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シャドウカンパニー
ベータテスト


ジャンル:TPS
機種:PC
開始年:2012年
開発会社:Doobic Game Studios

公式ウェブサイト

2012年9月

デモの紹介・感想

紹介

『シャドウカンパニー』は韓国のDoobic Game Studiosが開発を行い、ネクソンが運営を行っているオンラインFPSゲームである。
あまり日本では馴染みがないが、Doobic Game Studiosは長年FPSを中心に作ってきた会社だという。
アメリカとヨーロッパで多くのユーザーを獲得している『Combat Arms(コンバットアームズ)』が有名なタイトルと言える。

ネクソンとしては、競技性が高く低スペックでも動作する『サドンアタック』や、幅広いモードが楽しめる『カウンターストライクオンライン』とは異なる層をメインターゲットにしていると思われる。
『シャドウカンパニー』で以上二つのゲームと異なる点が三つある。
「動作にハイスペックPCが必要な点」「スキルカスタマイズ要素がある」「既存のゲームではあまりみられないゲームモードの搭載」の三点である。
ここから導き出される推測として、『シャドウカンパニー』は他のゲームに飽きつつある程度スペックをもつユーザーをメイン層と位置づけているのだと思われる。

ちなみにタイトル名「シャドウカンパニー」は戦争の裏で暗躍する企業のことを示している(私は最初、「闇の仲間」かと思っていた)。
ゲームの特徴
まずゲームエンジンに有名なUnreal Engine 3を使っている。
遊ぶためには割とスペックの高いPCが絶対に必要だ。
グラフィックスの良さは『シャドウカンパニー』の宣伝文句のひとつである。

スキルのカスタマイズ要素も『シャドウカンパニー』の特徴だ。
というかコールオブデューティーシリーズのスキルシステムとほぼ同じだと思ってもらっていい。
例えば攻撃力を上げるスキル、射撃の反動を押さえるスキルといったものが用意されている。
用意されたスキルを一つだけ選び装着することによって、自分のプレイスタイルにあったカスタマイズができる。
他には航空支援を行えるスキルやターレットを設置するスキルまである。

「バトルスクワッドモード」「ブラックマネーモード」と呼ばれているゲームモードもウリの一つである。
「バトルスクワッドモード」は簡単に言うと、4つのチームが一つのマップで戦いあう四つどもえのモードだ(設定を変えれば3チームでも戦える)。
おおくのFPSでは2チームに分かれて戦いあうか、自分以外がすべて敵のモードしか用意されていない。
『シャドウカンパニー』では珍しいことに四つか三つのチームで戦うことができる。
「ブラックマネーモード」は「バトルスクワッドモード」の発展系だ。
マップに投下されたマネーを一定時間死守すれば勝利だが、相手の3チームと戦わなければならない。

『シャドウカンパニー』その1 『シャドウカンパニー』その2

感想

安物FPS
いまでは韓国製のゲームも見た目や操作感が良くなり、一線級のゲームにさほど見劣りしないものも現れるようになった。
しかしトップクラスのゲームだけがそのような質に届いていると言って良いだろう。
有名なゲームエンジンを使っているからと言って、美麗なグラフィックスで面白いゲームになるわけではない。
『シャドウカンパニー』はUnreal Engine 3を使っているが、中身はフルプライスのゲームに及ばない代物である。
とにかく安っぽいところが多くて、同じUnreal Engine 3を使った『AVA』や『スペシャルフォース2』と比べても残念極まりない。

美麗とされるグラフィックについて見ていこう。
まずモデリングがかっこ悪い。
頭がやけに大きくてキャラクターが7頭身であるため、かっこ悪く見えてしまう。
モーションもカクカクでみっともない。
テクスチャは一様でのっぺりとしている。言い換えると、どこへ行っても同じような模様が続き、汚れや傷といったものが描かれていない。
特に砂漠のマップでは凹凸のないテクスチャで覆い尽くされている。
もう少しどうにかならなかったのだろうか。

次は音と弾道について指摘したい。
画面に表示されている絵だけでなく足音や銃声といった音を頼りに状況を判断するからこそFPSは面白くなる。
ところが『シャドウカンパニー』は敵の銃弾や足音の方向が全く分からないので、音を探る意味がない。
おまけに弾道が表示されないせいで、どこの敵から撃たれているのか皆目見当がつかない場面が多い。
以上、ゲームの基本部分からして今ひとつな出来具合だ。

『シャドウカンパニー』その3 『シャドウカンパニー』その4
どういうゲームバランスなのか
撃たれる前に撃ってしまえ、というゲームバランスである。
というのも、前述の通り敵から撃たれてもどこから撃たれているのか分からないことに加え、体力がむちゃくちゃ低い。
敵から攻撃を食らってしまうと瞬殺されてしまうのだ。
もちろんこちらから攻撃するときも、敵の虚をつけばあっという間に何人も連続で倒せる。
仮に裏取りができた場合は一気に何人もの敵を倒せて爽快だ。

スキルシステムはサービス開始からさほど時間が経っておらず研究されていないので、正直なところどうなるから未知数である。
ただし、装着して世界が変わるようなスキルは見あたらない。
言い換えるとPVなどで華々しく使われているスライディングは思ったよりも使い勝手が悪い。
それだけバランスに気を遣っていると評価はできるのだが。

しかし『シャドウカンパニー』はマップの作りが悪すぎる
膠着したにらみ合いになりがちなマップが多いのだ。
ほとんどのマップが攻め込むよりも待ち伏せするほうが楽なため、攻め込むプレイヤーがバカを見てしまう。
オンラインFPSにありがちなダメ構成そのままである。

『シャドウカンパニー』その5 『シャドウカンパニー』その6
バトルスクワッドモード、ブラックマネーモードはどうか
ふたつとも仲間との連携が不可欠で熟練がいるせいかあまり遊ばれていない不人気モードだ。
だが私としては『シャドウカンパニー』で割と面白いモードだと思っている。

バトルスクワッドモードはチームデスマッチにありがちな、どこかのチームが一方的に攻撃される展開になりにくい。
もし交戦中の敵同士をみつけたら二人とも倒して「漁夫の利」を得られる。
自分以外の三チームはすべて敵に変わりないから、どこかのチームが一方的に攻撃されることはないのだ。
そして周りが敵だらけなので、味方と連携しながら敵を排除していく面白さがたまらない。

若干冗長ではあるが、ブラックマネーモードも同様に敵だらけの状況で奮闘できて面白い。
もちろんルールや立ち回りを意識してくれる仲間がいれば、の話であるが。
動画を見る限り『コンバットアームズ』の方が面白そう・・・
とまあ色々みてきた。
私は『シャドウカンパニー』を『ブラックショット』の後継と位置づけたい。
まったくもって安っぽい雰囲気と先行き不安な印象が両者に共通している。
『ブラックショット』はベータテストが終わると早々に人が去っていき、わずかな固定客だけが遊ぶゲームとなった。
そして一年くらい正式サービスを行って終了したのだった。
このまま『シャドウカンパニー』が正式サービスに移行しても、たいして人は居着かないだろう。

それよりも先行きの暗さを暗示させるのは、感想のはじめの方に書いた『AVA』と『スペシャルフォース2』の存在である。
『シャドウカンパニー』『AVA』と『スペシャルフォース2』の三つともUnreal Engine 3の美麗グラフィックを宣伝し、中身もコールオブデューティーシリーズを大いに参考にして作られている。
となればどうしても比較されてしまうのだ。
ハイスペックPCを持っているオンラインFPSユーザーが三つのゲームを比較したとき、果たして『シャドウカンパニー』を選んで遊ぶだろうか?
競技性を重視して根強い人気がある『AVA』、まるでコールオブデューティーシリーズのような軽快な操作性と迫力のグラフィックや音の『スペシャルフォース2』がライバルなのである。
ましてや『シャドウカンパニー』が動くPCを持っているのなら本家本元のコールオブデューティーシリーズも遊ぶ選択肢に入ってくる。
このようなライバルだらけで『シャドウカンパニー』を遊ぶ人がいるのだろうか?
いるとは思えない


動画を見る限り前作の『コンバットアームズ』の方がマップも広くて軽快に動いていてまともに遊べそうなのに、どうしてこうなってしまったのだろう。
『シャドウカンパニー』その7 『シャドウカンパニー』その8

まとめ

○良いところ
  • 四チームに分かれて戦うモードの存在
  • スキルシステムの存在
×悪いところ
  • 弾道が非表示かつ音の方向もないので、敵から撃たれたてもどこから撃たれたか分からない
  • かっこ悪い人物モデリング
  • Unreal Engine 3を使ってはいるが、同じエンジンを使っているゲームと見劣りするグラフィック
  • あまり考え抜いて作られていない、あきりたりのマップ
△意見が分かれそうなところ
  • 先に撃たれたら負け、のバランス

総評
なんで投入したのかがわかりにくいゲームである。
確かにコールオブデューティーシリーズのようなスキルシステムや、珍しい四つどもえの展開はユニークだ。
しかしアイデアは良くても、それ以外の根幹部分で損をしている。
同じようなハイスペックPC向けゲームにはライバルが多く、先行きは厳しくなるだろう。

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