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バイオハザード リベレーションズ2


ジャンル:アクション
機種:PS3
発売年:2015年
開発会社:カプコン

公式サイト

レビュー2015年6月

紹介

『バイオハザード リベレーションズ2』(以下『リベレーションズ2』)は2015年にカプコンが開発・発売をしたアクションゲームである。
バイオハザードシリーズの外伝とも言える作品だ。
PS4、XBOX One、PS3、XBOX360、PCと数多くの機種で発売されている。

バイオハザードシリーズの中の位置づけとしてはストーリー的に『5』と『6』の中間で、システムでは『6』以降ということになる。
システム面では『6』にあった近接攻撃が廃止されているのが特徴といえば特徴である。
これは一部で不評をかったので削除されたのだと思われる。

リベレーションズシリーズの特徴は、キャンペーンモードとレイドモードの分離、恐怖を押し出したデザイン、エピソード形式の演出に求められる。
色々なキャラが登場する
前作に引き続きキャンペーンモードとレイドモードが分離されている。
キャンペーンモードはシナリオに沿って遊ぶごく普通のゲームモードである。
レイドモードはひたすら湧き続ける敵を倒すおまけモードと言える。

恐怖を押し出したデザインはバイオハザードシリーズの原点回帰とも言える特徴である。
そもそも恐怖とはなんぞやという問いもあるが、バイオハザードシリーズにおいてはサバイバル感からくる恐怖が占める割合が大きい。
最後にエピソード形式の演出も特徴の一つにあげられる。
ある一定のまとまりをもった長さのエピソードが8つ用意されている。
キーキャラクター
リベレーションズシリーズの前作と比較すると、グラフィッククオリティの向上、レイドモードの改変、恐怖演出の強化、といった点が際だっている。
レイドモードは前作のようなキャンペーンモードの改編ではなくなり、いままでのシリーズにあったマップや新マップにおいて敵を殲滅するモードに変わった。
また、前作やバイオ『5』『6』と比べるとパートナーの扱いが大きく変わった。
前作『リベレーションズ』では存在意義がなかったパートナーだが、『リベレーションズ2』ではサポートの役割が大きくなっている。
そして『5』、『6』でフィーチャーされていたCOOPプレイは実装されていない。
これは、サポートの役割が大きいパートナーの意義を最大限に活かすためだとされている。
敵を撃とう!

レビュー

パートナーが何故存在するのかを突き詰めて作られている

パートナーの存在意義

『リベレーションズ2』には『バイオハザード 5』や『同 6』と同じく、常にパートナーがいる。
ただしパートナーの立ち位置が変わっている。
この変わり方が『リベレーションズ2』の特徴でもあり、私が高く評価している点だ。

『5』や『6』にいるパートナーは、COOPプレイをするために用意されていた。
自分の操るキャラクターと一緒に敵を倒していくのが目的だったのだ。
初代『リベレーションズ』にもパートナーはいたが、それは形式的なものに過ぎなかった。
ストーリーで絡むくらいであり、味方の存在に意味がなかった。
翻って『リベレーションズ2』では存在意義が大きくなっている。
というのも、謎解き場面であっても味方キャラと連携をしたりする必要がグッと高まったからだ。
パートナーとなる味方キャラは戦闘に向かないが、逆に言えば戦闘以外で大きな力を発揮するようになっている。
また、そのように力を発揮できる場面がゲーム側で用意されている。
パートナーと協力しよう

ホラー軽視ではないパートナーの存在

そしてパートナーの存在が「弱く」設定されているので、サバイバルホラー感をそがないようになっている。
ゲームシステム上でも、ストーリー上でもメインキャラのほうがタフで勇敢だ。
それに対し、パートナーは攻撃する手段を持たず、ストーリーでも弱い存在に描写されている。
よって、仲間がいるから心強いというわけではなくなっている。

また、気持ち悪い雰囲気を醸し出す場所も適切に用意されている。
例えば廃墟、食肉加工場、水路といった感じである。
ホラーとして大事な、恐怖を呼び起こす要素をきちんと抑えているのだ。
毎度お馴染み食肉加工場でございます

複雑に生成する物語

以上のようなものに加えて、ストーリーテリングも巧みである。
『リベレーションズ2』では二つの主人公の物語を交互に遊ぶ。
この交互に遊ぶことによって物語全体が重層的に、かつ大きく、深く見えてくるようになっている。
同様の手法は『バイオハザード6』にも見られる。
いや、というよりも、任天堂がゲームキューブ向けに発売した『エターナルダークネス』に近いと言える。
『リベレーションズ2』ではほぼ同じ場所を二度探検するようになっているからだ。
つまり、片方の主人公Aが特定の場所を探検した後、もう片方の主人公Bが同じ場所を探検するようになっている。
しかし全く同じというわけではなく、やや異なっており、それによってプレイヤー側に物語の謎と出来事の顛末に対する期待を膨らませるのだ。
物語の核心を秘密にしながら、それでいてプレイヤーに答えを投げかけつつ、最後に全ての糸が繋がるようになっている。

私はゲームならではの手法であると感じる。
というのも「同じ場所を探検する。同じ場所に立っている」という感覚を瞬時に与えてくれるのはゲームならではものだからであるからだ。
ゲームならば自分の手で触るように世界を探検することもできる。
中ボス

エクストラミッションの面白さとバイオハザードリベレーションズ2の本質

『リベレーションズ2』でつまらないのはレイドモードであり、すなわち敵を殲滅するモードである。
レイドモードがつまらないのではなく、プレイヤーはシリーズ通していつも用意されているこの手のモードに飽きてくるからだ。
さすがに戦闘部分で変化も何もないモードを新作として出されてくると、シリーズ通して遊んでいるプレイヤーとしては困る。

そして、『リベレーションズ2』で面白いのはエクストラミッションやキャンペーンモードである。
キャンペーンモードの面白さは既に述べたのでエクストラミッションについて説明する。
要は制限の多いキャンペーンモードの一形態である。
武器弾薬、コンティニュー回数、戦闘の有無といったものに制限がかけられ、プレイヤーはその中で試行錯誤してミッションをクリアしなければならない。
シューターが山のように発売された現在、こうした制限がかかったゲームに新鮮さがあるのだ。
ここら辺は『ハーフライフ2』の「エピソード2」に立ち位置が似ていると思う。
シリーズお馴染みの謎解きもある

バイオハザードシリーズのお手本となりうるか

今後取り得るバイオハザードシリーズは三つの方向性があるといえる。
一つは戦闘を重視する方向性で、これはレイドモードに現れている。
二つ目は演出を重視する方向性で、『6』に当てはまる。
三つ目に変化球的な謎解きやサバイバル感やパートナーとの連携を大事にする方向性で、これが『リベレーションズ2』である。
私の好みの問題になってしまうが、ひとつ目の方向性では「バイオハザード」である必要がない。
二つ目の方向性は『6』が面白かったものの、これも「バイオハザード」っぽくはない。
ということで三つ目が目指す方向性となるだろう。
これはホラー感を大事にするとかではなく、ただのシューターにもならず、ただの過大演出ゲームとならないという意味である。
その意味で、『バイオハザード リベレーションズ2』が今後のお手本となるかどうかが注目されるだろう。
逃げろ!

まとめ

単純なシューターではなく、演出過剰ゲームでもなく、びっくりホラーでもない。
じっくり味わえば面白さがにじみ出てくるような、良質な外伝作品である。
75点

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