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Quake Wars Online(クエイクウォーズオンライン)
ベータテスト


ジャンル:FPS
機種:PC
開始年:2010年
開発会社:Splash Damage,Dragonfly

公式ウェブサイト

2011年3月

ベータテストの紹介・感想

紹介

『Quake Wars Online(クエイクウォーズオンライン)』は2011年正式サービス予定のオンラインFPSである。
「エネミーテリトリー」が様々なバージョン違いを経て、ようやく『クエイクウォーズオンライン』としてオンラインFPSに登場した。
他のオンラインゲームサイトでは混乱しそうな説明もあるので、まずはフランチャイズについて大まかに説明をする。
『クエイクウォーズオンライン』はQuakeシリーズ最新作ではない
2001年に『Return to Castle Wolfenstein(リターン トゥ キャッスル ウルフェンシュタイン)』というFPSが発売された。
このFPSのマルチプレイ部分は今から話す「エネミーテリトリー」の大元となっている。
2003年、上述した『Return to Castle Wolfenstein』の拡張版が発売予定だったが、製品化困難ということで発売中止なった。
しかし既に完成していたマルチプレイ部分を無料で公開されることになった。
この無料公開されたのゲームこそ、有名な『Wolfenstein: Enemy Territory(ウルフェンシュタイン:エネミーテリトリー)』(通称W:ET)である。
『W:ET』は無料で公開され、さらにはソースコードも公開された結果、またたく間に多くの人が集まる人気ゲームになった。
MODも大量に生み出されている。

そして2007年に、ゲームシステムを発展継承した『Enemy Territory: Quake Wars(エネミーテリトリー:クエイクウォーズ)』(ET:QW)が発売された。
『ET:QW』をオンラインゲーム化したのが本稿で紹介する『クエイクウォーズオンライン』である。
『ET:QW』という新作が作られるにあたって、ゲーム世界の設定を、有名な『Quake』シリーズから拝借している。
だから名称が「クエイクウォーズ」となっている。
一方、ゲームのシステムはエネミーテリトリーとそっくりである。
時々売り文句になされる「Quakeシリーズ最新作」というのは厳密には間違っている。
Quakeシリーズのようなスポーツ系FPSならではのシステムが無いからだ。
「エネミーテリトリー最新作」なら正確に表現している。

QWOその1 QWOその2
『クエイクウォーズオンライン』のゲームシステム
エネミーテリトリー系のFPSはルールが極めてややこしいために、FPS初心者にとってはかなり取っつきにくい。
しかも『クエイクウォーズオンライン』は覚えるべきことが過去作よりも増えている。
一々丁寧に説明していては長くなってしまうので、核心だけを書いておく。

「エネミーテリトリー系」のFPSは、2チームが攻守に分かれてオブジェクト(目標)の達成を競い合う。
このとき、オブジェクト(目標)を達成したチームが勝利チームとなる。
オブジェクト(目標)は、マップによって違い、また陣営によっても異なる。
したがってゲームをやる前に、どのマップのどの陣営で何をするべきなのかを頭の中に入れておかなければならない。

他のFPSとエネミーテリトリー系がここで違うのは、「他のゲームだと同時に複数の目標が設置されていることが多い」のに対し、エネミーテリトリー系は「目標が一つとか二つとか、かなり少ないこと」にある。
これによって敵と味方が狭い場所でぶつかり合う激しい試合になりやすい。

次に大事なのは「クラス(兵科)」という概念だ。
オブジェクト(目標)によっては、特定の兵科でしか達成できないものもある。
だからゲームをやる前にクラス(兵科)の特性も把握しておかないと、ゲームで何をやればいいのか分からなくなる。
クラス(兵科)によって得意な場面、苦手な場面はあるが、こればっかりは死んで覚えるしかない。

『クエイクウォーズオンライン』はクラス(兵科)が膨大にあって厄介だ。
敵味方合わせると10ものクラス(兵科)があり、それぞれ使い勝手が微妙に違っているのだ。
しかも「乗り物」が何種類も用意されていて、「乗り物」の扱い方にも習熟しなければならない。
オブジェクト(目標)も、戦況が変われば、それに応じてコロコロ変わっていく。
最初のうちは何が何だか分からないゲームと感じてしまうかもしれない。

QWOその3 QWOその4

感想

『クエイクウォーズオンライン』の魅力と欠点
『クエイクウォーズオンライン』にはこれまでのオンラインゲームにはない魅力と、多くの新規プレイヤーを突き放す欠点があると思う。

魅力は四つある。
一つ目はオンラインFPSにしては超広いマップで戦闘が楽しめること。
二つ目の魅力は、明確に分かれたクラス(兵科)によって分業・協業を分担しあえることから生まれる共闘感である。
三つ目は「乗り物」を利用した戦闘が楽しめる点。
最後に、オブジェクト(目標)数がすくないことからくる、局所での激しい戦闘が楽しめること。
これらの要素をすべて兼ね備えたオンラインFPSは今のところ『クエイクウォーズオンライン』だけだ。

しかし同時に新規プレイヤーを突き放す要素も併せ持つ。
紹介でツラツラ書いたように、ゲームを楽しめるようになるまでのハードルがかなり高いのだ。
今までサービスが開始されてきたオンラインFPSの中でも、プレイ前に覚えるべきことが最も多いのが『クエイクウォーズオンライン』だ。
もしかするとマニア向けのゲームになってしまう恐れがある。
かつての『S.O.W』や、『Another Day』みたいなことになるかもしれない。
とはいえ、『クエイクウォーズオンライン』ならではの魅力も数え切れないほどあるので、たくさんの人で賑わう可能性はある。
実際どうなのか
実際やってみた限りでは、ゲームのシステムを分かっている人と分かっていない人の差が激しいゲームだと感じる。
一部のプレイヤーが果敢にオブジェクト(目標)へ突撃する横で、何をして良いのか分からず右往左往するプレイヤーを見かける。
そして、ルールが分かっているプレイヤーの中には乗り物を悪用して好き放題したりもする。
もちろん誰が何をしようと人の勝手なのだが、『クエイクウォーズオンライン』は、誰かが適切なプレイをしていないと白けた試合になってしまいやすい。
「乗り物」を有効に使わないと戦局が好転しないようになっており、更には味方同士で連携をしないとオブジェクト(目標)の達成が極めて難しいバランスになっているのだ。

『クエイクウォーズオンライン』で楽しく遊べるような試合は以下の条件が不可欠である。
一つ目は、全員がルールを理解して、勝利のために行動をすること。
二つ目は、両チームの力量が似通っていること。
以上の条件が揃ったときに、本当に熱い戦いが楽しめる。
しかし、楽しい試合には滅多に巡り会えないと思った方が良いだろう。

QWOその5 QWOその6
バランスはどうか。初心者は何をすればよいか
覚えるべきことが多すぎるということを裏返すと、セオリーを覚えているプレイヤーに「乗り物」などの強力な兵器を運用させないといけないことになる。
分かっているプレイヤーに導いてもらわないとまともな試合にならない。
今のところ『クエイクウォーズオンライン』はゲームバランスがどうのこうのよりも、「誰に何をさせるのか」で勝敗が決まってしまうと言って良いだろう。
それぐらいに兵器や特殊能力の運用の仕方が重要だ。

では、初心者は何をすればよいのだろうか。
初心者やゲームのルールに慣れていないうちは、敵を倒すことに専念できるクラス(兵科)や、味方を回復させるクラス(兵科)を選んでおけばいい。
この二つの兵科はやることが単純で分かりやすい上に、敵を排除することが目的のクラス(兵科)だ。
また戦闘能力が高めなので、敵にやられっぱなしになることも少ない。
P2Pの使用などの仕様について
通信方式にはP2Pを使っている。
これはホストの回線によって快適に遊べるかどうか左右される、最悪の通信方式だ。
オンラインFPSを自認するならば、サーバークライント方式を採用しなければならない。

動作環境の高さの割にグラフィックスは見窄らしい。
それに狭い場所で大人数で戦いあうときはゲームエンジンの限界なのか、キャラクターがカクカク動いてしまう。
他、音声についても銃声がしょぼい。

テスト中ということもあってかバグが極めて多い。
正式サービスまでに直しておかないと人が離れてしまうと思う。

あと、BOTを入れられたり、チュートリアルが充実している。

QWOその7 QWOその8

まとめ

○良いところ
  • 広いマップで戦闘が楽しめる
  • 兵科が明確に分かれているので、チームプレイが本当に意味をもつ
  • 「乗り物」を使った大規模な戦闘が行える
  • 激しい局所戦を行える
  • 人数が足りなくてもBOTを入れられる
×悪いところ
  • 楽しめるためのハードルが、どのオンラインFPSよりも高い
  • 覚えなければならないルールや仕様が多い
  • 全員が力を合わせないと無様な試合になってしまう
  • 動作が重い割に大したことのないグラフィックス
  • P2Pの仕様
△意見が分かれそうなところ
  • 大規模な戦闘の反面、やや散漫なところがある
  • (たぶん)女性キャラや、特殊なアバターが登場しない

総評
ハードコアゲーマーのためのゲーム。
楽しむための前提条件がかなり多いのが特徴だ。
確かに熱い試合になったときの興奮は、他のオンラインFPSでは味わえない素晴らしいものがある。
しかし同じ路線で失敗したゲーム(『SOW』)があるために、今後人気が出るかどうかが未知数だ。

これは勝手な予想だが、少数のユーザーが熱心に遊ぶゲームになるのではないだろうか。
今で言うと『Operation7』みたいな、「一部には評価は高いけれども人気があまりないゲーム」となりそうな予感がする。

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