紹介
『MAX PAYNE(マックス ペイン)』はハードボイルドな雰囲気が特徴のTPS風アクションゲームである。海外ではPC、XBOX、PS2向けに発売され、日本ではPC(中身は英語版)とPS2版が発売されている。
元々PC版を優先させて作ってあるので、他の機種への移植はPC版開発とは違う会社が担当している。
PC版の開発はRemedy Entertainment、PS2版を含めたゲーム機版の開発はRockstar Gamesが行っており、日本でのPS2版はEAが販売をしている。
もともとPC向けに作られたゲームをPS2に移植しているので操作性が悪かったりフレームレートが安定しない問題がある。
一応ゲーム機向けの調整は行われているが、『マックス ペイン』本来の面白さをそのまま味わうことは出来ていないかもしれない。(私はPC版を未経験)
『マックス ペイン』のPC版は製作期間に4年以上かかっている。
おそらく殆どの期間がゲームエンジン構築に費やされたと思われる。
評価は上々で売り上げも結構良く、続編も作られている(ただし日本では未発売)。
本稿で紹介するPS2版は廉価版こそ発売されていないものの、入手は比較的容易である。
中古はかなり安い価格でたたき売られている。
マックスペインは三人称視点のアクションシューティングゲームだ |
ストーリーは、短いチャプターをクリアするごとにアメコミ風の朗読劇が挿入される形で展開されている。
その朗読はただ単に物事を描写していくものではなくて、主人公である”マックスペイン”がハードボイルドに皮肉めいた自己描写をしている。
ハードボイルドな雰囲気は最初から最後まで一貫しており、ゲームとは逸脱するお遊び要素のようなものはない。
レーティングが18歳以上となっていることから想像されるとおり、暴力描写や麻薬描写の比重が他のゲームと比べても大きい。
一応敵キャラクターの会話やマップに配置された小道具からはジョークのようなものが感じ取れるが、ゲームのアクセントとして使われている程度だ。
数多くの敵を銃でガンガンなぎ倒していく主人公にとっては明るい雰囲気など無縁、というところが洋物ゲームらしいと言えるのではないだろうか。
横っ飛び |
バレットタイムを利用したゲームといえば『マックス ペイン』と言われるぐらいに、『マックス ペイン』のバレットタイムモードは有名である。
一言でバレットタイムモードと言っても具体的には二つある。
ゲーム中ではたまーに敵を倒した瞬間にスローモーになりカメラが敵の周りをグルグル回転する場合と、自分でゲームのスピードを落とすバレットタイムを発動し横っ飛びなどを駆使して敵を倒す場合だ。
この描写はよく言われているように映画『マトリックス』で使われて有名になっているほか、映画監督のジョン・ウーが多用する表現の一つとしても知られている。
映画の中で俳優がかっこよくキメているのを見るのとは違い、自分が起こしたアクションが引き金となって演出が行われるというのはゲームならではの表現である。
バレットタイムモードは敵の銃弾をくぐり抜け、いかにして敵を格好良く倒せて魅せるか、をまざまざと見せつけてくれる。
だからこそ銃を扱うゲームにしては珍しいTPS視点(三人称視点シューティングゲーム)を採用しているのだ。
PS2版は敵に銃口が自然と向く自動照準機能が標準装備されている。
コントローラー銃の照準を敵にあわせることが非常にやり辛いからだ。
幸か不幸か、自動照準によってアクションゲームらしさが際だっている。
シューターを期待して買うよりもアクションを期待して買った方が良いだろう。
かと言って敵に近づいて近接攻撃をするゲームでははない(できることはできる) |