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『ブレイドアンドソウル』


ジャンル:MMORPG
機種:PC
発売年:2014年
開発会社:NCSOFT

公式サイト
レビュー最終更新日 2015年6月

紹介

『ブレイドアンドソウル』はNCSOFTが開発しエヌ・シー・ジャパンが運営をするMMORPGである。
韓国では2012年、日本では2014年にサービスが開始された。
現在は基本プレイ無料・有料アイテム課金で誰でも遊ぶことができる。
同名のアニメも2014年に放送された。

『ブレイドアンドソウル』の特徴は3点指摘できる。
ひとつはMOライクなMMORPGであることである。
実は『ブレイドアンドソウル』は当初MORPGとして開発されていたとインタビューで述べられている。
その名残と言うこともあってか、一人で遊べるコンテンツが中心のMMORPGとなっている。
MMORPGといえば多数のプレイヤーがフィールドに存在するMOBを狩りあったりするわけだが、あまりそういうことにならないのだ。
走る

二つ目の特徴は見て分かるとおりの武侠世界である。
武侠世界とは端的に言えば中世の中国を舞台にしたようなものであり、日本でいうならば時代劇や時代小説ということになろう。
アンリアルエンジン3を利用した美麗な映像で武侠の世界が描かれている。
また、ストーリーがこの手のMMORPGにしては手が込んでいる。
ストーリー面でも一人プレーを楽しめるようになっているのだ。
敵と戦闘だ

三つ目の特徴は驚くほど簡潔なノンターゲッティング式の操作体系である。
MMORPGといえばスキル大量にあり、そのスキルをキーボードの至る所に割り振って遊ぶイメージが強い。
しかし『ブレイドアンドソウル』は操作で使われるスキルが体系化されており、使うボタンが少なくて済むのだ。

そしてノンターゲッティング式なのも特徴である。
昔のMMORPGは敵を見つけたらクリックで選択をして、スキルもクリックで発動するものが多かった。
昨今のMMORPGでは新奇性と直感性を大事にするためにノンターゲッティング方式を採用することが多い。
『ブレイドアンドソウル』は違和感なくノンターゲッティング式で遊べるようにかなり丁寧に調整されている。
気楽に遊びやすいゲームになっているのだ。
巨大ボスとの戦い!


レビュー

戦闘が非常に細かいところまで調整がされているMMORPG

導入

MMORPGにおいてチュートリアルは大切である。
どのMMORPGも同じように遊べてしまうから忘れがちだが、初心者でも遊べるようにしなければならないからだ。
また、冒険する世界をよりょく知るためにも導入部分は大切だ。
『ブレイドアンドソウル』はストーリー的にもシステム的にも非常に親切にチュートリアルが用意されている。
これによって誰もが安心してゲームの中に入ることができる。
ただ、こうしたチュートリアルが不自然に感じてしまう人もいるかもしれない。

他に細かい点になってしまうが、キャラクリエイトの豊富さ、インターフェイスの良さ、効果音の良さといった点も評価できる。
何十時間も遊ぶゲームなのだから自分の思ったとおりのキャラで遊びたいし、インターフェイスは簡潔であるべきだし、効果音もまた適切であるべきだ。
『ブレイドアンドソウル』はそういった基本的な部分が良くできている
パーティプレイ

戦闘

では『ブレイドアンドソウル』の戦闘について見ていこう。

既に述べたとおり、『ブレイドアンドソウル』は「使われるボタンを極力少なく」してるのが特徴だ。
それでいて「スピード感のある戦闘」を実現しているのだから驚きだ。
例えば「スペースキー」と「Bキー」にスキルを割り振ったとき、「スペースキー」を押してスキルを発動したあと、コンボとなるスキルが画面上に表示される。
このスキルを発動するためには「スペースキー」を押せばよい。
大抵のゲームならコンボスキルは「スペースキー」とは別の「Bキー」に割り振られている。
つまり、他のゲームは色々なキーを組み合わせてコンボとするのに対し、『ブレイドアンドソウル』では同じボタンをタイミングよく連打することでコンボが生まれるのだ。
しかもこのコンボはスピード感のある動きに支えられている。
スピード感のある戦闘を、少ないボタンで楽しめるようになっていると言えるだろう。
様々なクエストがある

TPSとは異なる簡潔さ

ノンターゲッティング方式のゲームなのでTPSとうり二つだが、違いもある。
大きく言うと「厳密に狙う必要がない」点を指摘できる。
『ブレイドアンドソウル』では的にむかって厳密に狙いを定める必要がない。
というのも強烈な補正がかかっているのである。
しかもこの補正が絶妙極まりなく設定されている。
一方のTPSでは一点にむかってマウスを厳密に操作しなければならない。

補正がかかっていると的に当たるか外すかが結構分かりにくくストレスがたまりがちだ。
ところが『ブレイドアンドソウル』ではあまりにも絶妙なため、ストレスがなく的を狙うことができる。
この操作感は触ってみないと分かりにくいと思うが、ノンターゲッティング式ゲームのお手本ともいえるほどのできばえだ。
詠唱中・・・

コンテンツの単調さ

ところが『ブレイドアンドソウル』は戦闘が面白いのに対し、コンテンツが単調である。
やることが最初から最後まで同じだ。
すなわち、クエストを受け、敵を倒し、クエストを完了し、次の街へ行き、そこでもクエストを受け…といつまで経っても同じことの繰り返しだ。
比較的プロットが練り込まれているとはいえ、これでは飽きる。
また、インスタンスダンジョンの数が少なく、やり込みたくてもやり込みにくい。

加えて戦闘がやや単純化されているため、操作に飽きてしまいやすい点も気がかりだ。
私は前述の通り褒め称えたが、操作が簡単ということは逆に言えば操作に飽きやすいことも意味している
スピーディで誰もが楽しめる飽きやすい操作を目指すか、複雑で誰もが楽しめないが空きにくい操作を作るか…。二律背反である。
幻想的な世界

一人用MMORPGなのか?

ブレイドアンドソウルは一人で遊ぶMMORPGなのかもしれない
MMORPGなのにフィールド上には2人以上で倒さなければならないMOBが非常に少ない。
ごく普通にクエストをこなして狩りをするだけでは他のプレイヤーとまったく接点がない。
インスタンスダンジョンで人が集まるといっても、集まってクリアすればオシマイだ。
なのでいつまで経っても一人で遊んでいることになる。
MMORPGというよりも、普段は一人用のRPGでソロプレイし、ときにはインスタンスダンジョンのために人をあつめる。まるでMORPGのようだ。
別にそれが悪いわけではないが、MMORPGを期待していた人たちには不満だろう。
とはいえ、簡にして要を得ている戦闘の操作体系は揺るぎない。
インスタンスダンジョンのボスだ



まとめ

まるでMORPGのようなMMORPG。
一人で遊ぶには問題ないが、多くの人と賑やかに遊ぶには適さない。
操作体系がしっかりしており、それだけで『ブレイドアンドソウル』の存在意義がある。

71点

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