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AREA 51(エリア 51)


ジャンル:FPS
機種:PC
発売年:2005年
開発会社:Midway

公式ウェブサイト

レビュー脱稿日2008年11月 最終更新日2011年3月

紹介

『AREA 51(エリア 51)』2005年に発売されたFPSである。
販売はMidwayで開発は同じMidwayのAustin Studiosという部署。
PS2とXBOXでもマルチ展開されているタイトルなので、グラフィックレベルやゲーム内容はコンシューマ準拠となっている。
2008年10月からはPC版が無料で公開されている。(もちろん英語版なので注意)
配布しているウェブサイトからダウンロードをしてインストールするだけなので面倒な操作はまったく必要としない。
日本ではPS2版がサクセスによって発売されている。

エリア51というのはアメリカのネバダ州にあるアメリカ軍の基地がある場所のことである。
ここは厳重な警備がされていて、そのため秘密の実験、とりわけ生物化学兵器や地球外生命体に関するものの実験が行われているのではないかという憶測や風説が絶えない。
で、このゲームではエリア51で宇宙人による実験が行われていたという設定のもとストーリーが展開する。
宇宙人が人間を解体する映像
ほらほら宇宙人ですよ、と
元々がコンシューマーでのみ発売予定だったので、操作感覚やインターフェイスはまったくもってゲーム機のそのものである。
もうちょっと突っ込めば『HALO』をかなり意識して作られているように感じる。
全体的にフワフワしている操作体系やストーリーに力が入れられているところ、非常にシンプルなゲームシステム、SFの世界とくれば、どうしても『HALO』と比べてしまう。

まあそれでもAREA51ではただのクローンにならないように方向性を見定めて作りきっている。
基本的に敵の耐久力は人間型であってもエイリアン型であって低めに設定されており、数の多さでこちらを圧倒するようになっている。
その分敵の動きはかなり遅く設定されており、これはコンシューマ向けの調整と思わせる。
バケモノ相手に銃を使っている画像
激しい銃撃戦
ゲーム機をメンターゲットにし、幅広いユーザーを対象にしているので、『AREA51』は爽快感を重視したつくりになっている。
敵を倒しやすいということもあるが、銃声を含めた射撃感覚は良好で両手に銃を持って射撃することもできる。
特に音は方向が非常にわかりやすく、なおかつ多くの銃声音がはっきりと聞き分け出来るような高いレベルにある。
もう一つの戦闘における特徴は、ゲーム中盤から主人公がミュータントへと変身できることだろうか。
変身すればかなり高い攻撃力で敵をなぎ倒すことができる。
単調になりがちなゲームプレイにアクセントをつけるだけでなく、爽快感を演出することに一役かっている。

インターフェイスはPCゲーム向きに作りかえられておらず、デフォルトのキーバインドは一般的なFPSのスタイルと違っている。
したがってプレイするに当たっては自分の好きなように組み替えないと少々面食らうかもしれない。
解像度の設定は選べるものの、他のグラフィック調整項目や音声の切り替えはまったくない。
どうもこれらはビデオカードなどのPCスペックに応じて自動的に決定されるようである。
ゲーム後半から使用可能になる変身能力の画像
ミュータントへ変身

レビュー

雰囲気は良いが中身は平凡すぎる

ありきたりな宇宙人をネタにするユーモア

『AREA51』は、よくある宇宙人ネタとかありがちな近未来設定が好き人ならニヤニヤと遊べる雰囲気がある。
話の内容はいたってシリアスではあるものの、極端にデフォルメされた宇宙人(グレイ)の格好やUFOの外見なんかは見てて面白い。
グラフィックのクオリティは2005年のゲームとしては満足いくものではないが、同じような場所にならないように風景が作られていて飽きがこない。
またあちらこちらに宇宙人に関するオカルトネタが散りばめられていたりして面白い。

戦闘は爽快感を重視してあるので戦っててイライラするようなことはないと思われる。
うじゃうじゃ敵が出てくるような場所では固定砲台を利用したり仲間がいたりするのでそれほどきつく感じることはないだろう。
しかし一部の場所では結構難しくなり、そこでは半ばハメ技のようなものを使うと異常に簡単になるというつくりになっている。
これ以上話すことがないというか、本当にストレートなFPSなので何を語れば良いのかわからないところもあったりする。
やたらデカイエイリアンとの戦闘画像
ボスもおりますぜ

単純なゲームプレイ

ストレートなゲームというのは、レベルデザインやその他ゲームとして基本的なことを重視しなければただの駄作に成り下がる可能性がある。
システムに凝ったゲームならシステムでごまかしが効いてしまう面があるのだが、ストレートだとゲームそのものを直感的に感じ取ってしまう。
したがってシンプルだが面白いものを作るのは大変だし、その数もかなり少ない。
『AREA51』は一風変わった題材を取り上げてストーリーはドラマや映画のように作られてはいる。
しかしゲームの中身はいたってよくあるFPSなのでバランスそのものが評価をする上で非常に重要である。
結論から言うと、爽快感だけはあるもののゲームとして面白くない。

まず、敵の種類が少ないので敵に遭遇しても最初から最後まで戦う敵が変わらない。
中盤以降で主人公はミュータントに変身できるので戦闘スタイルに変化が生まれるように思えるかもしれない。
だが実際は変身時間は限られており、体力回復の手段としてときたま使う程度のものである。
というかミュータントになっても二種類しか攻撃方法がなく、人間状態でクリアできない場面はないので変身する意味合いは少ない。
ロケーションは変化しても奇抜な敵出現パターンや組み合わせがなく、誰もが考え付きそうな敵配置や持久戦を強いられたりする。
タレットを使い無双する映像
タレットを使って敵をボコボコにするんだけど、これがまた長い

基本的な問題点

またFPSとして決定的な欠点が視点とマウス操作の問題である。
視点が一般的な一人称視点のゲームよりもズームされているので近距離の感覚が非常につかみにくい。
画面をワイド設定にすると、上下がカットされた偽ワイドになるのも欠点である。
これらの問題は敵が近寄ってくると銃撃しにくいというのもあるが、それよりもハシゴや階段の移動がやりにくいのがつらい。
要するに移動がやりにくい。
もう一つの欠点は、マウスに操作に妙な補正がついていることだ。
動かした瞬間にぴったり動くのではなくて、後からゆっくりとしかも加速度がついて動く。
この二つの欠点はどれもが操作の基本的なものなので、そこに欠点を抱えているのはFPSとして致命的である。

『AREA51』は面白みがないゲームと表現すれば良いだろうか。
淡々と敵が出てきてイベントが進行するだけのごくごく凡なゲームである。
それでも世の中にはバランスが崩壊してゲームとして成り立たないようなものもかなりあるので、すべてのゲームを並べてみると平均的なレベルに落ち着くと思う。
アダムスキー型UFOの画像
コレガ ウチュウセン ダ !

まとめ

雰囲気は良く、内容は平凡、そしてシステム周りはダメ。
しかし細かく見なければ特に目立って良い点というのもなく悪い点も少ない。
製作者の工夫というのはそこかしこに感じられるがグッとくるものがないというかなんというか。
今では無料で手にはいるので、このようなクオリティであっても納得できるかもしれない。

50点

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