紹介
『The Elder Scrolls IV: Oblivion(以下オブリビオン)』はBethesda Softworksが開発と販売をしているRPG。日本にいるとなじみはあまりないのだが、海外では評判がとても良いRPGシリーズの4作目である。
4作目である『オブリビオン』はゲーム機への本格的なマルチ展開もされ、それもあってかシリーズで最も評価が高く、プレイした人口も多い。
ゲームに収録されている文章量が膨大なため日本語へローカライズすることは採算上厳しいとされていた。
しかし『オブリビオン』の海外における評判が高まったこともあってユーザーによる署名運動が行われた結果、スパイクによってPS3とXBOX360版の発売がされた。
どうもこのゲームは日本でも結構売れたみたいで、後にBethesda Softworksが直々日本法人を作っている。
現在はベセスダの日本法人が販売を行っている。
なおPC版は日本では正規代理店が存在しないので輸入された英語版を買うしかない。
有志によって作られたPC版を日本語化するMODはあるものの、その膨大な文章量のためゲームの文章すべてが翻訳されているわけではない。
とはいえ未翻訳部分はゲーム中に読める本などの部分に限られており、ゲームを進行する上では障害にならないだろう。
MODを適用した状態 |
日本のRPGは主に一方通行で奥深いストーリーや印象的なキャラクター、独自の練り込まれた戦闘システムを採用することでゲームがプレイヤーを引っ張ってくれる。
一方で『オブリビオン』は、様々な目的が与えられるもののどれからやっても良いという自由度の高さを特徴としていて、戦闘部分やストーリー、キャラクターが非常に淡泊である。
そのかわり自由度の高さを生かして自分の好き勝手に進めることを楽しめるので、プレイヤーがゲームの中で楽しみを見いだしていかなければならない。
最近は日本産RPGがずいぶん前から飽和状態でシステム的にも行き詰まっている感があり、新鮮味のある『オブリビオン』のようなゲームも、日本で評価されてきている。
『オブリビオン』はやることを把握するのが難しい。
大抵のレビューを読んでみれば、自由度の高さを面白いところとしてあげているだけでどのように面白さに繋がっているの書かれていない。
これではゲームをやる前から何を楽しむゲームなのかわかりにくい。
だから私の完全なる主観を織り交ぜて『オブリビオン』を一言で言い表してみる。
おそらく、『オブリビオン』は自分なりのルールをつくり、その上で遊ぶ「○○ごっこ」である。
ゲームプレイにおいてプレイヤーに示された選択肢が非常に多いので、多くの場合自分のルールに基づいて行動をすることができる。
つまりはゲーム内で操るキャラクターに性格やなにやらを自分で設定し、ロールプレイ(役割を演じる)するのである。
このように自分でルールをある程度決めておかないとオブリビオンは非常に淡泊で面白味が何もないゲームに感じてしまうだろう。
キャラクターの造形はかなり日本人の好まないタイプ |
したがってオブリビオンをやる前、やっている途中に、適宜説明書や攻略情報を読んでほしい。
ここで細かいところをアアダコウダ説明してもしょうがない。
そこで、ゲームの基本的な流れのみ紹介する。
まずプレイヤーはゲームを開始してまもなくゲームのメインとなるクエストをうける。
この他にも、街にいる人と会話することで他のクエストをもらうこともできる。
メインクエストは確かに『オブリビオン』で最も大規模なクエストではあるのだが、クエストを終わらせてもゲームは終わりにはならない。
位置づけとしては数多くあるクエストの一つといった感じであり、ゲーム自体に全クリという概念がない。
つまりメインとなるクエストも他のクエストは別に達成してもしなくてもいいのだ。
すべてはプレイヤーに任されている。
メインにならないクエストは例えば宝物探しといったRPGらしいものもあれば、家を買ったり行方不明者を捜すものもある。
他にもギルドに所属して数多くのクエストを消化することも出来る。
このようなクエストはどのようにクリアしても、任務を受ける受けないも自由なので、自分で決めたルールにしたがって遊べばいい。
人助けはしたくないのならば暗殺を楽しむギルドに所属するのもよし、一匹狼でありたいのならばギルドを無視するのもよし、それとも立派な家を買ってアイテムで埋め尽くすのもよろしい。
クエストは結構な数が用意されているせいでコンプリートした人にはつらいかもしれないが、逆に考えれば自分の好きなものだけをやれる利点もある。
暗殺ギルドへ入るのも自由 |
移動するだけで何十分もかかる広大なフィールド、いくつも用意された街、クエストに関係のない洞窟や遺跡の数の多さは『オブリビオン』の懐の深さを感じさせる。
フィールドはただ大きいだけでなく同じような場所が出来ないようにしっかりとモデリングされ、そして自然の状態を上手く描ききっている。
例えば雨、雪、日の出、日の入り、霧、そういう状況がしっかりと作られている。
街もそれぞれが特色のあるように作られている。
RPGの肝となる戦闘部分もプレイヤーが介入する余地が大きい。
打撃攻撃をするにしても剣、斧、メイスのどれかを装備するのか、それとも魔法や弓に頼るのかというのはプレイヤーの自由である。
戦闘難易度は好みで設定できるし、何かを選んだといって極端にバランスが悪くなることはないので、自分のスタイルにあった戦闘スタイルを選ぶことが出来る。
『オブリビオン』は広大なフィールドにプレイヤーが放り出されてその中で楽しみを見いだしていくゲームである。
そのためにクエストや街が数多く用意されていて、それに応じた選択肢は無限大と言ってもいいかもしれない。
広大な世界 |