Quake4(クエイク4)レビュー --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介
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レビュー最終更新日 2008年11月

Quake4(クエイク4)
機種:PC
ジャンル:FPS
発売年:2005年


紹介
元々Quakeシリーズはid Softwareの作るFPSとしてとても有名だったが、Quake4ではRaven Softwareが開発を行っている。(というかコラボレーション)
マルチプレイ専門だったQuake3と対照的にどちらかというとQuake4はシングルプレイに力を入れて制作されている。
もちろんQukae4にもマルチプレイはあるもののあまり人気が無いのが現状である。
既に日本の代理店はなくなってしまっているが、有名なゲームなので輸入ゲームを扱うショップへ行けば手に入る。

Qukae4はFPSというジャンルを作り上げてきたシリーズの名前を冠しているだけあって、ゲーム内容は至ってシンプルで直球の中の直球FPSである。
少し言い方を変えてみると現在のFPSではあまり見られないような古いFPSを元に、2005年の風味を付け足したようなゲームである。
したがってそれまでのQuakeシリーズにあった革新的な要素というのは欠けているとも言える。

敵モンスター

古いFPSから継承されている要素は、例えば敵が全員モンスター(エイリアン)で即着弾する武器以外にも弾道を見切って動く武器が登場する点。
敵の種類によって攻撃方法が完全に固定されており、敵と遭遇した場合には種類をよく見極めて戦うのが重要になってくる。
またモンスターが相手だということもあって耐久力は全体的に高めに設定されている。
また10はあろうかと言う武器の種類すべてを一度に携帯できるので、敵にあった武器や場面に応じた武器を使い分けていくことが重要になってくることもあるだろう。
どっちかというと最近は所持できる武器の数に制限が加わっているゲームが多い。
戦闘を主軸にした古き良きFPSが10年を経て蘇ったとも言える。

現在のFPSらしさは味方と行動する場面と乗り物を操縦する場面の存在が大きいだろう。
味方には指示することは出来ないが、プレイヤーと一緒に行動してくれる。
戦闘能力はかなり高く設定されており、攻撃力だけを見れば主人公よりも高い。
この手のゲームとしては珍しく「頼りになる」のだ。
常に一人で戦い続けていた昔のゲームとは大違いだ。
確かに一人で敵と戦闘する場面も多いのだが、仲間と戦う場面があるので燃える展開になることも多い。
また乗り物に乗る場面が二つ用意されていてこれもゲームプレイのアクセントになっている。

乗り物

レビュー
●アクション系FPSの名作

Qukae4はシンプルで、ゲーム内容は昔のゲームとあまり変わりがない。
しかしやってみれば誰もが面白いと感じるだろう。
つまり昔ながらのゲームデザインだろうときちんと調整されていれば面白いのだ。
単純なゲームであろうとも、面白さを作ることは出来るのである。
一方で昔のゲームをそのまま現代に持ってきたとしても、グラフィックはもちろんとして人の好みは変わっているので受け入れられるとは言い難いだろう。
Quake4はその点、「今風」のゲームデザインも積極的に盛り込んでいるので非常に質が高いゲームに仕上がっている。

これはシンプルなゲームでのレビューでいつも書いているような気がするが、シンプルであればあるほどゲーム自体の質が面白さに直結してくる。
FPSではあれば銃撃の感覚、敵との交戦の戦略性、操作のやりやすさなどの基本的なものが関係してくるだろう。
Quake4はモンスターとの戦闘がゲームの要になっているだけあって、戦闘が実に面白い。
咆吼や笑い声を上げながらこちらに突進してくる有機体と機械の入り交じった個性的な敵クリーチャーを銃でビシバシあてると、うめき声を上げながら思いっきりのけぞるので射撃感覚はかなり良い。
ただ単に射撃が爽快だけではない。
敵の種類が豊富でそれぞれがまったく違う行動パターンをしてくるので、敵に応じた戦闘をすることになり戦略性が高い。

この敵には回りながら攻撃するのが有効

Quake4のマップは小さなブロックごとにしきられた屋内構造になっているが、同じような構造をもつ部屋が一つとしてない。
確かに狭い空間が多いので広い空間で戦うことが少なく、圧迫感を感じるかもしれない。
しかし見方を変えてみれば、きちんとバランスを考えて作られたマップにするには狭いほうが作りやすいとも言える。
例えばガンナーという敵がいるのだが、こいつは耐久力が高くて遠距離攻撃を得意とする敵である。
左右に動きながら攻撃していれば何のことはなく倒せるのだが、厄介なのが他の雑魚敵と一緒に登場したときである。
そんなときは少し後退するなりしてガンナーとは壁で隔てられている状況を作り出し、他の雑魚敵を先に始末する必要がある。
Qukae4では意図的にそのような状況をつくりやすい構造のマップをきちんと計算されて作っている。
どの敵にはどの武器が有効なのか、そしてある場所ではどのような武器が使いやすいのかがきちんと差別化されており、そのような状況を鑑みて適切な動きをする必要がある。

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ロケットランチャーを使う

実を言うとこのような要素はどのゲームにもあるのだが、Qukae4では敵の数も武器の数も多すぎず少なすぎずで、印象の薄い敵や武器が存在しないのが素晴らしい。
敵の中には弱い奴もいるが、こいつは他の敵を一緒に出てくるのでチマチマとこちらの体力を削ってこようとするのでいやらしい。
接近戦が得意な敵には、こちらへ近づけさせる前に敵がひるみやすい武器を使って遠距離から倒す必要がある。
反対に遠距離戦闘を得意とする敵にはわざと近づいて攻撃した方が倒しやすかったりする。
種類の多い敵や豊かなマップ構造により場面に応じた武器を使う必要が出てくるので、強力な武器に頼りっぱなしになることもない。
ストーリーを進めていくと武器自体がグレードアップするのだが、その順番が最初から持っている武器(つまり一般的に言えば弱い武器)なので、初期武器が用済みになることもない。

展開に変化があるのも良い。
演出という面ではたいしたことはやっていないのだが、ただ単に目の前を現れる敵を倒すだけにはならないように作られている。
わざわざ演出を見せるためにゲームプレイを阻害するようなことにななっておらず、先に進んでいく過程で演出があるという感じ。
したがってテンポを崩さずに遊ぶことが出来る。
それは仲間との共闘や乗り物に乗る場面でも同様のことである。
ゲーム全般で見てみると、序盤は武器の扱い方や敵の種類、行動になれるためのパートという面が強く、中盤は銃弾の数が少ないサバイバル戦のようになっている。
後半は敵の量がかなり多くなりタフな戦闘が多くなるがこちらの入手できる弾の数も多くなり、力と力のぶつかり合いになっている。

仲間との共闘だ

ただ、Qukae4にも悪い箇所というのがある。
まずは単純なゲームなので人によっては中盤以降飽きてしまう点。
最低難易度にしても難易度が高めなので腕に自身のない人にはけっこうきついかもしれない。
それとグロテスクな描写が多いところも好みによるだろう。

これはあくまで個人的な意見だが、Quake4は恐ろしく単純な作りのゲームなのに何度もプレイしたくなる面白さがある。
特に最高難易度にしたときの戦闘の戦略性の高さと緊張感は病みつきになる。
武器や敵の特徴をしっかりと頭に入れ、それで適切に動かなければすぐに死んでしまう。
しかし、きちんと対処すればほぼダメージなしで切り抜けられる場面が多い。
敵の組み合わせの豊富さで単純なパターンにもならないのが、やはりモンスターとの戦闘をするゲームの利点なのだろうと思う。

モンスターに攻撃すると血がドパドパ出る

まとめ
緩急のつけられたゲーム展開と練りに練られたゲームバランスを持っている。
敵モンスターとの単純な戦闘をしたい人にならかなりおすすめ出来るだろう。
ただ、全体的に単純なゲームなので人によっては単調さを覚えてしまうかもしれない。
何か目新しい要素よりも、ゲームそのもののバランスを求める人向け。

点数77点
リンク

公式ウェブサイト


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