動かすことができる。
自分に酔うゲームと言っても良いかもしれない。
ただ、独特の操作なので習得には時間がかかるし、その操作自体も難しい。
身についてしまえば敵をどんどん倒すことが出来るので非常に爽快なのだが、それまでがつらい。

世間的には難しいゲームとして知られている。
難しさに値を上げたプレイヤーからは評価は低く、逆に難しさを克服したプレイヤーからは高い評価を受けている。
俗に言うセガらしいゲームだと言える。

操作方法は奇抜であっても、中身は特に変わったこともないアクションゲームである。
ステージクリアの条件は特定の地点にたどり着くことや敵の殲滅、ボスの破壊。
そしてテージをクリアするごとにスコアがでてきて、スコアに応じてポイントを得られる。
獲得したポイントを使って武器や装甲の強化が出来る。(しなくてもクリアはできる)
ボス戦

レビュー

操作が激ムズ。もうそれにつきる

やりにくい操作

どんなゲームも固有の操作方法があるわけだけれども、多くのゲームに共通するのお決まりの操作体系というものがある。
だから説明書を読まなくてもなんとかやっていけるゲームは多いし、そういうゲームが売れる。
ある意味固定化・無個性化に繋がるのかもしれない。
しかし大抵の人にとっては楽しみを求めるためにやるゲームで面倒な操作にキリキリすることなんてのは問題外なのだ。
そう考えるとガンヴァルキリーの操作は難しい。
お決まりの型から少しずれているし、何よりも要求される操作がかなりハイレベルなのである。

『ガンヴァルキリー』の操作方法の問題点はいくつかある。
中でもスティックを押し込みながら動かさなければならないのが最も難しい。
スティックの押し込みを最大限利用しながらやるゲームは少ない。
『ガンヴァルキリー』では押し込み操作を連続してやらなければならないので操作ミスが起こりやすく、さらに操作が激しいために疲れやすい。
しかもコントローラーにある二つのスティックを同時に操作しなければならない。
ピアノなんかで右と左で違う操作をするのは難しいのと一緒で、こればっかりは慣れなければどうにもならない。
空に飛び、敵を撃つ

そして「高度な」操作

操作がしにくいことだけではなく、操作自体また難しい。(やりにくいのではなく難しい)
製作チームが考えているプレイ感覚をつかむのためには、ゲームを一周するくらいやらなければ身につかない。
とにかく根性が要求されるゲームなのである。

ただ、ゲームをクリアするころには操作に慣れてきてガンヴァルキリーの面白さが分かりかけてくる。
独特の操作から生まれるのはやはり独特のゲーム感覚なので、人によっては病みつきになるかもしれない。
空中を飛び回りながら敵を華麗に排除できるようになればしめたものだ。
空中ダッシュ
製作側もこの問題を分かっていたと思われる。
パッケージには操作方法を書いたインストラクションカードが付属してある。
これを見ると操作方法を習得して欲しいという考えがうっすらと浮かび上がってくる。
また敵の攻撃はかなりゆるく、敵の耐久力も低い。
爽快感を演出するためだけでなく、ガンヴァルキリー自体の操作の難しさを少しでも下げようとしている。

しかしこれだけ難しい操作をしなければならないのに、チュートリアルがない。
自分はインターネットで検索して操作のコツを探したものだが、今でも人によってはやらないだろうし、何より発売した当初は情報が何もなくてほとんどのプレイヤーが投げ出してしまったのではないだろうか。
慣れてしまえばかなり楽しい。

『ガンヴァルキリー』はやり込み推奨ゲームだ

見方を変えてみると、クリアするまでが壮大なチュートリアルだとも受け取れる。
徐々に構造が難しくなっていくステージに対応するためにプレイヤーは上手になる必要がある。
難易度曲線的に最終ステージが最も難しくなっていて、最終ボスを倒せるところまでやればガンヴァルキリーの操作をようやく会得する。
自分はまさしくこの状態だったので、この考えはあながち間違いではないと思う。

それに忘れてはならないのが、ステージクリア後に評価される要素の存在である。
繰り返しプレイすることを製作者が前提としているから、こんな要素があると考えられる。
また最終ボスをたおせば、すべてのステージを自由に選んでプレイできる「チャレンジモード」が出現する。
開発者はステージを全部クリアするだけでなく、そこから腕を磨くことを推奨しているのだ。
ただ、すべてのステージのランクをSにしても何も隠し要素はアンロックされないのはちょっと残念。
まあ『ガンヴァルキリー』をやりこむのは相当難しいから、ご褒美は無い方が正解だったのかもしれない。
ひたすら降下するステージ。
浮遊をしている感覚を最も味わいやすいステージだ。

『ガンヴァルキリー』の物足りなさ

『ガンヴァルキリー』はドリームキャストで開発されていたのをわずかな期間でXBOX用にコンバートしたという。
本格的な製作には半年とかしかかかってないらしい。
どうしてもXBOXと同じ日に発売したかったのだと思われるが、その代償で詰めが甘いゲームになってしまっている。

操作方法の煩雑さ、クリア後のおまけ要素の少なさ、そしてステージの少なさ。
そして、クリアしたころに習得できるようになる操作を楽しめるステージが用意されていないのは大きな欠点だと考えている。
クリア後は、いかにしてクリアするかではなくて、どのようにして良いスコアを取るかというゲームに変わる。
言い換えれば自分の力量より上のステージを攻略するのではなくて、力量より下のステージを上手に攻略するゲームになる。
正直言って、なんだか物足りないゲームになってしまう。

あとこれ、疲れます。
スティックを酷使するので親指が痛くなる。
もう少し煮詰めれば、そして続編があれば・・・、と惜しい要素が目白押しのゲームである。
空中ナパームという攻撃。
高い場所へ移動するのにも使える

まとめ

操作を覚えることに始まり、操作を覚えるころにはクリアしているという操作ゲー。
プレイヤーキャラを自在に動かせるようになるまではかなり苦労するが、一度覚えれば簡単になる。
ところが操作が上手くなっても、その操作を試すようなステージが少なく、リプレイ性に欠ける。
ガンヴァルキリーはアクションゲームというより、レースゲームとか、音ゲーのノリに近いと思う。
自在に動かせるようになったころが一番面白いが、その後はスコアアタック目的になってしまって単調でつまらない。
最初のころは操作が難しくストレスたまりまくりなので、軽いゲームをやりたい人は買ってはいけない。

63点

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