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Steamハードウェア調査から見えるPC構成について(2009年4月)
2009年4月
PCでゲームをするにはPCのハードウェアを強化するしかないのですが、最新ゲームをまともに動かそうと思うと10万円以上のお金がかかってしまいます。
せっかく買ったPCでも二年もすれば型遅れとなってしまうので、定期的なアップグレードが必要になってきます。
ところがアップグレードをするのにも多額のお金はかかります。
資金の問題がPCゲームの衰退とゲーム機の流行につながっているとも言われています。
そこで世界全体ではどのような構成のPCでゲームが遊ばれているかどうかを知ることで、PCゲームのおかれている現状を考えてみようというのがこのコラムの主旨です。

使う調査データはSteam Hardware Survey: March 2009です。
リンク先では2009年3月にSteamを起動した世界全体のPC構成を発表しています。

●OSについて

まずはオペレーションシステムの比率を見ましょう。

XP 32 bit Vista 32 bit Vista 64 bit
60.68% 26.40% 9.96%

まず分かることは、未だに60%以上のユーザーがWindows XPを使っていることです。
これはマイクロソフトの失敗とも取れます。
VistaからXPに換える意味がハッキリしていない現状では、Vistaを積極的に選ぶ理由がありません。

2010年に発表される「Windows 7」で、XPからのアップグレードを促進する試みがなされているかどうかで話は変わってくるはずです。

●CPUについて

今回用いたSteamの調査では、CPUのプロセッサー数とクロック周波数しか分かりません。
つまり誰がどのような型番のCPUを使っているのか分からないのです。
そこでCPUのプロセッサー数のみに焦点を当ててみます。
シングルコア (1コア) デュアルコア (2コア) クアッドコア (4コア)
28.73% 56.15% 14.64%
デュアルコアプロセッサーが主流みたいですね。
ですがまだまだシングルコアは使われています。
一方クアッドコアはあまり使われていません。

クアッドコアがあまり使われていないのには三つ理由があると思われます。
・デュアルコアプロセッサーよりも世に出てきたのが遅い
・デュアルコアプロセッサーよりも値段が高い
・ゲームは主にデュアルコアに最適化されており、ゲーム用途としてはクアッドコアを選ぶ理由がない

重要なのは三つ目の「ゲームはデュアルコアに最適化」です。
ここ数年のゲームは、特にIntelの「Core 2 Duo」で最大限のパフォーマンスが出るように作られています。
したがってクアッドコアCPUは、CPUのベンチマークテストでは「Core 2 Duo」よりいい結果が出ていても、実ゲームのベンチマークや実行性能に関してはあまり変わらないか「Core 2 Duo」よりも劣ります。
参考URL
http://www.4gamer.net/games/043/G004345/20081102003/

数年後にはクアッドコアが当たり前になり、ゲームも最適化されているのでしょうか。

●グラフィックスカードについて
本コラムでの中心話題はグラフィックスカードについてです。
PCゲームをやる場合は性能のよいパソコンでないと最新ゲームは上手く動かせないことは既に述べましたが、動くか動かないかの鍵を握るのはグラフィックスカードの問題であると言ってもいいでしょう。
それほどPCゲームではグラフィックスカードの性能が「上手く動いてくれるか」を左右するのです。

まずはSteamの調査結果を表にします。
(GFとはNvidia製のグラフィックスカードGeForceを示します。HDはATIのカードであるRadeon HDシリーズのことです) 
GF 8800 GF 8600 HD 4800 GF 9800 GF 9600 GF 7600 GF 8500 GF 7300 GF GTX 260,280 GF 8600M GF 6600
12.53% 7.17% 5.36% 4.72% 3.66% 3.29% 2.74% 2.56% 2.54% 2.18% 1.89%

実はSteamの調査は結構うやむやにしてやっている感があります。
例えばNvidiaのグラフィックスカードGeForce GTX280と260が別個に集計されています。
この二つのカードは兄弟みたいなものですからシリーズものとして集計するのが適当です。
そこで私はGF280とGF260を合計した数を表に加えています。

表を見て一番先に目に止まるのが、GeForce8800、8600シリーズの多さです。
おそらく8800GTや8600GTといったカードが刺さっているのだと思われます。
8800GTは2007年の秋に出たグラフィックスカードです。
当時のハイエンドのカードに迫る性能を持ちながら、価格が3万円程度に抑えられていたベストセラーモデルです。
その後価格はどんどん下がり、一年後には1万円半ばまで下がりました。
価格が安くなったので、中古品を含めて買った人が大勢いるのだと思われます。
一方、8600GTは2007年の春に中価格帯のカードとして登場しました。
出た当時は最新ゲームでも何とか動いたようですが、今となっては完全に型落ち製品になっています。

またATI製のRadeonシリーズの健闘も光ります。
5パーセントほどですが、これらはすべて2008年内に発売されたシリーズです。
さすがに同じく2008年に発売されたNvidia製のGeForce 9800、9600、GTXシリーズの合計には劣りますが、ビデオカードはNvidiaだけじゃないことを教えてくれます。


このままだと分かりにくいので、もう一度集計をします。
方法は、グラフィックスカードを性能によって4つのタイプに分けるだけです。

・最新ゲームでも高い設定で動くもの
・設定を下げれば最新ゲームでも動くもの
・設定を下げても動作するだけのもの(動作するだけなのでゲームをするにはかなり物足りない)
・ゲームが起動するかどうかすら怪しいもの

以下のようになります
・最新ゲームでも高い設定で動くもの
GF 280,260、HD 4800 シリーズ

・設定を下げれば最新ゲームでも動くもの
GF 8800、9600、9800、HD 4800シリーズ

・設定を下げても動作するだけのもの
GF 8600、7600、8600Mシリーズ

・ゲームが起動するかどうかすら怪しいもの
GF 8500、7300、6600シリーズ

(HD 4800シリーズは性能の範囲が広いので半分に割ってそれぞれ集計します)

集計した結果が以下の表です。
赤い文字は4つの項目中での比率です。
最新ゲーム◎ 最新ゲーム○ 最新ゲーム× 最新ゲーム××
7.9%
15%
23.59%
46%
12.64%
25%
7.19%
14%

どうでしょうか。
かなり単純に話を進めめるために、PCでゲームをよくやる人はここにいる人だけとします。
最新ゲームをバリバリ動かしている人は、アクティブユーザーの15パーセントということになります。
そして最高設定では遊べないけれども設定を下げることで遊ぶことはできる人がほぼ半分の46パーセントいます。
最新のゲームはとても「軽い」ものだけ動くが、昔のゲームなら問題なく動くパソコンを持っている人は25パーセントいます。
昔のゲームしか動かせられない人は14パーセントいます。

さらに表にしたがって分けてみますと最新ゲームを遊ぶ人は◎と○の人、昔のゲームを遊ぶ人は×と××の人になります。
それぞれの構成比は、61パーセント、49パーセントになります。


PCゲームを高設定でやっている人は、PCゲーマー全体から見ればそれほど多くないというのが現状です。
一番多いのが、比較的廉価で発売されているが性能がよい製品(コストパフォーマンスが高い製品)を買って渡り歩く人たちです。
廉価製品を買いつつ定期的にアップグレードしている人が殆どなのでしょう。

それに×で示した人たちのグラフィックスカードは、かつてコストパフォーマンスが高かった製品たちです。(そうじゃないのも混じってるけど)
つまり買い替えの時期を逃したとか、最新ゲームに飽きてしまった人たちのパソコンも依然として40パーセントあるということです。
割合は毎月減っているようですから、新しいモデルに取り替えているはずです。

古いゲームでも名作ならば最新のゲームに色あせることはありません。
むしろカウンターストライクのように、古いからこそ人が多く集まるゲームもあるのです。
そういうこともあり、新しいハードウェアに移行することができていないのかもしれません。



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