Half-Life2 Episode One(ハーフライフ2 エピソード2)レビュー --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介
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タイトル画像
Half-Life2 Episode One(ハーフライフ2 エピソード2)
機種:PC
ジャンル:FPS
発売年:2007年

紹介
ハーフライフ2の続編を描く三部作の二つ目のゲーム。
内容はエピソード1の終わりから始まっているので、継続してプレイし続けてきた人向けの内容となっている。
基本的にハーフライフ2本編から続く世界での出来事なので、グラフィックとかゲームプレイに劇的な変化は少ない。
ただし何も変化がなかったエピソード1とはうってかわって新しい敵、味方、武器(のようなもの)は登場する。
またロケーションは主に洞窟や森へと変わり、それまでとは違う雰囲気でプレイできるだろう。

アリックスの画像
今回も物語の重要な登場人物になるアリックス

そしてエピソード2では、本編で大不評だった乗り物パートが復活している。
操作感覚などのダメだった点を修正しているので、本編のような違和感や不快感は少なくなっている。
面白いところとしては、実績解除項目の追加と開発者によるメッセージ追加が挙げられる。
実績解除というのは、例えば乗り物で敵を20体ひき殺すとか隠されたアイテムをみつけるとかすることで解除される項目のこと。
解除したからといって何かがあるというわけではないが、プレイヤーへ多様なゲームプレイの提案をしていることは注目に値する。
クリア後に開発者からの制作秘話が明かされることがメッセージ追加のことである。
ほかのゲームでも開発者からのメッセージと題したムービーが特典として付け加えられていることが多いが、エピソード2の面白いところはゲーム中の場面場面でメッセージが聞けることにある。
例えば目の前にある仕掛けを作るのが大変だったとか、ここでは○○という技術が使われているとかが語られるので興味のある人にはたまらないと思う。

ゾンビはひき殺すことも出来る。そういう画像
乗り物でゾンビをひき殺す

またエピソード2が発売された当初は販売形態について非難続出だった。
エピソード2の発表当初はハーフライフ2本編、同エピソード1に新作のエピソード2、ポータル、チームフォートレス2が収録されたオレンジボックスと、新作のエピソード2、ポータル、チームフォートレス2が収録されたブラックボックスの発売が予定されていた。
収録本数が少ない分ブラックボックスは安いし、既存ぼユーザーはそれを買えばよかった。
しかし発売日が近づくとValveはブラックボックスの発売を中止し、オレンジボックスのみの販売にした。
もちろんユーザーからは不満の声があったわけだが、Valveは何事もなかったかのようにみかん箱のみを発売した。(まあ定価は下げたが)
パッケージ増加による販売の煩雑さの問題からくる小売からの反発があったなどといわれているが、真相は定かではない。
ただし言えることはユーザーは余計な金を払わされたということ、それだけである。
確かにみかん箱はお買い得なパッケージだが、最終的にユーザーを混乱させて無駄金を払わせただけである。

また日本語版ではまたややこしくて、オレンジボックスに優待版と通常版が存在する。
優待版は既にハーフライフ2本編とエピソード1を持っている人のパッケージで少し休めの値段になっており、通常版は何も持っていない人向けとされている。
ところが、この二つの中身はまったく同じらしい。
自分は本編をもっていないものの優待版を買って、ごく普通にインストールしてプレイすことが出来た。
認証に失敗することもなかったし、失敗したという報告もインターネットでは見かけていない。
何がなんだかわからないが、要はアカデミックパックみたいなものだと思っている。

今エピソード2を買うのならば、オレンジボックスか「ハーフライフ2 エピソードパック」を買えばいいだろう。
ただしみかん箱は二つあるものの中身に差異がないので、優待版を買えばいい。
追記するが、現在(2008年11月現在)は価格を優待版と同じくらいまで下げたものだけが発売されているようだ。
最初からそれだけ販売すれば良かったのではないだろうか。

Gmanさんにこのことを聞いてみる画像
Gmanさん、どうですかね?この商売形態は。


レビュー
●クオリティは高いがさすがに飽きる。

ハーフライフ2本編は15時間、エピソード1は5時間がクリアするまでにかかる時間だとすると、プレイヤーは20時間ハーフライフ2の世界に入り浸っていることになる。
世界に統一感を出すためには奇抜なプレイスタイルの改変などは行われないため、20時間も同じことをしている計算になる。
これだけやったら大体の人は飽きてしまうのではないだろうか。
エピソード形式で配信されているのでプレイの間隔は開いているものの、さすがにエピソード2では中だるみをしていると思う。
確かにロケーションは変わったし、新たな敵も登場した。
だがそれだけでは人間飽きてしまうものだ。

エピソード2の前半は不気味な洞窟ステージ、後半は森のステージと、それまでのハーフライフ2とは違う世界が待っている。
とはいいつつも、おなじみの謎解き要素は健在である。
綿密に設計された3D空間とそこで繰り広げられる戦闘、謎解きのクオリティは高い。
他のゲームとは一味違うバランスの良さ、マップデザインの優秀さは本編から一切変わることがない。
まあ結局敵を倒して軽く謎解きをするだけなので、やっぱり単調さとは違った飽きがでてくるのはしょうがない。

芋虫の画像
幼虫
踏みつけるだけで殺せるし回復アイテムもゲットできる

エピソード2の中身を大まかに分けてみると、戦闘、謎解き、乗り物、ストーリー展開がバランスよくミックスされていると言える。
FPSの醍醐味の一つである戦闘の比重はそれまでのハーフライフ2シリーズよりも低くなっている。
ただし、数少ない戦闘パートは燃える展開になっているので物足りなさは感じないかもしれない。
スカスカだった銃撃音にも厚みが増し、敵へのヒット感覚もよくなっている。
新たな敵のハンターは、かなり手ごわい敵なので攻略の楽しみも大きい。

独特の形をした兵器と戦う画像
これがハンター。
かなり耐久力がある強敵なので武器を惜しみなく使おう。

ハーフライフ2の目玉とも言うべき謎解き要素は、これはもうもうやりすぎとしか言えない。
序盤は特にこれでもかこれでもかと障害が立ちふさがっていて、嫌気が差してくる。
なぜかと言うと解決方法はある程度決まっているので、単純な作業の連続になってしまいがちなのである。
謎解きをさせるためにマップを設計しているのかと思わせるほど不自然である。
面白い仕掛けは一部にあるものの、そうではない仕掛けが圧倒的に多い。

パズルを解くシーンの画像
「ああ、フリーマンが得意とする謎解き的な状況だな」
なんだかスタッフの自嘲に聞こえる。

乗り物はハーフライフ2と比べると操作しやすくなっているものの、これといって面白いとは思えなかった。
メリハリをつける上では必要な要素だったのかもしれないが、あってもなくても変わらなかったのではないかと思う。
ストーリーは多少の進展があったが残り一つのエピソード3が控えているせいか、意味深な発言ばかりでまったく面白くない。
これから世界の謎が語られる、そののど下まで来ているので消化不良感は大きい。

少し話はそれるが、キャラクターの造形、言動、行動や物理エンジンはさらによくなっているようである。
特にアリックスを注意深く観察してみるとわかるが、表情は多彩で発言も割りと自然である。
発言は、いくつかあるパターンの中から場面に応じて決められているらしく、いかにも人間らしい。
表情を含めた動きもかなり滑らかで、非常に親近感が持てる。
物理エンジンは大量の物が壊れる場面での様子がかなり自然になったと感じられた。
ただし、これらの要素がゲームの面白さに直結しているとは誰が考えても思わないだろう。
確かに見ていてすごいし、逆に自然すぎてすごいとさえ思わなくなっているのかもしれない。
それでもこれらはゲーム的な面白さとは別の要素である。

透明感のあるグラフィックスは確かに素晴らしい画像
相変わらず美しいグラフィックだけれども、衝撃はなくなってしまった。


紹介
まっとうな「続編」としか説明のしようがないのが総評である。
相変わらずの高い品質のゲームデザイン、センスには文句をつけようがない。
だがいくらなんでも同じようなものを続けてやっていれば新鮮味は薄れてき、面白さは失われてしまうだろう。
どうせストーリーに進展もないので、ポータル等の他のゲームが欲しくなければエピソード3がでるまで待ってもかまわないと思う。

点数65点
リンク
公式ウェブサイト
Valve


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