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Farcry (ファークライ)


ジャンル:FPS
機種:PC
発売年:2004年
開発会社:Crytek



レビュー脱稿日2008年11月 最終更新日2011年3月

紹介

『Farcry (ファークライ)』は2004年に発売されたFPSである。 開発はCrytekで販売元はUBIsoft。
日本語版が廉価で発売されているので、これを手に入れればいいと思う。
安く上げたいのならば、英語版が広告付きではあるものの無料でプレイ可能らしいので興味のある人は調べて欲しい。
元々はNVIDIAへの技術デモの様相が強かったゲームだが、ふたを開けてみると中身自体の出来もすばらしかったという経歴を持つ。

評価されている点は二つ。
広大なフィールドをストレス無く描画、ローディングすることによって可能になった広い空間での自由度のある戦闘。
その戦闘を面白くする優れた敵AI。

敵のヘリコプターとの戦闘画像だ
敵のヘリ

自分のような素人でも気づく技術として触れておきたいことが、広大なフィールドをかなり軽く描画していることとローディングの少なさの二点である。
マップの最初に少し長めのローディングがあること以外では、ゲーム中にロードすることが一切無い。
かと言って個々のグラフィックがダメというわけではなく、2004年のPCゲームではかなり上質のものを見せてくれる。
Farcryの舞台は南国のジャングル地帯であるので、木々一つ一つが丁寧に描写されている。
自分が行けないような遠方の島でもきちんと作られているのだから製作者の根性にはびっくりする。
さらに、人物が多く配置されるような場所でも大きく負荷がかかるというわけではないのがすごい。
広大な場所へ出ても特別重くなるということは無く、これはCrytekの技術力の結晶なのではないだろうか。
南国を舞台にした広大なフィールドの画像
超広大なオープンフィールド
屋外での敵AIは極めて優秀で、いやらしい動きをしてくる。
敵はプレイヤーを発見するまでは自分の持ち場を動くだけだが、プレイヤーを発見するとこちらへ対処をしてくる。
このとき、屋外にある物陰(例えば木や岩)をきちんと認識して身を隠しながら、じっくりとこちらを攻撃してくる。
またこちらが葉っぱの後ろや物陰に隠れれば、こちらへの認識を失った上で、隠れていると思われる場所へじりじりと攻めてくることもある。
しかも一方通行で攻撃するだけではなく、中にはこちらの裏を取るように動く敵もいる。
こちらがいったん姿を見せて隠れて敵はこちらを見た地点へ威嚇射撃をしたり近寄ってくるので、それを逆手にとって違う場所で迎撃することも出来たりする。
以上のような賢さがスリリングな戦闘を実現している。
リーンしながら射撃をしよう
気づかれる前に排除は基本
敵の攻撃力が高くこちらの攻撃は動きながらだとなかなか当たらない上に、ヘッドショットを決めなければ容易に倒すことは出来ないので、ランボープレイはできないバランスになっている。
とりあえずゲーム開始してしばらくすれば敵の位置をマーキングすることの出来る超高性能双眼鏡が手に入るので、これを駆使することになる。
具体的には前方にいる敵の配置を双眼鏡を使って覚えた後に、こちらが敵を排除するために最適な方法をとるという具合。
高台から狙撃してもいいし、敵をやりすごしてもいい、他には乗り物を奪って敵から逃げてもいい。
この自由さがFarcryのウリであって、最も面白いところである。
ップが広大で目標地点へ行くルートが最低で二つ以上設けられていることが多いので、自由度という点ではずば抜けている。
ハンググライダーを使って飛行する画像
ハンググライダーで逃げ回ってもいい
屋外では賢いAIではあるが、屋内では不自然な動きをしてしまう。
銃声などの物音を立てると敵が警戒状態になってプレイヤーへまっすぐ向かってくることがたびたび見られる。
これは他のゲームと大して変わらない点で、室内戦闘については大して評価されていない。

また物語も中盤になってくるとトライジェンというミュータント系の敵がときどき出てくる。
ミュータントという設定上仕方が無いことだとは言えるが、AIがお粗末な代わりに攻撃力や耐久力がとても高く設定してある。
こいつらは攻撃力が高すぎるので必然的に難易度が高くなる。
おまけに『Farcry』はクイックセーブ方式を採用していないチェックポイント制なので、さらに難易度を押し上げている。
終盤になると敵配置が明らかに殺しにかかってくるし敵自体も強くなる。
難しいゲームが苦手な人には正直厳しいかもしれない。
バケモノであるトライジェンとの戦闘画像
これがトライジェンだ

レビュー

屋外を舞台にするFPSとしては最上級クラスの出来だが、難易度を高くしなければ面白くないのが難点

難易度の高さ

どこのレビューでも指摘されているとおり、『Farcry』最大の欠点は難易度の高さにある。
おそらく最も簡単なEasyにして、さらに難易度自動調整機能をONにしても初心者はクリア不可能だろう。(これをONにすると、プレイヤーが死んだ回数などに応じて難易度が自動的に下がる)
どのような点が難易度を上げているのかと言うと、それにはいくつか考えられる。
まず、全体的に敵との距離が遠くて敵のモデリングが小さいので敵にダメージを与えるのが難しいこと。
『Farcry』では敵の耐久力が人間相手であっても高めで、ヘッドショットしないとなかなか死んでくれない。
つまり効率よく敵を倒すには、結構難しいヘッドショットを狙わなければならない。
スコープを使い、ヘッドショットを狙う画像
ヘッドショット!
次は敵の攻撃力が高い割にはこちらの回復アイテムがかなり限られていること。
したがっていかにしてダメージを食らわないで倒すかを考えなければならない。
そのためには予め双眼鏡で敵の配置を探ったり、敵に見つからないように行動すること(ステルス)を心がけなければならない。
要するに目の前に敵が現れるたびに対応策を練らないと、なかなか突破することが出来ないように作られている。
ステルス要素を含めて、このようにいちいち考えなければならない上に要求される操作も難しいので必然的に難易度は高くなる。

もうひとつはチェックポイント制であること。
せっかく試行錯誤しても、次のチェックポイント前に死んでしまえばまた前にチェックポイントからやり直しになってしまう。
特に後半では敵の命中率、耐久力、索敵能力が上がっているのでかなり厳しい戦いになる。
中盤からあらわれるミュータント系の敵はやたらくそ耐久力が高かったり、攻撃力や移動速度が異常だったりと正にゲームのストーリーで言われているような殺人マシーンである。
また高所やこちらから見えにくい場所に敵が配置されていることも多く、初回プレイではとにかく死にまくる。
ゲーム後半に出てくる大型トライジェンとの戦闘画像
後半は厳しい

高い難易度を我慢できるか

これが昔のアーケード型アクションゲームならそれは難しいゲームとして認識されるのだろうけれども、『Farcry』は機種も時代も違う。
かと言って難易度を下げると、『Farcry』の面白さである屋外戦闘の緊張感が失われてしまう。
『Farcry』では難易度に応じて敵AIの行動が変化するので、低い難易度では頭の悪い敵を相手にすることになってしまうのだ。
なるべく攻撃されないように考え、攻撃し、結構頭の良い敵を欺くことが最も面白いのだが、これは難易度が高くないと味わえない。
どうしてこんな調整にしたのかかなり不思議である。

もし自分が難易度が高くてもかまわないというのであれば、『Farcry』は間違いなく名作になってくれると思う。
紹介で触れたとおりの敵AIを相手にした戦闘は、ゲームプレイのほとんどを占める屋外戦闘をまったく飽きさせない。
それは敵がダイナミックに攻めてくる上にルートがいくつか設定されているので、戦闘が単調になりにくいからである。
特に敵がこちらに向かって攻めてくることで戦闘の緊張感を押し上げている。
基本的に一対多数なので、敵が大人数で前線を押し上げてくるとプレイヤー側としてはかなり危険な状況になる。
裏に回ってくることも多く、いつのまにか後ろにいた敵に殺されることもしばしばある。
双眼鏡を使って敵地を偵察している画像
高性能な双眼鏡

つまらない室内戦とミュータント戦

室内戦闘は、やはり敵AIが屋外向けに調整されていることからくる頭の弱さに苦笑いを浮かべると思う。
いつまでたってもジャングルを舞台にした戦闘だけなら飽きてしまうので、アクセントとしては必要だったのかもしれないが、それでも室内だけは並のゲームになってしまっている
隠れる場所が少ないので敵をハメ殺す必要が出てきたりするのは、自分は苦にならなかったものの、人によっては嫌に感じるかもしれない。
同じことはミュータントとの戦闘にも言える。
ステルス要素よりも敵をどうやってハメ殺すかが室内戦やミュータント戦では重要になってくる。
言い換えると、何度もやり直して敵のアラを探すのが苦にならなければなんとも無いともいえるが、まあ大抵の人にはただのつまらない戦闘にしかならないと思う。
狭い橋の上へ接近攻撃しかできないトライジェンを誘導している画像
こんな風にせまい場所へ誘導したり
『Farcry』の面白さはやってみないと本当にわからないと思う。
プレイし始めて最初のころはコツのようなものがわかりにくいので、高評価されている理由がわかりにくいのが弱点といえば弱点だろう。
最初のマップのみ収録されている体験版をやってみても『Farcry』がどういうゲームなのかわかり難い。

また自由度の高さもこの手の屋外型ゲームでは評価するべきだろう。
どこからどのように攻めるのもプレイヤーの自由であるから余計に難しくなってしまうのかもしれないが、自由度の高さはそれだけで魅力的だ。

特に箱庭マップとも言われる広大なフィールドを舞台にしたFPSは、@Farcry』以外にはそうそうない。
アクションゲームとしてはとてもよく出来ているが、反面、アクションゲームらしさともいえる難しさが目立つ。
難しさを克服できるのならば存分に南国のジャングルで暴れまわることが出来るだろう。
ゲーム最初の難易度選択画面
できるだけ高めの難易度を選択すると面白いかも

まとめ

南国の島でのサバイバル感を楽しむのなら、難易度を少し高くしてから始めれば究極のサバイバル戦を満喫できる。
単に敵の攻撃が強いからではなく、優れた敵AIとの駆け引き、一撃の快感は、正味20時間を越えるゲームプレイをまったく飽きさせることが無い。
ただし難易度はおのずと高くなる。
プレイヤーに要求される操作や判断が割と高度なものなので、FPSが苦手な人や初心者は覚悟して買うこと。
覚悟が出来ている人にとっては、あとは強力な敵を排除して全力で進むだけである。
まあ中身は演出などが極力省かれたアクションゲームだと思って欲しい。

80点

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