ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男 紹介・感想 --FF2400-- ゲームのレビュー・紹介
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最終更新日 2010年8月

ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男
著者:牧野武文

出版社:角川書店
出版年:2010年

 
紹介
『横井軍平ゲーム館』の共著者でもある牧野武文が執筆をしている。
横井軍平の伝記なので、人柄に関わる話題も多い。
ゲームに関する話の他にエピソードも交えてあって、読み応えがある。

なお、任天堂公式見解とも、そして横井本人の見解とも異なる、取材からの類推がたぶんに含まれている。
あらかじめ『横井軍平ゲーム館』あたりを読んでおくと良いかもしれない。

感想
●前後関係が書かれていて読みやすい

今だからこそ書ける話題も

「ゲーム館」よりも、著者の取材や類推を前後関係を意識して書いてある。
だから横井の発言の真意が読み取りやすくなっている。
比較的込み入った話題や横井自身が是としないようなエピソードも書かれているのは、故人だから出来たことだろう。

当たり前だが人間のやっていることはかなり非合理的で非理性的である。
後に行動を分析することで正しかったとか正しくなかったとか考える。
というわけで著者の推察が入っていることは何ら悪いものではない。
横井自身、何かしらの信念があったのかどうか分からないと本人も言っている商品は多い。
むしろ横井へ長時間インタビューを行い、周辺人物へも何度か話を伺った人だからこその鋭い考察がある。

横井軍平の悩み

スター開発者へとなった横井軍平は、その後管理職的な立場へとなっていく。
また周囲からの重圧も多かった。

このあたりが会社員とクリエイターとのジレンマになっている。
90年代からはゲームが最新技術お披露目の場となっていたことも、横井が一種の疎外感を感じる要因となっていただろう。
自分が感揚げるゲームや楽しさを理解してくれる人はいないのか、自分がやりたいことが思う存分やれなくなっているのではないか。
バーチャルボーイ、ゲームボーイポケットを送り出した後に任天堂を退社し、株式会社コトを立ち上げたのはそのような理由があったのだ。

時代について行けなくなったと評する人間もいるかも知れないが、現在開発費の増大に苦しむゲーム会社を見ると、横井の考えには一理あったのではないかと思わせてくれる。

おすすめ度

★★★★

横井軍平ゲーム館と一緒に読むことをお勧めする。
いい話も悪い話も載っている。


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