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Project: Snowblind (プロジェクト スノウブラインド)


ジャンル:FPS
機種:PC
発売年:2005年
開発会社:Crystal Dynamics


レビュー脱稿日2010年9月 最終更新日2011年3月

紹介

『Project: Snowblind (プロジェクト スノウブラインド』(以下『スノウブラインド』とする)はCrystal Dynamics開発Eidos Interactive発売のFPSである。
海外のみの販売でPC、XBOX、PS2で発売されている。
PS2でも発売されているゲームなので、2005年のPCゲームとしてはグラフィックがかなりみすぼらしい。

開発段階では『Deus Ex』シリーズの一つとして『Deus Ex: Clan Wars』と名前がつけられていた。
しかし途中で『Project: Snowblind』へと名前が変更されている。
それでもゲームの雰囲気や自由度重視のゲームデザインは確かに『Deus Ex』に似たものが残っている。
『Deus Ex』を期待すれば肩すかしを食らうレベルだが、もはや別のゲームであるから仕方がない。

香港
舞台は未来の香港だ
『スノウブラインド』の特徴は武器の多さである。
プレイヤーが使える武器・グレネードが何種類も用意されている上に弾薬も豊富に落ちている。
つまりプレイヤーは色々な武器を自由に使って進めていくことになる。

さらにAugmentationsという特殊能力もゲームを進めていくと数種類手に入る。
特定の場面でどの武器を使えと言うことがほとんどないことも考えると、プレイヤーに与えられた選択肢は無限大であると言えるだろう。
しかもそれぞれの武器や特殊能力は効果が明確に差別化されている。
似たり寄ったりとはなっていない。
くも
クモ型の敵!
SF系のゲームだけあって、動きながら敵に攻撃を当てていく場面が多い。
武器の反動がほとんどないことからもスポーツ系に似た操作感である。
ゲームの終盤ともなると敵の攻撃が強烈になってくるため、ある程度は慎重に進めていく必要がでてくる。

海外での評価は2005年という時期を考慮しても意外と高い。
自由度を指向するゲームデザインは海外ではウケるということだろうか。
廉価で出回っているので入手は楽な方だ。
味方
味方と一緒に戦うシーンもあります

レビュー

手堅くまとめてはいるが自由度は中途半端

自由度が高ければ面白いわけではない

自由度が高いゲームというのがある。
プレイヤーがクリアするまでに扱える選択肢を多くして楽しませようと意図するゲームである。
反対のゲームは覚えゲーだとか言われる。
『スノウブラインド』は自由度が高いゲームである。
ところが選択肢が多いゲームありがちな欠点をかかえている。
自由度があるからといってゲームがおもしろくなるわけではない。
そういう意味でスノウブラインドは平凡なゲームである。
武器や選択肢をたくさん用意してあっても、プレイヤー側に使い方を投げっぱなしだ。
人型
色々な敵がいます
プレイヤーは最終的に武器を8種類、グレネードなどの戦闘補助は5種類、特殊能力は5種類も扱えるようになる。
さらに武器の攻撃にはプライマリショットとセカンダリショットの2種類がある。
これだけを見るとさぞかし素晴らしいゲームに思えるかもしれないが、実態は違う。
とにかく選択肢が多すぎるのである。
一つ一つの効果は違う武器や特殊能力をすべて覚えなければならない。
ゲーム側でセカンダリショットやマイナーな投函武器を使うきっかけを用意していないので、とある武器を使わないままクリアしてしまうようなこともあり得る。

『スノウブラインド』における自由度とは、逆に言うとどうにでもなってしまうぐらいの締まりのない展開を意味している。
「あの武器」を使わなければクリアできないというような場面がない。
意識して武器の使い方を覚えても、結局は効果的な使い道がゲーム側から用意されていないと言える。
これでは豊富な武器を使いこなす意味が全くない。
電撃
電撃ビリビリ攻撃

武器があれば自由度は高くなるのか?

つまり『スノウブラインド』は自由度の高さがウリと言いつつも、たくさん武器を使えることの楽しみしか提供できていないのである。
数多くの武器を使い分ける戦略性、武器の扱いに習熟する楽しみがほとんどない。
なぜなら何も気にしなくても進めてしまうからだ。

このことを難易度が低いからとか、手応えがないからと一括することも可能であろう。
確かに難しくすれば選択肢は自ずと狭まってくるものだが、非常に短絡的で美しくない調整法である。
自由度の高さが楽しさに直結しないのは、単に難易度を高くすれば解決する問題ではない。
それを察してか、『スノウブラインド』ではプレイヤーがとり得る選択肢をなるべく多くするために難易度を低く設定してある。

しかし難易度を低く抑えても、特定の武器を使う場面や有効になる場面というのは作ることができる。
たとえば『スノウブラインド』でも一部の場面が非常におもしろい。
ロボット系の敵と生身の敵が入り乱れる場面では、ロボットに有用な武器と生身の敵に強い武器を上手く使っていく必要性が出ている。
残念なことに大部分はそうした考えさせる場面にはなっていない。
AIがお粗末だとか、場面の作りが悪いとか、他に色々な言い方もできる。

要するに、開発者は自由なゲームを体験させるために難易度を押さえたのはいいが、かえって拙劣な箇所を浮き上がらせてしまったのである。

自由にいけるが・・・
普通なら砲台つきの乗り物で撃破するような敵も、一応普通の武器で倒せることは倒せる

ポテンシャルはある

『スノウブラインド』の根幹をなす自由度は否定されてしまった。
それでも銃撃感や、ベタだが起伏のある展開によって『スノウブラインド』は救われている。

コンシューマー準拠のゲームらしく反動はないものの、エフェクトが派手でである。
ショットガンを撃つと武器が跳ね上がり、プラズマ銃を撃つと画面が激しい光で覆われる。
武器ごとの音や銃弾を敵に当てたときのモーションも大げさなぐらいに作られている。
したがって何も考えずに武器を片手に敵を倒していくだけでも悪い思いはしないだろう。

また、武器が多くて使い道がないと言っても、種類がないゲームよりかははるかにマシである。
なかなか強い敵
強い武器に頼りがちになってしまう問題もある

手堅いが、まあそれだけとも

ゲームを進めると徐々に武器や特殊能力が徐々に追加されていくのも、飽きさせない作りに一役買っている。
短いチャプターごとに状況を示すカットシーンも挿入されている。
ストーリーは展開がミエミエだが、悪くはないと思う。
少なくともゲームの流れにはきちんと沿っている。
話に関係のない話題を述べるようなゲームはいらない。

ゲームの展開にあわせてHUDが変わり、一度クリアした場所に話が進んでから戻ると変わり果てた姿を見るとか、制作チームの細かな配慮も見て取れる。
『スノウブラインド』はかなり小粒ではあるがよくまとまったゲームであると言えるだろう。
もう少し時間や資金があれば、数多くの武器が密接にゲームと関わり合う素晴らしいゲームへと作られていたかもしれない。
しかし現状は厳しい評価をしなければならない。
目もくらむような数の武器や補助武器によって、『スノウブラインド』はかなり締まりのないバランスになってしまっている。
ストーリーや場面の展開は王道で特別悪くはないので、どうにでもなってしまうゲームプレイが浮いている。
色々なシステムを盛り込むだけではおもしろくなるとは言えない。
盛り込んだ要素が様々に絡まっていかなければならない。
『スノウブラインド』は手堅い作りのシングルプレイFPSに、意味のないアイデアを詰め込んだだけである。

王道
お決まりのシーンはしっかりと押さえてあるのがうれしい

まとめ

『Deus Ex』の雰囲気は残っているが、あくまでも感じられる程度である。
自由に振る舞える戦闘は裏を返すとほったらかしにされるだけで、そこに筋の通った面白さは見いだせない。
破綻なく進むストーリーや演出と、ユルユルの戦闘との落差が大きい。

58点

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