Half-Life: Blue Shift(ハーフライフ ブルーシフト) レビュー --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介
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レビュー最終更新日 2009年5月
タイトル
Half-Life: Blue Shift(ハーフライフ ブルーシフト)
機種:PC
ジャンル:FPS
発売年:2001年


紹介
Half-Life: Blue Shift(ハーフライフ ブルーシフト)は、ハーフライフの拡張版として2001年に発売された。
拡張パックはブルーシフトの前に「オポージングフォース」というものが発売されており、制作は同じ会社(Gear Box software)が行っている。

ブルーシフトは元々ドリームキャスト向けに開発されていたハーフライフの追加コンテンツだった。
しかしドリームキャストはプレイステーション2との競争に負け、発売からわずか3年しか経っていない2001年をもって製造が中止された。
そのような市場動向もあってドリームキャスト版ハーフライフは発売が中止されることになった。
ところがブルーシフトはお蔵入りになることなかった。
PC向けに移植され、発売されたのである。

ブルーシフトは元々家庭用向け移植の追加コンテンツだったためか、前作「オポージングフォース」のように目新しい要素が無い。
しかもプレイ時間は5時間ぐらいと、追加コンテンツであることを考えても非常に短く、世間からのブルーシフトの評価はかなり低い。

入手方法については、現在はハーフライフのパッケージを買えば自動的についてくるのでかなり楽である。

海兵隊との戦闘
今回は海兵隊が主な敵となって現れる

レビュー
●あまりにも本編の続きになりすぎていて、何も驚きがない

PCゲームにおいて拡張パックとかミッションパックとか言われるものは、私は悪い習慣だと考えている。
元々のゲームリソースを使い回すことにより、少ないコスト・短い期間でゲームを制作できるメリットは確かにあるだろう。
しかし拡張版は、元々のゲームよりもだめなゲームに作られている場合が多い。
拡張パックが面白くない理由は、制作側から見ると主に二つあると思われる。
一つには、拡張パックの開発会社は本編のゲーム開発会社と違っていることが多く、「どのようにつくるか」という根本的な考えに違いが見られることだ。
もう一つの理由は、ゲーム本編が発売されてせめて一年以内に拡張パックが発売されていないと、旬の時期を逃してしまう点にある。
短い時間で開発しなきゃならないので、良いゲームを作るのが難しいのは当たり前というわけだ。

液体のたまった部屋
今回もジャンプアクションや謎解きは健在だ

しかしブルーシフトはどちらにも当てはまっていない。
紹介で書いたように、元々ブルーシフトはドリームキャスト向けの追加コンテンツとして作られた。
この意味は、家庭用移植のオマケを想像してもらうと簡単だろう。
例えば、PCゲームが家庭用に移植、アーケードゲームが家庭用に移植されたときに追加要素がつけられて発売されることは多いはずだ。
さらに、元々のゲームを劇的に変えるほどの調整や追加ミッションをつけたゲームがあるか考えてほしい。
おそらくそんなゲームはほとんど無いはずだ。
ブルーシフトが酷評されている理由はこれでわかったはずだ。
要するに、拡張版として発売するべきではないただの追加要素を、高い金額に設定して発売してしまったのだ。

博士と一緒にいる画像
ブルーシフトは画像の博士(たち)と施設を脱出するのが最終的な目的だ

ただしひとつだけ注意してほしいことが、ブルーシフトはゲーム自体に大きな欠点があるのではないことである。
なぜならゲームの作りがハーフライフ本編とほとんど変わっておらず、とても良い意味で「本編の延長」として遊べるのだ。
ブルーシフトは安心して遊べるゲームには作られていると言えるだろう。
ストーリーやゲームバランスは、決してハーフライフの名前を汚すようなものではない。

しかし、ブルーシフトはゲーム本編が発売されてから二年以上経過して出た時期に発売されている。
二年後に発売されるゲームとしては内容が非常に希薄だ。(正確に言うとブルーシフトの前にオポージングフォースという拡張パックが出ているので一年後かもしれないが)
ドリームキャスト向けの追加コンテンツをPC版に持ってきたというのは販売会社や制作会社の言い訳にしかならない。
それにブルーシフトよりも一年先に発売されたオポージングフォースは同じ制作会社が担当しつつ非常に出来が良かったために、どうしても「落差」を感じてしまう。

ブルーシフトの立場は、販売会社に振り回された不幸なゲームと言えるだろう。
元々ゲーム機への追加コンテンツの一部として作られていたものの、移植は中止され、PCではあたかも立派な続編のようにして発売された。
販売会社の利益最優先行動がブルーシフトを不幸に追いやってしまったのだ。

バール バール バール
ハーフライフと言えばこれでしょ。バール。


まとめ
ゲームプレイはハーフライフそのものと言って良いかもしれない。
元々、移植の際の追加コンテンツとして作られていたのだから当然と言えば当然だろう。
しかし発売から二年以上経ち、すでに一つ目の拡張パックが出ている状況を考えるとブルーシフトへは厳しい評価をつけるのが適当だろう。
元のゲームとほとんど変わらない上にボリュームが少なすぎる拡張パックは、例え元のゲームが傑作であっても、元のゲームと変わらないことやボリュームの少なさそれ自体が欠点となるのだ。
ただ、現在ではハーフライフを買えば自動的についてくるので何も考えずに安心して遊べる。
ブルーシフト自体はそれほどだめなゲームではない。

点数55点
リンク

公式ウェブサイト(パッケージ)



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