レビュー
破綻のないMMORPG
フェロー要素以外は全く新奇性がない
なにせ『イカロスオンライン』はMMORPGを何かしらやったことのある人にはまったく新しさも何もないゲームである。
MMORPGというのは、敵に目標を定めてスキルをクリックしながら倒し、レベルを上げてクエストを消化し、アイテムを探しにインスタンスダンジョンへと潜っていく…のが典型的な遊び方だ。
その典型的な遊び方に工夫を凝らすために、戦闘やら生産やら何やらが工夫されているものだ。
『イカロスオンライン』の工夫はフェローシステムのみである。
確かにフィールド上に歩き回っているMOBを捕まえてペットにできたらなんと素晴らしいことだろうと誰もが思い浮かべるだろう。
しかし『イカロスオンライン』が特徴的なのはそれだけなのだ。
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フェローに乗って空を飛べ!
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操作感・インターフェイス・音などについて
長時間遊ぶMMORPGで大事なのはグラフィックなどの世界観、操作のやりやすさ、などの基本的な部分である。
『イカロスオンライン』はCryEngine3を使っているので自然描写は質が高く、広いフィールドもシームレスで描画できる強みがある。
一方で私の好みだが人物のモデリングがイマイチである。
特に男キャラはナヨナヨしたキャラばっかりになってしまい、キャラクタークリエイトの幅が狭くなっている。
音ももうひとつである。
クエストを完了したときやレベルが上がったときの音が環境音を紛れがちであり、クエストが終わったかどうか分かりにくい。
インターフェイスは呼び出すだけで画面が一瞬固まるし、クエストを完了したときに人物へ話しかけても余計なクリックがいる。
ストーリーには何の魅力もない。
MOBの配置の仕方もイマイチであり、クエスト対象のMOBが2〜3匹しかいないこともザラである。
チュートリアルはヘタクソで初心者には不親切だ。
映像の体面は良いものの、
よく見てみるとアラが多い作りになっている。
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戦闘だ
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ID巡り&フェロー集めゲーム
『イカロスオンライン』はどのように楽しむのだろうか。
遊び方は二つである。
ひとつ目はインスタンスダンジョンを何度も巡る遊び方である。
クエストを消化していくだけでレベルがいくらでも上がるようになっており、レベルが上限まで上がってしまえば、あとはインスタンスダンジョンに籠もるだけになる。
いまのところ少しずつレベルキャップが解放されているため、各レベルに応じたインスタンスダンジョンで遊ぶことになる。
もうひとつはフェロー集めである。
すなわちフィールドの点在するMOBを捕獲してコレクションしたり、ペットにしたり、武器防具を強化するため使う。
言ってみれば『ポケットモンスター』のごとき遊び方だと言えるだろう。
どちらにしろ、『イカロスオンライン』でやることは二つしかない。
この二つのうちどちらにも飽きてしまえばもうゲームクリアだろうし、飽きていないうちはゲームにのめり込めるだろう。
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インスタンスダンジョン内でのボス戦
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時代遅れ?それともまっとうなMMORPG?
『イカロスオンライン』をどう捉えたらよいのだろうか?
これには二つの方向性があると思われる。
一つは
時代遅れのゲームである。
構想に10年もかけただけあって、システム自体がかなり古くさいものとなっている。
インターフェイスが使いにくく、またMOBの配置が悪すぎる。
グラフィックこそ美しいものの、時代に取り残されたゲームとさえ言えるのだ。
もう一つは
まっとうなMMORPGという評価である。
MMORPGはかつてと比べると新作が極端に少なくなっている。
その理由はゲーム業界自体がスマホに移行したからとも、韓国のゲーム業界で補助金が出なくなったからだとも言われている。
であるならばこそ、『イカロスオンライン』のようなド直球のゲームもまた需要があるのだろう。
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インスタンスダンジョン中心のゲームだ
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