Rainbow Six: Vegas (レインボーシックス べガス) レビュー --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介
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レビュー最終更新日 2010年7月
Rainbow Six: Vegas (レインボーシックス べガス)
機種:XBOX360
ジャンル:FPS
発売年:2006年
紹介
Rainbow Six: Vegas (レインボーシックス べガス)はUBI製作によるレインボーシリーズ第五弾である。
過去のシリーズとの関係性がかたられることはほとんどないので、未経験者であっても問題なくゲームに入り込める。
レインボーシックスシリーズは四作目にあたるロックダウンで積み上げてきた評価を落としてしまったため、それを挽回するべく作られている。
ベガスシリーズには後継作として「ベガス2」が存在する。
PS3、XBOX360、PCの三機種にマルチ展開されている。
2006年というPS3やアンリアルエンジン3がこなれていない時期に出たこともあって、PS3版はパフォーマンスの低下が極度に見られるという。
また、レビューを行っている2010年に発売されるゲームと比べると、同じゲーム機で作られたゲームとは思えないほど映像がみすぼらしく感じる。
PS2やGCとは明らかにレベルは違うが、過度な期待はしない方がよいだろう。
ラスベガスでテロを阻止しよう
レインボーシックスシリーズは特殊部隊によるCQB(近距離の戦闘)を特徴としている。
ベガスにおいてはラスベガスの歓楽街を舞台に、テロリストの野望を阻止するべく特殊部隊「レインボー」の隊員が奮闘をする。
現代の特殊部隊がゲームの中心なので最新武器がたくさん登場している。
好きな武器を使ってもらうためか、性能の極端な差別化はあんまりされていないようである。
元々マニアックなPCゲーマーをターゲットにしたシミュレーター要素が強かったシリーズも、ベガスにおいてはゲーム機に適したアクションゲームっぽく作り変えられている。
プレイヤーと行動を共にする仲間NPCは前作と比べると一人削られ、二名になっている。
体力は自動回復制になり、仲間のNPCは倒れてしまっても何度も復活させられるようになった。
協力プレイにも対応している。
仲間の存在は重要だ
ベガスで新たに付け加えられたシステムはいくつかあるが中でも目立つのはカバーアクションである。
簡単に言うと物陰に身を隠しながらブラインドショットや、壁の向こう側を覗けるシステムのことだ。
他にも細かな修正点はあるが、これにより、難易度は比較的降下して遊びやすいゲームになった。
見た目にも派手でキャッチーである。
ストーリーモードは次回作「ベガス2」に繋げるために短い。
別モードとして狭い箱庭空間で敵NPCを殲滅するテロリストハントモードなるものはあるのだが、正直言ってレインボーのコンセプトとは相容れないと思う。
そのあたりがベガスの賛否を分けている。
カバーアクション
レビュー
●リアル寄りのバランスを味方の存在が助けている良作
まず断っておくがベガスは2006年のうちに遊びたかった。
XBOX360世代のゲーム機が発売して間もない頃のゲームなので、グラフィックの良さやゲームシステムの隙のなさは当時としては本当に高かったと言える。
残念ながら私は2010年に遊んでいる。
なのでどうしても他のゲームと比較してしまい、評価がやや厳しくなっている。
ベガスはおそらくレインボーシリーズとして考える場合は駄作の部類に入る。
それはシビアなシミュレーター要素を極力排除してしまったからである。
パッケージの裏にも書いてある、レインボーならではの「偵察、立案、突入」のうち偵察と立案はシミュレーターだからこそ意味をなしていた要素である。
カバーアクションなどを導入しスピーディなアクションに舵をとったベガスは、特に立案の意味をなくしてしまった。
戦闘も大きな箱型空間に大量の敵を出現させ、大銃撃戦になってばっかりだ。
大規模な戦闘になりやすい
作戦を考えて実行する場面は、必然的にせまい室内戦がおおくなる。
それも扉を介しての攻防がレインボーシックスならではの面白さであった。
CPUのチームメイトに扉の前に集まるよう命令し、扉を開けてからの行動を4パターンで指示する。
敵がどこにいるのか人質はいるのかを事前に調べておくことで、戦闘を有利に進めることができた。
ところがベガスはこうした狭い空間での戦闘がほとんどない。
カジノやホテルの比較的広い空間がゲームの舞台なのだ。
さらにベガスの方向性を示しているのが「テロリストハントモード」だ。
マルチプレイで使うような箱庭マップに敵のCPUを配置してプレイヤーが全てを刈り尽くすというモードである。
敵AIの特徴を覚えて対処することが、このゲームモードの中心である。
ここには敵の配置から作戦を考える余地はない。
しかし、ただのアクションシューターとして考えるならばよくできているのも、ベガスについてのもう一つの見方である。
高所にいる敵を排除
一時的に三人称となるカバーアクションやロープアクションをゲームに取り入れたのは英断である。
それまではリーンが同じような機能を担っていたが、いかんせん地味であったと言える。
ベガスは格好いいモーションでカバーをしたり、ロープを使ってキャラクターが動く。
主人公も味方もプレイヤーを魅せるようになアクションをしてくれるのだ。
中でもカバーアクションはゲームのスピードを引き上げ、視点を広げてくれる大事な要素だ。
ベガスは、広い場所に数々の障害物が設置され、敵が至るところからせめてくるという構成のマップが多い。
したがって左右のどこか死角に敵が隠れている場合も多い。
味方の指示を出して適切な配置をして敵を倒していかなければクリアは難しいのだ。
そのためには視野が広い三人称視点を使ったカバーアクションが欠かせないシステムである。
大量の敵がどこから出てくるか分からない状況に対応するのも、CQBが想定する戦闘の一つである。
レインボーらしさはなくなっても戦闘は格段に面白くなっている。
このゲーム、動作がいちいちカッコイイ
カバーアクションは絶対的な強さをもっていないのも興味深い。
こちらが攻撃をしたり周りを見渡そうとして、壁の切れ目などに移動すると容赦なく敵の攻撃が当たるようになっている。
戦闘能力は低めで思い通りに動かすことは難しいといえ、味方CPUは結構まともに動く。
特に自分では排除しにくい、死角や曲がり角の先にいる敵を排除するときに活躍してくれる。
だからカバーだけをして味方へ指示するだけでクリアできることもなく、逆にカバーだけを駆使して自分でランボープレイも難しいのだ。
しかも敵のAIはかなり高度な動きをしてくるために、全く同じパターンではクリアできないようになっている。
このような点が独特のリアルな感じを生み、独自の楽しさを生んでいる。
絶えず持続する一撃必殺の緊張感は自分が攻撃するだけでなく攻撃される点も同じだ。
確かに味方2人は何度でも復活できる仕様と体力が自動回復する機能のため、緊張感が損なわれる面はあるが、これ以上シビアにするとゲーム自体が難しくなり過ぎる危険性がある。
あえて「イージー」にあたる難易度を用意しないでノーマルとハードしか設定していないのも潔い。
なお、ゲーム中に難易度を選択する場面では、イージーが入りそうな場所に不自然な空欄がある。
敵はどこから来るか分からない
特殊部隊のゲームだけあって大量の最新武器が使える。
マイナーなM26というショットガンまで登場する(残念ながら単体使用のみだが)。
発砲のエフェクトや反動、音がしっかりと作り込まれており、銃撃感は申し分ないと言えるだろう。
リロードモーションやボルトアクションライフルの薬莢を排出する動作も今では普通だけれども、当時のレベルとしては相当高い。
またラスベガスが舞台のゲームなのできらびやかなラスベガスが再現されているのもすばらしい。
なるべく実在の場所を再現しているそうで、カジノ・ホテル・劇場はかなりホンモノっぽい感じがする。
あえて地味な場所ではなくて歓楽街で戦闘することにより、この世代のゲーム機がもつ表現力の高さを思い知らせてくれる。
だが、ここであえて苦言を言わせていただくと、リアルさを追い求めるのとゲームとしての面白さは別だ。
ベガスはだだっ広くて左右対称の空間ばかりなのだが、実在の建物としては普通だろう。
しかしゲーム的な味付けをするという意味では適していない。
ミッションごとにヘリコプターで直接移動する演出を取り入れたのも正解だ。
短い時間でミーティングをこなしつつ緊迫したラスベガスの街で戦う空気が再現されている。
よくみるとヘリから見える光景は次に行く建物やクリアした建物まで精緻に描かれている。
こういう細かいところが臨場感を生むのである。
屋外の建物でも戦闘が
ただ、ベガスは残念なところがいくつかある。
武器ごとの能力が露骨な差別化をされていない反面、ライトマシンガンが最強になっている。
かといって能力を低くするわけにも行かないので難しいところだ。
サブマシンガンとアサルトライフルは明確に使い勝手が差別kされており、これは評価したい。
そして、ラスベガスの輝く町並みで繰り広げられる戦闘だけあって、装飾で敵の位置がかなり見つけにくい。
遠距離の戦いになりがちなのでスコープを装着していなければ話にならないのは、この手のゲームにありがちな欠点である。
そしてまぶしいネオンに彩られた場所の戦闘がほとんどであり、単調さを感じやすいのも指摘しなければならない。
結局広い場所でドンパチするシーンばっかりで展開に起伏がない。
続編はそこのところを考慮したのか違う場面が盛りだくさんとなっているが、ベガス1で続編を前提とした作りになっているのは理解に苦しむ。
レインボーシックスベガスは特殊部隊を操っていく、ややリアルな感じのゲームである。
他のゲームと比べると際だつ、鈍重な操作感や高い難易度は、切迫した状況を演出している。
これらの要素を苦にしなければ特殊部隊を操っていく快感を楽しめるゲームになってくれるはずだ。
劇的な演出やストーリーはないものの、一つ一つが丁寧に作られている。
人質を救え!
まとめ
特殊部隊のゲーム。
難易度は高めなのでFPS初めての人は難しいだろう。
ラスベガスの華やかな街を見たい人にもおすすめ。
アクションゲームのような感じはするが、ランボープレイは不可能という絶妙なバランス感覚がすばらしい。
点数 76点
リンク
公式サイト
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